アメリカvsイランの裏事情
2020.01.10
アメリカ軍によるソレイマニ革命軍司令官の殺害と、イランによるアル・アサド米基地や米大使館へのミサイル攻撃によって、「戦争は起きるのか」と複数のかたからご質問を受けました。

6日の時点で、当ブログのご質問にお答えした回答の出だしは、次のような内容です。

                   *

まず、「革命軍司令官」の意味ですが、ここでいう“革命”というのは、中国の「文化大革命」の“革命”と同様です。

実態は、“革命”という名のもとに古い伝統的なシナ大陸の文化文明を自分たちの“思想”(イランは“宗教”)によって破壊し、伝統を受け継ぐ者の大量殺人を行なうことを意味します。

なので「革命軍」や「文化大革命」といった“美名”に惑わされると本質を見失います。

事実、イランのロウハニ大統領ではなく、最高指導者ハメネイ師のもとにある「革命軍」は、イラクのアメリカ軍施設や設備を攻撃したり、未確定ながらサウジアラビアの石油施設を巡航ミサイルで破壊したとされます。

要は、アメリカをはじめとした「自由民主主義国家」からみれば、“革命”という名の「テロリスト」もしくは「テロ支援組織」が「革命軍」でそのボス(司令官)でした。



さて、お話を戻しますが、一連の出来事は、どの部分を切り取るかで、イランが正しいのかアメリカが正しいのか、見方が180度変わります。


そのため、“ソレイマニ革命軍司令官”とは、どんな人物で、何をやってきたのかを理解しなければ、どちらが正しいかはともかく、本筋が見えてきません。

日本の場合は軍隊ではなく、自国防衛のための「自衛隊」と称します。

ですが、イランには世界各国の正規軍と同様のイラン軍とは別に、ハメイニ師直属の「革命軍」がいます。

「革命軍」というのは、その名のとおり、よくいえば積極的にイスラム革命を推進する軍隊ですが、アメリカなどの自由民主主義陣営からみれば、過激派イスラムによるテロ組織などへの「軍事指南役」なのです。

たとえば、ISIL(自称「イスラム国」)やヒズボラなど、多くのテロ組織を積極的に支援し、資金援助や軍事テロの手ほどきをして、アメリカをはじめ西側諸国に対して、過激テロを実行させてきた「元締め」がソレイマニ革命軍司令官だという認識を、これまでの情報活動によってアメリカはつかんでいました。

昨年12月27日、そのソレイマニ革命軍司令官の指南によるロケット弾攻撃によって、基地内の民間アメリカ人に犠牲者が出たために、トランプは報復をかねてソレイマニ革命軍司令官の殺害をチョイスしたわけです。

革命軍司令官を空爆によって殺害するという究極の選択に、アメリカの関係者は驚いたといいますが、トランプはイランは戦争までは仕掛けてこないと読んでいたようです。

事実、軍司令官の喪があけた6日、イランは十数発のミサイルをアル・アサド米基地に報復として撃ち込み「80名を殺害した」とアナウンスしましたが、そんなすぐに確認できるはずもありません。

実際は“人的被害”が出ないようにミサイルを撃ち込み、自国民や世界に向けて「報復した」とのポーズをとったわけです。

もし、ほんとうに80人ものアメリカ兵が殺害されていたとすれば、その瞬間、インド洋に待機していた52機ともいわれるB52爆撃機やアラビア沿岸に控えていたアメリカ空母などから、直ちに「イラン壊滅作戦」が行なわれていたはずです。

そこまで準備をして、アメリカはソレイマニ革命軍司令官の殺害を実行したのです。

最高指導者ハメネイ師も、そんなアメリカ軍の展開をつかんでいましたので、「戦争」を避けるべく、アメリカに人的被害がでないようにわざと外してミサイルを撃ち込みました。

6日のご質問への回答に戻りますと、占星学から次のように書いておきました。

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出生時の「太陽」と「月」を牡羊宮にもち、山羊宮の「火星」をほぼ上方矩(90度)とするハメネイ師は、“攻撃的”な人物で、そういった過激な発言をしますが、一方で現実をクールにみる“冷静”さもなくはありません。

実質、イランは、アメリカと全面戦争をするだけの実力(世界14位の軍事力)もありませんし、財政的な余裕も今はありません。(以下略)



ということで、結局、大人の判断と対応で、直接の戦争は避けたことがよくわかります。

もっとも、新たな革命軍司令官のもと、イランは立て直しをはかり、直接間接を問わず、どこかの国で“革命”という名の「報復テロ」を画策することでしょう。









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