“グルメバブル”に踊る-2
2018.04.24
よく知られたところで、「グルメ」(美食家=gourmet)といえば、北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)があげられます。

美食のために器にも凝りだし、陶芸家や画家としても知られ、高い評価をえています。

もっとも、食べものには、さほどこだわらない立場からすれば、ただの“食いしんぼ”のオジサンにしかみえません。

その「魯山人」をモデルにした“海原雄山”が登場する漫画が、いまや“グルメバブル”(グルメブーム)の先駆けともいえる、“究極”対“至高”の料理対決を描いた、不定期連載の漫画「美味しんぼ」です。

「のりこえねっと」共同代表に名をつらねる原作者・雁屋哲こと戸塚哲也氏の“思想”があらわれた「福島第一原発事故」の回が問題になったことは記憶に新しいところです。

それはともかく、北大路魯山人で思い出すのは、個人的な体験ですが、あるとき編集部員たちと一緒に編集会議を兼ねて、“しゃぶしゃぶ”を食べに行ったときのことです。

フェミニストの優秀な女性部員の一人が、「日本人は肉の食べ方を知らない」と魯山人が言っているといった旨の発言をしました。

どうやら、“しゃぶしゃぶ”は、いちばん美味しい肉の脂を落とす、といったことのようです。

一理はありますが、肉によりけりです。

まあ、人それぞれに好きずきでいいですし、昨今の飼育された食肉の場合、適度にシャブシャブしたほうがよかったりします。
個人的には、ふだんは、“こってり系”よりも、“さっぱり系”が好みといった理由もあるからです。

知人に、しばらく海外に赴任していた人がいて、そのとき、血のしたたるような生肉にハマり、食べ続けた結果、ぶくぶくと太ったというお話を聞いたことがあります。

当然です。

人間でも体脂肪率は、個人差はありますが、20%前後はふつうです。

まして、野生の動物はともかく、「食肉」にするために、あえて太らされた家畜の体脂肪率は、かなり高いのが一般的なはずなので、それを、脂身の部分はさけるとしても、さほど火をとおさずに食べ続ければ、太るのは当然の結果です。

なので、そういった「食肉」を食べる場合、金網で焼いて少々脂をおとす焼肉や、相応に出汁を効かせたお湯にくくらせて、適度に余分な脂をおとす“しゃぶしゃぶ”のほうが、レアで食べるよりも個人的には好みだというだけです。

もちろん、A5ランクなどのランク付けは、さほど関係ありませんが、脂の美味しい上質な肉の表面をさっと焼いただけで食べるのも、“こってり系”を体が欲しているときなど、ほんとうに食べたいときには、美味しかったりします。

そういうこともあって、もはや日本人といえども、1883年(明治16年)生まれの「魯山人」が生きた、明治時代や大正時代(昭和34年没)など、肉が高級品であまり口にすることがなかった時代とは異なります。

日本は、1955年(昭和30年)から高度経済成長期に突入し、1980年代後半(昭和55年頃以降)のバブル景気を経たのちの昨今、「日本人は肉の食べ方を知らない」と語った魯山人の言葉は、もはやアナクロニズム(時代錯誤)でしかありません。

まして、1989年(平成元年)の「宝瓶宮時代のビッグバン」によって、占星学の時代区分でいえば「宝瓶宮時代」が人知れず正式にはじまったのです。

以降、ちまたにあふれる「肉」の食べ方など、“グルメバブリー”な「うんちく」によらず、個人の考えや好み、またご判断でご自由にされたらいいというお話でした。




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