安倍戦略と「黄禍論」
2018.11.20
今回は、安倍戦略を理解し真意を見抜くためのヒントを書いておきます。

ただし、「日米安保」を機軸とした「ハワイ」「オーストラリア」「インド」を結ぶ「ダイヤモンド構想」や、来月12月に発効する自由主義経済圏構想である「TPP」(環太平洋パートナーシップ協定)は、すでにご存じのことなので省きます。

これらは、軍事力を持たない日本が、集団的同盟関係や経済協力によって、世界覇権の動きを強める中国に対抗しようとする戦略なのは、いうまでもありません。

ちなみに、軍事力にかんしては、「アメリカ・ファースト」(強いアメリカ)を掲げるトランプが、キッシンジャー&ニクソンによってはじめられた約60年来の中国に対する方針を転換し、本気で封じ込めをはじめました。

また、日本も同様で、たびかさなる“常識外れ”の韓国の態度に、戦後70年間、必要以上に“謝罪”を繰り返したり、“甘やかし”を続けてきた方針をついに改めて、毅然と接する方向に転換しました。

これらは、わかりやすい一例ですが、昨今の「組織運営変革の深化」のディレクションが、今年2018年からついにピークの3年間を迎えはじめたために、いよいよ本格化しつつあることを意味します。

さて、トランシットの海王星の上方矩(アッパー・スクエア=90度)のディレクションを受けていることから、19世紀後半にはじまった「共産主義思想」と同様に対外的に非現実的な“まだ見ぬ夢”「世界覇権」の“夢想”や“幻想”を掲げる中国・習近平は、身のほど知らずにも、調子に乗りすぎました。

名ばかりの「AIIB」(アジアインフラ投資銀行)や「一帯一路」構想のバケの皮が、ついにはがれたばかりか、700年ほど前にヨーロッパの直前にまで侵略した“チンギス・カンの再来”を感じたEU諸国は、中国に強い警戒感をいだきはじめました。

これを20世紀前半に欧米が日本に対して警戒した言葉でいえば、「黄禍論」ということになります。

当時は、まだ人種差別が当然だったので、旧ロシア帝国を破り、勢いを強める旧日本帝国に対して、“黄色人種”(黄色いサル)がもたらす”禍い”と呼ばれたわけです。

中国人も“黄色人種”ですが、さらに輪をかけて「共産主義」といった“赤い思想”をもつことから“赤い黄禍論”というところでしょうか。

言葉あそびはともかく、自ら血を流して昨今の“自由”民主主義体制を手に入れてきた「白人」を、ナメたらいけません。

彼らが優位に立っている以上は、“人種の平等”を標榜しますが、“黄色人種”ましてや“共産主義”に侵略されかねないとなると、彼らは自らの自由を守るために、本気で中国・習近平をつぶしにかかります。

そこまでなら、まだいいのですが、怖いのは、その矛先が日本をはじめとしたアジアに再び向かう可能性がないとはいえないことです。

“反中国”(黄色人種)といった“流れ”や“勢い”が、その余勢をかって、この際、ついでに同じ黄色人種の「対日本」や「対インド」などアジアに向かうことがないとはいえないわけです。

そういったことを予防するため、日本(安倍首相)は一応の手を打っておかなければなりません。

アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ロシアなど白人先進諸国と手を組みつつも、その一方で、インドをはじめとした中国など黄色人種の国とも関係をもち、もし、21世紀の「黄禍論」に発展すれば、双方ともにダメージが大きいと“けん制”しておく必要があるわけです。

もちろん、真の目的は、“名誉白人”(南アフリカ共和国)の国家日本ゆえに、両者を仲介して「ソフト・ランディング」をさせていく戦略です。

要は、そういったこともとらえながら、戦略的な安倍外交を理解したり、みる必要があるということです。





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