九頭龍神社と箱根大神
2019.09.12
海賊船でも知られる箱根・芦ノ湖の東岸に3つの神社があります。

北側から湖畔の箱根「九頭龍神社」(本宮)、箱根駒ケ岳山頂の「箱根元宮」、湖畔の道路脇の「箱根神社」です。

箱根九頭龍神社(本宮)は、「ザ・プリンス 箱根芦ノ湖」ホテルの敷地内をとおり、箱根九頭龍の森の中を約30分ほど歩いて行けます。

途中の小さな「社務所」兼「お土産売り場」で入場料を払い、白龍神社もあります。

もう一つの行き方は、プリンスホテルに隣接した「箱根園」からモーターボートで送り迎えしてもらう方法です。入場料込みの料金が必要ですが、5分とかかりません。

今回、一昨年に続き2度めの九頭龍神社へのご参拝となりました。

最初に、まず交通施設が集まる元箱根に近い「箱根神社」に行きました。

本殿脇には「九頭龍神社新宮」があって、本宮に行かなくても代わりにご参拝できるようになっています。

参拝客によると、以前は龍の「吐水口」が1つだけだったのに「9つに増えている」とのことでした。

箱根神社のご祭神は、瓊瓊杵尊(ににぎの みこと)、木花咲耶姫命(このはな さくやひめの みこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみの みこと)の三柱で、箱根神社側ではこの三柱を総称して“箱根大神”としています。

ですが、これらは観光客向けともいえるご祭神で、本来の「箱根大神」(はこねの おおかみ)とは違うといえます。


理由は後述するとして、九頭龍神社(本宮)にご参拝して箱根園にもどると、昨日の台風で保守点検中(運休)だった「箱根駒ケ岳ロープウエー」が動いていました。

ということで、山頂には雲(霧)がかかっていましたが、頂上の「箱根元宮」(はこね もとつみや)に向かいました。

山頂駅に着いても、案の定、何も見えません。

10メートル先も見えない霧の中、さらに小高い山頂の「箱根元宮」に着きました。

富士山も何も見えないため、ロープウエーに同乗してきた観光客は早々にもどり、駅内にある晴れていたら見える富士山の写真パネルの前で、記念写真をとったようです。

元宮に着いて20分ほど立ったころでしょうか。
ほんの一瞬、雲(霧)間に富士山や相模湾が見えるとき(瞬間)がありました。

それでワイワイ騒いでいると、それから10分経つか経たないうちに、富士山が山容をみせ、反対側の展望台からは小田原市や相模湾また三浦半島が遠望できるまでになりました。

それも15~20分間ほどで、山頂駅にもどると、元のように周囲は霧に包まれてしまいました。

それはともかく、「箱根元宮」のご祭神は箱根大神で、こちらが本来の「箱根大神」です。
なぜなら、古来からある「九頭龍神社」由来の大神さまだからです。

その証拠に、九頭龍神社(本宮)が位置する箱根九頭龍の森の中にあって入場料を払ったり、御札や絵馬を求めることができる前述の社務所は、「箱根元宮社務所」といいます。

つまり、芦ノ湖湖畔の「箱根九頭龍神社」(本宮)から、箱根駒ケ岳山頂の「箱根元宮」のルートこそが、いわゆる“箱根縄文族”の「族長」(おさ)または「元祖」ともいうべき「箱根大神」(はこねの おおかみ)を祀る場所だったのです。

その詳しいお話は書けませんが、昭和になって山頂の「箱根元宮」を再建したのが、西武グループの創業者で第44代衆議院議長でもあった堤康次郎(つつみ やすじろう)です。

西武グループは、かつて武蔵野鉄道と呼ばれた「西武鉄道」や、所沢を本拠とする「西武ライオンズ」、旧セゾングループの「西武百貨店」や、軽井沢や箱根の観光開発を行なった「旧コクド」など、戦後、関東一円の復興開発に影響をもたらしました。



●「箱根神社」に隣接する「九頭龍神社新宮」の吐水口。


●箱根駒ケ岳山頂から見た富士山(山頂にはさいの河原のように多くの石が積まれていました)








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