占星学と占星術の「原点」
2022.04.02
 
占星学と占星術の「原点」
― アストロロジーとの違い ―


◆ アストロロジーは「学問」、現代占星術は「占い」



多くのかたが「アストロロジー」と「占星術」を混同しているようです。

同じだと思っているかたが多いのですが別ものです。

古代ギリシャに発祥したアストロロジーは「学問」(当時の科学)ですが、現代占星術は「占い」だからです。

いずれも「ホロスコープ」を用います。

なので同じだと思われていますが、「原点」の異なる異分野の存在です。

これは事実をお伝えしているだけです。



≪西洋占星術の“ウソ”≫

西洋占星術を学びはじめた当初は気づきませんでした。

「アストロロジー」と「占星術」は同じだと思っていたのです。

多くのかたがそう思っているのではないでしょうか。

書籍やWEBサイトのタイトルは「西洋占星術」ですし、説明には「4,000年の歴史があり…」云々などと書かれています。

初めてのかたは、古くからある伝統的な占いだと思ってしまうのです。

また、別の説明では、「アストロロジーは古代からの最先端科学で…」などと喧伝されていました。

これらは“ウソ”です。

もしくは作者の“妄想”また“思い込み”です。

以下、ご説明してまいります。

英語で「アストロロジー」(Astrology)というとき、日本語では「占星術」と訳されます。

2,000年も前ならいざ知らず、現代では間違いです。

英語で「〇〇ロジー」というからには、「〇〇学」といった学問や科学でなければなりません。



≪科学とは正反対≫

古代ギリシャに発祥したアストロロジー(通称:古典占星学)と、19世紀中ごろに萌芽した現代占星術は、“根っこ”が異なります。

同じようにホロスコープを使うので、世間一般的には同じだと誤認されていますが、そこには「メビウスの輪」のようにねじれた歴史的経緯をみることができます。

約2,000年前の「学問」(アストロロジー)が、近世に「占い稼業」(古典占星術)に転じたこともその要因です。

さらに、19世紀後半に似て非なる「占い」(星占い、現代占星術)が誕生したという経緯があります。

これらは皆、同じようにホロスコープを用いるのです。

詳しい理由は、あとでご説明いたします。

早いお話が現代占星術(占い)は、アストロロジー(学問)を”パクった”のです。

理由はあります。

いずれにしても、星占いや現代西洋占星術を「学問」また「科学」と呼ぶ人がいたら、相当、頭のおかしい人です。



【星占いに古典占星術が介入】

上述ように「学問」(科学)だったアストロロジーは、近世に「占い稼業」(通称:古典占星術)に転じます。

理由は、「四大元素説」が“疑似科学”(迷信)とされたからです。

ですが、古代ギリシャの理論を維持したままで、古典占星術(占い稼業)に変わっていくのです。

しかし、古典占星術もまた「天王星」の発見によって、ホロスコープ理論が破綻していきます。

そののち、「海王星」発見の直後に“当たる/当たらない”の星占いが萌芽していきました。

これに古典占星術が介入していくことによって、皆さまご存じの現代占星術(ホロスコープ占い)に変容していった経緯があります。



≪誤認している4つの理由≫

アストロロジー(学問、科学)が、占星術(占い)だと誤解されるようになったのには、複雑な事情があります。

結論的に、ポイントのみ書いておきます。

次の4つです。

1、同じようにホロスコープをもちいる。

2、Astrology(アストロロジー)が、“占星術”と誤訳されている。

3、両者の歴史的経緯が複雑に錯綜。

4、双魚宮時代や海王星の象意なので仕方がない。

ここまで読まれて、アストロロジーと占星術は同じだと思われておられるかたは、まだいらっしゃるでしょうか。

もし、いらっしゃるなら、“占星術信仰”はご自由ですが、現代人としての論理的判断力に欠けているか、もしくは“洗脳”が進んでいるかもしれません。



≪ホロスコープを用いる≫

もう少しご説明をいたします。

ホロスコープは、出生地などのイベントのあった場所からみた、その瞬間の宇宙太陽系の星の配置を忠実に写しとったものです。

古代ギリシャのアストロロジー(学問)も現代占星術(占い)も同じです。

ですが、ホロスコープの解釈や用途がまるで異なります。


たとえば、最先端の高性能カメラを用いて、壮大な「宇宙ドキュメンタリー」(学術)を撮るのと「スターウォーズ」(物語)のようなSF映画を撮って、両者を観るといったような違いです。

現代占星術のように「占い」としてのホロスコープ解釈しかないと慣れ親しんでしまうと、アストロロジーの学問によるホロスコープの解釈や用途も同じだと思い込み、まったく別のものであることに考えがおよばないのです。

「アストロロジー」(Astrology)に占いという意味はどこにもありません。

直訳すれば、天体学(Astro=天体:星、-logy=科学、~学)です。

同じようにホロスコープを用いるので勘違いしているかたが多いのですが、アストロロジーは、あやふやな「占い」などではなく、古代ギリシャの世界観に基づいて体系的に解釈された、当時最先端の「学問」でした。



≪海王星の象意“事実誤認”≫

次は、歴史的経緯による勘違いの理由をご紹介いたします。

古代ギリシャのアストロロジーは、近代科学によって“疑似科学”とされ、学問的に否定されました。

有名なケプラー(1571-1630)は、“疑似科学”とされたものの同じようにホロスコープ理論をもちいた「古典占星術」(占い稼業)によって、研究資金としています。

しかし、18世紀末の「天王星」の発見によって、そのホロスコープ理論までもが破綻していきます。

その後、19世紀中ごろの「海王星」の発見によって、世界的な心霊ブーム(近代スピリチュアル・ブーム)が起きたのです。

それとともに、霊媒師マダム・ヴァッキー率いる神智学協会のアラン・レオらによって、理論を捨象したオカルトチックな“星占い”が萌芽していきます。

ここから、アストロロジー用語の一部を取り入れ、ホロスコープを占いとして用いていく、皆さまご存じの現代西洋占星術に変容していくのです。

まるで、朽ち果てた古い“母屋”(アストロロジー)の軒下を借りて「占い」という看板を出し、母屋かのように装っているのが「現代占星術」かのようです。

以上のような出来事は、「双魚宮時代」また「海王星」の象意なので“占星術的”には仕方ありません。

双魚宮時代の末期、海王星の発見(1846年)によって「現代占星術」は萌芽しはぐくまれていったので、海王星の象意“幻想”や“欺瞞”また“事実誤認”を内包しつつ存立しているためです。



【では、「占星学」はどうなのか?】

「〇〇ロジー」は学問ですが、では「占星学」といった場合はどちらなのでしょうか?

「占い」なのか「学問」(科学)なのか、ということです。

占星術を学術的に論じるというなら「学問」ですが、西洋占星学はありえません。

なぜなら、西洋占星術を言い替えただけの「占い」で、科学的な理論がないからです。

では、通称「宝瓶宮占星学」はどうでしょうか。

ちゃんと宇宙この世界の根本法則に基づいた基礎理論があります。

また、古代ギリシャのアストロロジーは、“古典占星学”と称されています。

なので、便宜上「宝瓶宮占星学」と称してご理解をうながしています。

過渡期なのです。

本来は、宝瓶宮時代の新しい「アストロロジー」(宝瓶星学:ほうへいほしがく)に進展していきます。

とりあえずはそういうことです。











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