UAPとUFOの根本的違い
2020.04.30
アメリカ国防総省が、世の中の混乱を防ぐため「UAP」の画像をホンモノとして認定しました。

ネット・ニュースなどでみた方も多いと存じますが、その一つは2015年にF/A-18スーパーホーネット(米海軍戦闘機)が赤外線カメラで撮影したものです。

国防総省は、「UFO」(未確認飛行物体=Unidentified Flying Object)とは確認しておらず、実際の「UAP」(未確認航空現象=Unidentified Aerial Phenomena)だと認めただけです。

ところが、それを中国よりでウソの報道も多い例のCNNや日本のマスコミは、なぜか「UFO映像」といった見出しをつけて、“アメリカがUFO映像をホンモノだと認めた”などとセンセーショナルに報道しています。

“信じるか信じないかはあなた次第”で根拠が定かでない不思議系雑誌の編集長などは、アメリカは“UFO”の変わりに“UAP”という新しい言葉を作り出して誤魔化そうとしているなどと根拠なく言っているほどです。

マスコミは、「UAP」と書いても、読者や視聴者は何か分からず食いつきが悪いので、世間に一定の関心をもたれている「UFO」などといって、あえて報道するわけです。

そのほうが、売り上げがよかったり、アクセス数を稼げるために、結局、今回も「“UFO動画”をアメリカ海軍が公式に未確認航空現象(UAP)と認定した」などど、正確でない取り上げかたをしています。

事実をハッキリさせておきましょう。

「UFO」(未確認飛行物体)の動画だと認めたものではありません。

あくまでも科学的に「UAP」(未確認航空現象)が赤外線カメラでとらえられたと正式に発表しただけです。

「UFO」と「UAP」の決定的な違いは、“物体”か“現象”かということです。

UFOは、未確認の飛行する“物体”すなわち「物質」という存在で、物理法則によらなければ飛行できないものです。

一方、UAPは、物質とはかぎらず、あくまでも空中でおきた“現象”の一つです。

しかも、アメリカ国防総省が認めたのは、可視光線で撮影した“目視”できだものではなく、あくまでも「赤外線カメラ」がとらえた“現象”なのです。

通常、テレビなど可視カメラの映像しか見ない私たちは、それを“可視映像”すなわち“物質”を写したものだと、かってに勘違いしてしまいます。

残念ながら、ふつうのカメラと、戦闘機の赤外線カメラとでは、根本的な違いがあります。

それは、赤外線カメラは、そこにある“熱源”(温度差)を写してしまうだけではなく、そこない“奥”のものや、“反射したもの”(現象)を写してしまうことがあるということです。




また、そうでなくても、通常のカメラでも次のようなことが起こります。

不思議な尋常ならざる動きをするものが防犯カメラに写っていて“怪奇現象”だと騒がれたり、隕石を光る“UFO”が突き抜けて一部を破壊する映像がドライブレコーダーに写っていたりしました。

ところが、なんのことはない、前者は防犯カメラの透明カバーの上をはう虫だったことが明らかになり、後者は車のフロントガラスのキズが光を反射して動くUFOのように撮影されたものでした。

ふつうのカメラでさえ、そのような勘違いされる事例はいくらでもあります。

まして、赤外線カメラで変化の大きな大気中を撮影すれば、原因が未確認なだけで、類似の現象は起こりえます。

ですが、可視カメラに撮影された“物体”と、赤外線カメラで撮影された“現象”は異なるために、アメリカ国防総省はUAP(未確認航空現象)のホンモノの「映像」と認めただけで、正体は不明ですが、“UFO”と認められたものではありません。

なぜなら、UFOといえども、それが地球上に存在する物体である以上、物理法則に逆らって移動することはできません。

“時間”や“空間”や“法則”に制限されない“現象”は、それがあっておかしくはありませんが、一般的な概念の「UFO」ではありえないものです。

そういった科学的な根拠に基づいて、YouTubeにアップされていた動画を、米国防総省は混乱を招かないように、またこのような報告がパイロットからあがってくるように、アメリカ海軍の戦闘機の赤外線カメラに写った“モノホン”のUAP(未確認航空現象)の映像ですよと、ふつうに認めたものです。









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