「火星大接近」と占星学
2018.07.12
今月7月はじめあたりから「火星大接近」をWEBニュースなどでみかけるようになりました。
もっとも、新聞やテレビがどれくらいとりあげているのかは存じ上げません。

火星の地球への接近は、だいたい2年おきに発生しますが、今回のレベルでの「火星大接近」(俗称:スーパーマーズ)は、約15年ぶりで、2003年8月以来になります。

細かなデータで申し上げますと、2年前の2016年のときは、-2等級くらいの明るさで、視直径は18.6秒角でした。

それにくらべて15年前の2003年は、-2.9等級と火星では最大級の明るさで見え、視直径も25.1秒角になりました。

今年2018年の「火星大接近」は、近年ではそれにつぐ-2.8等級の明るさにせまり、視直径も24.3秒角とふだんよりかなり大きく見えます。

ご参考ながら、太陽系惑星の明るさを書いておきますと、金星が最も明るく、「-4.9 ~ -3.8等級」、中をとって-4.35等級くらいです。

次が木星で「-2.94 ~ -1.6等級」で、中をとって-2.27等級くらい。

火星は「-3 ~ 1.6等級」で、もっとも明暗の差が大きく、中をとれば-0.7等級くらいにしかなりませんが、火星と接近したときの「最大光度」で比較をすれば、金星についで2番めの明るさで光り輝く星になっています。

さて、これを占星学からみるとどうなるのでしょうか。

「満月」(スーパームーン)と同じ状態で、「スーパーマーズ」ほど“太陽と火星の衝(オポジション=180度)”のときになります。

惑星は太陽に近づいたり遠ざかったりしながら公転しています。
その度合い(軌道離心率)は、火星が「0.0934」と比較的大きく、より円形に近い公転をしている「0.0167」の軌道離心率をもつ地球に最も近づいた状態、すなわち太陽に近づいたときに地球が同位置にあるほど「火星大接近」になります。

要は、ジャストの衝(180度)に近いほど、火星も大きく明るく輝いて見えます。

今月7月31日の「火星大接近」は、太陽の獅子宮7~8度に対して、火星が水瓶宮3~2度の位置での大接近になります。

これがもしジャストの衝(180度)の位置であればそれが最大の「火星大接近」で、最大光度「-3.0等級」に光り輝いて見えます。
ですが、今後の数百年間では「-2.9等級」の明るさがベストです。

ちなみに、水瓶宮3~2度の火星というのは、空の「星座」でいえば、いて座よりの「やぎ座」になります。
占星学(術)のサイン(宮)と空の星座は異なりますのでお間違えなく。

ちなみに、7月31日が「火星大接近」の日だからといって、当日に急激に大きくなるわけではありません。
それはデータ上のお話で、7月12日の現時点でも太陽と火星の衝(180度)に20度差しかありませんので、ほぼ「火星大接近」と同じ大きさで見ることができます。

むしろ、雲がないことはもちろん、どれくらい大気が澄んでいる夜かのほうが見え方に影響します。
また、新月のときがよく見えるのですが、残念ながら月は隣のサイン(宮)の魚宮で、3日ほど前に満月を迎えたばかりです。

明日13日は新月なので、火星だけをみるならこの前後はおすすめです。

また、27日のほぼ満月の「月と火星の共演」も“白”と“赤”で乙(おつ)かもしれません。

現在でも、火星はほぼ太陽と正反対の位置にありますので、日没あたりに東の地平線上に昇りはじめ、真夜中に南中点(より天頂に近い位置)で赤く輝く星をみつけたらそれが火星です。

札幌よりも東京、東京よりも九州や沖縄のほうが高い位置に見えます。

「火星大接近」の7月31日夜9時頃の場合、見え方としては、下図よりも少し上あたりに見えることになります。


※ 画像は「国立天文台天文情報センター」より引用。




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