太陽系惑星が勢ぞろい
2022.06.17
 
[天体ショー] 太陽系惑星が勢ぞろいする6月後半
― 夜明け前の数時間のみ ―


◆「惑星直列」ではなく、十大惑星が一堂に会する天体ショー◆ 



Twitterで先頃、「惑星直列」がトレンド入りしたそうです。

ですが、直後に否定されました。

すると今度はMixiのピックアップニュースで、6月16日の「ねとらぼ」の記事が紹介され、誤解される一文が見られましたのでご紹介しておきます。

いわく、「国立天文台によると、(中略)東の地平線に向かって、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星がならぶとのこと。」

という内容です。

タイトルは「太陽系の惑星が明け方の空に勢ぞろい!」と国立天文台の発表どおりで、間違っていません。



【太陽系の惑星が並ぶのは当たり前】

ちなみに、福岡市では下図のようになります。

6月18日の明け方、午前4時半頃の星の配置です。




黄色いラインは、太陽の通り道「黄道」を図示したもので、惑星たちはこの黄道にそって、常に移動しています。

そのため、太陽系の惑星が集中すれば並んで見えるのは当たり前です。

なので、一堂に会した「勢ぞろい」であって、目視をはじめ天体望遠鏡を使えば「見える」ということです。


ちなみに、ホロスコープをみましても、水瓶宮直前の「山羊宮」の冥王星にはじまり、「水瓶宮」の土星、「魚宮」の海王星、「牡羊宮」の木星、「牡牛宮」の天王星と、ソーシャル・プラネットが順番に1サイン(宮)に1つずつトランシットしている昨今です。

さらに、「牡羊宮」には火星、「牡牛宮」には金星(6月23日まで)、「双子宮」には水星というように、これまた順番に共鳴星(西洋占星術では支配星)が位置しています。

すでに、宝瓶宮占星学サイトに6月12日にアップしました「今週の運勢」の「今週の星の動き」にてお伝えしたとおりの内容です。

ご確認されるかたはご一瞥ください。



【太陽と惑星たち月までもが150度以内に集中】

もう少し具体的に書いておきます。

全天球360度のうち、空の星座では、いて座に当たる「山羊宮」その終盤から「双子宮」の終盤まで、ほぼ150度の範囲内に太陽と月をはじめ、準惑星の冥王星を含めて、太陽系惑星が集中するということです。

それが、太陽が昇る直前の夜空に、この6月中旬から下旬まで「勢ぞろい」して観測できるためニュースになり、国立天文台が発表したようです。

肉眼でハッキリ見えるのは、月と、マイナス3等星の木星と、マイナス5等星の金星で、目が良ければ見えるのは、火星と、ギリギリ土星までです。

水星は見えたとしても、日の出直前の太陽に近い地平線近くになりますので、街中の場合は日の出方向のビルや田舎でも山などで見えないことが多く、当然、太陽が昇ればすべての星がみえなくなります。

天王星、海王星、冥王星は天体望遠鏡でなければ見えず、探すのも困難を極めます。


結局、「惑星直列」などではありません。

「星が並ぶ」というのも、太陽系惑星では相応に近接すれば当たり前なので、動きの早い月を含めて太陽から冥王星までホロスコープで用いるメイン・プラネット(十大惑星)が、夜明け前に勢ぞろいするという天体ショーがこの6月後半に起きるというお話です。

付記しておきますと、国立天文台が発表した「勢ぞろい」というタイトルと「プラネタリウム」画像を見たあわて者が、「惑星直列」と勘違いし、さらに、それを「惑星が並ぶ」と誤解される表現の記事を書くというネット上によくある「伝言ゲーム」が起きたという顛末だと考えられます。

ちなみに、国立天文台が掲載した「プラネタリウム」画像が下図で、惑星が直列しているかのように見えなくもありません。

ですが、そうではなく、これは地表上の全天空を映したプラネタリウム画像なので、実際的に見える配置ではなく、実際には上の画像のように、見る方向の半分以上を占める大きな弧を描いた星たちの配置になります。












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