「シュメール起源説」の間違い
2016.11.21
●宝瓶宮占星学サイトの連載「占星学と解く日本成立史」や「占星学から解く日本の原点」に書いていない「小ネタ」集です。
重要な小ネタが案外と多くありますので、とりまぜて随時、アップしていきます。


1、
シュメール都市文明は、紀元前3,500年頃からはじまり、紀元前2,004年に古エラムによって滅ぼされました。

一方、中国の黄河文明よりもはるかに古い「縄文文明」(縄文時代)は、紀元前15,000年頃からはじまります。
今、世界に類をみない世界最古の縄文文明が海外の学者から注目を集めています。

2、
「シュメール」…正確には「スメル」といいます。
ですが、シュメール人は自分たちのことを「ウンサンギガ」と呼んでいました。
その地名は「キエンギ」です。

では「シュメール」(スメル)と呼んだのは誰でしょうか?
ウンサンギガまたキエンギの北にあった「アッカド人」が「シュメール」と呼びました。

3、
ということもあって、日本の「天皇」(すめらみこと)と「シュメール」(スメル)は、言語的にも時系的にも何の関係もありません。

第一、「天皇」と称されるようになったのは、シュメールが滅んで2,600年以上も経った7世紀、飛鳥時代のお話です。
「すめら」は「統めら」、「みこと」は「貴い人」(尊、命)という意味です。

つまり、「統べる」といえば「天下統一」のように一つにまとめること。
星団の「すばる」(統ばる)といえば、7~8個の星が一つにまとまって見えることから名付けられました。
ちなみに、「出航」の意味をもつ「プレアデス」の和名が「すばる」です。
後年、漢字が入ってきたとき、宿曜占星術でご存じの「昴宿」が「すばる」(プレアデス)の位置だったことから、「昴」の漢字があてられるようになりました。

また、天照大神が首にかけた「五百箇御統」(いほつ み すまる)といえば、五百個の勾玉を一つにまとめた(統まる)という意味。

「すべて」というのも、実は「統べて」です。

日本全国をすべて一つにまとめて統率する貴いお方ゆえに「すめらみこと」と申し上げます。

4、
ちなみに、くさび形文字ことシュメール語も、粘土板に「直線」のみを用いて型押したもの。
ペトログリフ(岩刻文字)として日本に残る「丸」や「ダ円」や「曲線」を用いて彫られたものは、「シュメール文字」ではありません。念のため。

よって、当たり前ながら「シュメール起源説」は間違いです。


●くさび形文字=シュメール文字(右は粘土板)


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