ただいま六本松が沸騰中
2017.08.30
福岡市のローカルなお話です。

かつて六本松にあった九州大学「六本松学舎」が、西の外れ伊都キャンパスに移転してのち、六本松の再開発が続けられてきました。

新左翼の看板などがあって汚かった景観や、失礼ですが学生向けに安かろうの店が多かったりと、どこか貧乏くささのあったまちが、今やきれいでお洒落な商業施設や居住施設などの景観に変わっただけでなく、近代的な地下鉄「七隈線」の六本松駅ができるなど、便利なまちへと変貌を遂げています。

その理由は、六本松の立地条件。

東へ行けば「天神」や「中州」、西へ行けば「西新」や「姪浜」、北へ行けば「福岡タワー」や「ヤフオクドーム」、南へは観光道路で「油山」方面、東南の城南線では「桜坂」や「薬院」といった福岡を特徴づける地域にいける中間点にあること。

もちろん、六本松のすぐそばには福岡市民の憩いの場所、毎年8月1日に花火大会が行なわれる大濠(おおほり)公園があって、六本松に居住したいサラリーマン家族が多いのも事実です。

六本松は、博多駅からは距離があり、天神からもバスや地下鉄で乗換えが必要なので、地元密着の“ローカル”さが六本松近隣に住む人には心地いいのです。

そこに住むサラリーマン家族などを目当てに、かつての学生相手のお店とは違って、お洒落な店が続々とオープンしているわけです。

それは国体道路やけやき通りにつながるメインの別府橋(べふばし)通りぞいだけではありません。

むしろ、六本松が沸騰しているのは、別府橋通りから中に入った路地裏にこそ、その特徴があります。

小さいながらも個性的で小じゃれた店、おいしいものを出す小さなお店があちこちにあります。
ときに近隣の区画にまとまってあったりして、隠れたグルメ・スポットになっていたりします。

個人が出しているような小さなお店は、むかしから六本松界隈にはありました。
ですが、そのレベルが違ってきているのです。

そのレベルの高さに惹かれて、2度、3度と訪れたいお店が増えています。

すぐにお客さんでいっぱいになるくらいの小さな店が多いのですが、天神や中洲といった賃料が高い繁華街のヘタなお店よりも、よっぽど良いものを工夫して提供して満足を与えてくれます。

そこは知る人ぞ知るお客が密かに訪れていたり、ウワサを聞きつけた人たちが試しに訪れたりしています。

もちろん、店によっては行ってみないとわからないし、商品メニューのなかには当たり外れがあったりするでしょうが、総じて満足できる店がふえているのは事実です。



日田川開き観光祭
2017.05.22
戦後の観光復興のためにはじまった九州の小京都、「日田川開き観光祭」が5月20日~21日に行なわれました。

今年は第70回め。
いつものことながら、目玉は2つ。

九州でいちばん早い「鮎漁」の解禁と、連日1時間20分前後にわたって打ち上げられる「花火大会」です。

15分~30分程度の小規模の花火大会は、3月11日に行なわれた「熱海海上花火大会」が今年最初だと思われますが、1時間以上でしかも連日行なわれる本格的な花火大会は日田が最初かも。

その特徴は、なんといっても目の前のかぶりつきで見ることができること。
そして、盆地ゆえに四方の山にこだまする大迫力の音響効果。

音のない花火は気の抜けたビールと同じ、花火の半分は「音」で決まります。
そのため、ほかの花火大会では、「音」だけの花火を景気づけに通常の連発に交えて打ち上げることもあるほど。

「花火大会」の前後は毎年、旅館も予約がいっぱい。
その旅館が繰り出す遊船(ゆうせん)と呼ばれる屋形船に乗って、宿泊客の皆さんは船上からお酒とお料理と花火をたのしみます。

一方、釣り師の皆さんは、早速、解禁になった「鮎の友釣り」を楽しんでいました。

3月に放流した107万匹の鮎の稚魚は、15cm~20cmに成長しています。
釣った鮎は「塩焼き」によし、日田名物の「鮎のうるか」にしてお酒のおつまみによし。
水郷日田の名のとおり、水がよければお酒もうまい。

以前はニッカウヰスキーの工場があり、今は下町のナポレオンこと「いいちこ」の工場に、またサッポロビール日田工場も今年で17年め。
もちろん江戸時代からつづく地元の日本酒の酒蔵も複数あって、転勤族にも好評です。


 

花火大会直前の花火会場 三隈川(筑後川上流)。ホテルや各旅館からは遊船(屋形船)がでます。



鮎の友釣りをたのしむ釣り師、この場所には25人ほどがいました。






ふたたび“シール”のお話
2017.04.11
むかし何かの本で読んだことがあります。

本屋さんで、文庫本や新書本また単行本などを買うとカバーをしてくれました。
ある作家さんが言っていたのは、過剰サービスだからなのか、「本にカバーはいらない」という記事です。
今はだいたい中身がみえないポリ袋(通称ビニール袋)に本を入れてくれますよね。
このポリ袋、持つための穴があいていますので「小判(楕円)抜き袋」といいます。

で、シールのお話。
実際、すぐ読むものだし、「カバン」はもっているし、エコバックは携帯しているし、第一、カバーをしてると何の本だかわからなくなるので、袋もカバーもいらないことを伝えます。
もちろんシールも。

先の記事を書いたあと、以前、BOOK OFFでそのように伝えたとき、どうしてもシールを貼ろうとする店員さんがいたことを思い出しました。

ところが、次に同様に伝えると、対応が変わっていました。
すんなりと了承してくれて、本にレシートをはさんで渡してくれました。

これって、エコだし、クールです。
もっとも、BOOK OFFにとっては当然のことでした。

なぜなら、BOOK OFFは、読み終わった本をまた売ってもらって、キレイにして、ふたたび店頭にならべて売るのが商売なんです。

そこに自分とこのでも、どこの本屋のものでも、シールが貼ってあると、いちいちはがさなければなりません。
本の表紙って、“PP貼り”(PP加工)をしているので、はがれにくいんです。
結局、BOOK OFFのシステムからいっても、本にはシールを貼らないほうがいいと気づいたようです。

あるときは、新刊を売る本屋さんでシールを貼ろうとする店員さんがいて、これはアウトです。

編集出版に携わったり、本の表紙デザインを手がけたことがある立場としては、はがれにくいし、シールで表紙やデザインを汚されたくないのがホンネです。

逆に、消費者の立場からみても、買った本にシールを貼られたら、“汚い”って感じがします。
自分が読むにも、また人にあげるさいにも、“美しい”ままでおきたいんです。

ちなみに、BOOK OFFもそうですが、出版社で返品になった本を、再度、流通にのせるとき、汚れた“ヘリ”を機械や紙やすりでけずってキレイにして、渡していました。

今日びの日本では、美しくなければ“商品”にならないことが多いんですよね。



高速バスで参った話
2017.04.10
実家に帰るとき、よく「高速バス」を利用します。
よく帰るので、いろんな場面に遭遇します。

さいわい事故などのアクシデント系はないのですが、迷惑に感じる「まいったなぁ」というお客もたまにいなくはありません。
実際に体験したベスト(ワースト)3は、次のとおりです。

1、いいニオイではないキツイ香水客。
2、ゲロを吐いて寝ている酔客。
3、これ見よがしの大声で携帯電話で話す客。

夏や冬は冷暖房がかかっていますし、窓を開けられない高速バスもあるので、ニオイ系はキツイ。

ある日の朝早いバスでのお話。
明け方まで飲んでいたのか、完全に酔いつぶれてゲロを吐いたまま寝ているお客がいました。
空調のせいかニオイが座っている席のほうへ直撃。
息をしないわけにはいかないので、目的地に着く1時間半ほどのあいだハンカチの隙間からゲロのニオイに耐えながら息を続けました。

携帯電話やおしゃべりなど音系の場合は、まだ耳をふさぐかヘッドホンをしてれば話し終わらないことはないし、なんとかなります。

場所は変わりますが、くだんの「元祖長浜屋」でのお話。
博多の庶民文化圏では屋台などもそうですが、元祖長浜屋でも相席はジョーシキ。
ある日、家族連れが同じテーブルに座りました。

するとコワモテ感のある“オヤジ”の携帯電話が鳴る。
すぐとなりで悪びれたようすも、なんのてらいもなく大声で通話を開始。
あれ?

オヤジの「人柄」か、「大阪弁」のせいか、それとも「相性」なのか、まったく気にならない。

こんなこともあるんですねぇ~。


「やわ」「ふつう」「カタ」?
2017.04.07
麺の固さのお話。

博多といえば、腰のないやわ麺の出来たてを食べさせてくれる「牧のうどん」が美味しい。

ですが、”替え玉”発祥の店として有名な「元祖長浜屋」のとんこつラーメンは、質素ながらボリュームと旨さではずせない。

最近では、「一風堂」や「一蘭」が有名ですが、博多っ子が子どものことから慣れ親しんで、舌が覚えている味といえば、小汚い店といった印象のやはり「元祖長浜屋」。

麺の量がふつうのラーメンの2倍。

さらに替え玉をする人が多いので、量的にも満足感は充分。

もともとはすぐ近くにある長浜の魚市場で朝早くから働く人たちのスタミナ源として、「元祖長浜屋」は24時間営業を続けてきました。
なのでおしゃれな感じの「一風堂」とは違って庶民の店。

そういった「元祖長浜屋」の特徴といえば、ラーメン1品しかないので、店にはいれば即、店員さんが「1ぱ~い」と言って注文をとおすこと。
また常連さんであれば、「カタ」などと麺の固さを伝えること。

「元祖長浜屋」では、大半の人がツウぶって「カタ」を注文します。
好みは人それぞれなのでスキにされたらいいし、「カタ」はゆで時間が短いので、早くでることから時間のないときには便利。

実は20代のころにラーメン屋の親父から聞いたお話。
ラーメンの食べ放題(替え玉自由)で、もう食べれないというほどおなかにたまるようにするには、「やわ」(麺の固さ)にしてだせばいいとのこと。

つまり、「カタ」というのは、替え玉まで注文して食べれるようにするためでもあるんですよね。

なので、ホントのラーメン好きのツウは、「ふつう」で「替え玉」まで堪能して、「汁」まで飲む。

ただし、「元祖長浜屋」の場合、初心者は食べすぎとなるケースも…。



※トッピングはネギと肉のみ、ゴマや紅ショウガは自分でいれる。

※参考:「カタ」のうえには「バリカタ」「ハリガネ」「粉落とし」「湯気通し」もあります。



レジでの「シール」は必要?
2017.04.06
どうでもいいお話です。

ヒマつぶしに“一席”。

買い物をして「袋はいらないです」というと、なぜかシールを貼る店員さんがいます。
これって必要?

ある有名なエコロジストの方は、節約の観点から「そんなのいらない!」と店員さんと口論になることもあるそうです。

だいたいは、1個だけ買ったときや、すぐに使うときに「袋はいらない」と伝えます。
どうでもいいことですが、問題は単純ではないことに気づきました。

1、買い物袋(エコバック)を携帯している。
2、もらってもレジ袋はすぐに捨てる。
3、買った商品をシールで汚されたくない。

エコロジーの浸透でむかしとは状況が変わりました。
食品売り場ではマイ・エコバッグが主流で、基本、シールを貼られることはありません。

にもかかわらず、裸の商品にはシールを貼るって既成概念があるためか、「袋はいらないです」というと、こどもじゃあるまいしシールを貼ろうする店員さんがいるのも事実です。

「シールもいらないです」といっても貼ろうとする強者も。

商品をシールで“汚し”て渡すって、あり?
「シールは不要」と伝えている以上、これっておおげさにいえば“器物損壊”にあたりません?

第一、美しい商品をはがれにくいシールで汚されたくないものです。

では、レジ袋に入れてもらえばいいかというと、そこにも問題が。

すぐに使うので、レジ袋をもらっても、近くに捨てる場所がない。
お店にとってもレジ袋はただではないので、2円ほどの経費が節約できるはず。
それなのに商品をシールで汚して渡すって、やはりヘン?

う~ん、状況は単純じゃない。

気のきいた店員さんなら「ではレシートをおもちください」と渡してくれますが…。




博多駅前道路陥没事故
2016.11.15
けっこう世界的なニュースになったので知っている方も多いと思います。
JR博多駅前のメイン道路の一つが突如、8日朝方に大陥没。
14日の雨も止み、今日15日朝5時に通行を再開しました。

ポイントは3点。
1、中心街で長さ30m、幅27m、深さ15mの陥没。
2、なのに、死傷者はゼロ。
3、さらには、雨で遅延も7日間で復旧。

原因は「地下鉄七隈線延伸工事」にともなう出水です。
博多駅の近くは、下の「博多古図」をみてわかるとおり、むかしは海のそばなので砂の多い地盤です。
そういうことを知っている工事関係者は、トンネル内の異常出水をみて、直ちに警察など関係部署に連絡をします。

同時に、自らの判断で車を動かして道路を封鎖、通行止めにしました。
その5分後に陥没がはじまります。

結局、25mプールにして10杯分ほどの穴を、水でも固まる「流動化処理土」を用いて埋め、陥没から2~3日でライフラインの工事ができるところまで進めました。
それが可能になったのは「博多祇園山笠」の男意気、オール福岡で何よりも最優先して復旧に協力してくれたからです。

一方、目の前の博多駅前広場には、毎年、評判も高いクリスマス・イルミネーションが輝きます。
11日の段階で博多駅前を通りましたが、夜を徹して行なわれる復旧工事の照明と好対照をなしていました。

●博多古図(住吉神社蔵)


●現場写真3選

※左から「陥没当日(8日)」、「ライフライン工事(12日)」、「舗装直前の雨(14日午前)」

●博多駅前クリスマス・イルミネーション



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