対中「シーパワー包囲網」
2020.07.29
 
中国(中共)が世界覇権を奪取しようとするとき、「シーパワー」すなわち“海軍力”は欠かせません。

そのことに気づいた、巨大な陸軍をメインとした人民解放軍をかかえる大陸国家「中国」は、ウクライナから旧ソ連設計の未完の空母「ヴァリャーグ」を“商用”として購入したわけです。

ご存じのように、“商用”というのは中国お得意の真っ赤なウソで、結局、空母「遼寧」(りょうねい)に仕立てて2012年に就役させました。

しかし、第2次世界大戦をみるまでもなく、地上戦をふくめて海上戦においては、「制空権」をにぎることが、海中で隠密行動をとる「潜水艦能力」とともに重要です。

でなければ、「制海権」をにぎることがむずかしくなります。

中国は、「南シナ海」の複数の岩礁を“自国の領土”だと強弁して埋め立て、軍事基地を築くなど、最近、とみに違法な海洋侵出を強めてきました。

これに対して、近隣のアジア諸国は、なかば“泣き寝入り”状態だったといえます。


しかし、その風向きが変わったのです。

今年2020年の“武漢ウイルス”の世界的蔓延と、先月6月末の香港に対する「国家安全維持法」(国安法)を中国が国際的な約束を破って即時施行したことが、大きな要因です。

そのほかにも、これまでの複雑な事情と経緯があるのですが、トランプ大統領以上にアメリカ議会が中国のやり方に対して、ついに本気で怒りを爆発させています。

当ブログの「台湾が中国船を拿捕」(2020年6月16日記事)に書いたように、アメリカはまず空母3隻を東アジアに向かわせて、国内の中国排除に動きだしました。

今月7月、アメリカと中国の双方が南シナ海で軍事演習を行なうなか、3日前の26日にアメリカのP-8A海洋哨戒機が、中国福建省の領海直前76.5kmまで、近年まれにみる超接近による偵察を行ない、本気度をみせています。

P-8Aといえば、今年2月には、グアムとフィリピンの間の公海上で、中国7,000トン級の駆逐艦からレーダー照射を受けたことがニュースになりました。



5年前の5月には、南シナ海の岩礁埋め立てをP-8Aが監視飛行をしており、中国海軍から8回もの警告を受けましたが、「国際空域を飛行している」と返答しています。

P-8Aは、旅客機ボーイング737の機体をベースに軍事改良された哨戒機で、5月に100機めが納品され、翌6月には102機めが納品されています。

“緊急調達”が行なわれているようです。

哨戒機といっても、対艦ミサイル「ハープーン」(上画像両翼下)を搭載しており、ウエポン・ベイ(兵器格納庫)をそなえ、“グローバルホーク”の名称で知られる無人攻撃機「トライトン」との連携を前提としていて攻撃も可能です。

今回の中国領土への超接近は、P-8A海洋哨戒機だけでなく、レーダーで地上を探知する早期警戒管制機 E-8Cも同日、広東省近辺の南シナ海を偵察飛行しています。

さらには翌27日、同じく広東省付近をアメリカ軍のRC-135電子偵察機が飛行したと、中国側は発表しています。


アメリカは本気なのです。

いつでも中国を叩けるように偵察を繰り返しています。

もはや、中国は“ビビる”しかありません。

なぜなら、両国の軍事力の差は、あまりにも明確だからです。

7月26日の偵察は、中国が同日、南シナ海で実弾演習を行なっていたからだとされます。

しかし、前日の25日から、海南島背後の半島のベトナム側海域で、8月2日まで9日間にもわたる実弾演習を中国は行なうと発表していたのです。

これに対して、アメリカ側も仕掛けています。


横須賀を母港とするロナルド・レーガン空母打撃群が、フィリピン海で「日本」の海上自衛隊と「オーストラリア」の海軍とで7月19日に合同演習を行ないました。

その翌日、20日にはニミッツ空母打撃群が、インド洋で「インド」の海軍と合同演習を行なっています。

これは、安倍首相が提唱した、日本・ハワイ・オーストラリア・インドを結ぶ「セキュリティー・ダイヤモンド構想」が実現したものともいえる演習です。

また、かつての“大英帝国”でインド・太平洋などにも海外領土をもつ誇り高き“紳士の国”「イギリス」が、香港返還に関する「一国二制度」を中国に破られたこともあって、かなり怒っています。

旧盟主国として、来年2021年初めに、最新鋭空母クイーン・エリザベス打撃群を極東アジアに派遣すると発表しています。

以上のようなことは、宝瓶宮占星学サイトに2年前にアップしておいた「占星学から読む時代変革」―その1:山羊宮の土星と地政学―、メイン・タイトル“海洋国家「日本」が生き残る平和と安定の道”の記事内容が現実的に動きだしたものといえます。

星の動きや地政学からみて、大陸国家「中国」の“世界覇権侵出”に対しては、「海洋国家」である日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアが手を結べば、容易に侵出を阻止し、「世界平和」の維持が可能になります。

いわゆる、「グローバル・シーパワー・セキュリティー」です。


ちなみに、日本国内をみますと、いまだに中国への進出を続けたり、今後も進出を企てている企業をふくめて中国政府(中共)を擁護する「親中派議員」や「媚中派官僚」がいますが、もはやかの企業や人々は、日本のみならず世界平和の“敵”といえるのが、昨今の明白な事実となっています。

実際、今月7月、アメリカの報告書では、二階俊博幹事長と今井尚哉(たかや)首相補佐官が、日本の「対中融和勢力」として実名でもって名指しされていました。

“無法国家”「中国」(中共)を排除して自国と世界を守ろうとするアメリカにとって、“敵”側の人物と認定されたわけですが、それは「日米同盟」によって平和を維持しようとする日本にとっても、また“注意”すべき人物ということを意味します。








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