新元号「令和」によせて
2019.04.03
すでにご存じのように、新元号「令和」が発表されました。

『万葉集』の「梅花の歌」三十二首の序文にある「初春令月 気淑風和」(初春の令月にして 気よく 風やわらぎ)から採用されたことも、ご存じのとおりです。

たぶん、すでに多くのかたが解説されていると思いますが、一応、書いておきます。

「令和」の“令”は、初春の令月のことなので、旧暦の2月、厳しかった冬が終わりに近づき、ようやく暖かくなりはじめて、何事をはじめるにも良い月のことを意味します。

2月といえば、新元号の御世となる次の天皇の誕生月、2月23日が思い浮かびます。
ホロスコープでいえば「魚宮3度」の太陽です。

ただし、新暦での2月23日なので、旧暦になおすと1月27日、令月の直前です。

それはともかく、新元号「令和」について、なぜか賛否があるようです。

その理由は、「令」の意味を勘違いされておられるからです。
 
反対している多くのかたは、みたところ、「令和」の“令”をもって、“命令”や“司令官”など支配のイメージでとらえて、「“命令して和す”とは何事か」などと感じているのではないかと存じます。

ですが、採用元となった「令月」には、もちろんそんな意味はありません。

この令は、「ご令息」や「ご令嬢」また「ご令室」(奥さま)といったように、お相手の身内を敬って呼ぶときにつかう美称です。

なので、「命令」というのも、元来は、ご神託を人々がありがたくひざまづいて受けるさまをあらわしたものなので、もとは悪い意味ではありません。

つまり、「令」には、“良い”といった意味しかなく、それゆえ採用元となった「令月」も、暖かくなりはじめて物事をはじめるには“よい月”(旧暦2月)という意味を持ちます。

では、なぜ「令和」に良くないイメージをもつのか。
また、悪くいう人がいるのか。

その理由は、文字というものは、“概念”を表わしたものなので、その人が平和や調和ではなく、「支配、被支配」といった対立二元論でしか物事をとらえていなかったり、共産党一党独裁のように、上からの指示(“命令”)でしか動けない服従させられた思想や環境のなかにいると、「令」の字に“悪い”イメージをもって解釈してしまうからです。

そうではなく、「令」の字を正しく理解していたり、「令月」とまでは知らなかったとしても、「ご令息」や「ご令嬢」といったように、相手を敬い謙譲する気持ちをふだんからもって生活し、使用していれば、新元号「令和」は、相手の平和を称える、日本にふさわしく美しい元号であることがわかると存じます。







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