ポピュリズムのどこが悪い?
2017.01.25
ある特定の人たちの思いどおりの結果が出ないと、それは“ポピュリズム”なんだそうです。

だれもが知っているところでは、イギリスのEU離脱の国民投票しかり、アメリカ大統領選挙のトランプ当選しかり。
いずれも多くの「識者」や「コメンティター」など「マスコミ」の予想と異なる結果が出たためです。

それゆえニュースなどでは、“ポピュリズム”(大衆迎合主義)といわれていたりします。

ホントに?

残念ながら、「populism」(ポピュリズム)の訳語に「大衆主義」(人民主義)はあっても、“大衆迎合主義”などという訳語はありません。

なぜなら、大衆迎合主義は、「mass opportunism」(マス オポチュニズム)と呼ばれているからです。

では、なぜ“大衆迎合主義”などと言われるようになったのでしょうか。
2点が考えられます。

1つは、マスコミ(読売新聞)のドン、渡辺恒雄が『反ポピュリズム論』を出版したためです。
もう1つは、「マスコミ」や「識者」など関係者による上述の予想が当たらなかったためです。

「情報トップダウン」の時代は、朝日新聞のいわゆる“慰安婦(捏造)報道”にかぎらず、読売新聞の一部政策関連記事も例外ではないのですが、「マスコミ」や「知識人」らの「意図的なウソ」や「情報操作」に惑わされることも多くありました。

ですが、今はすぐにネットで検証できてしまいます。
もはや、マスコミが「正しい情報を教えてやる」式の情報トップダウンの時代は終わったのです。

玉石混交とはいえ、大衆は「ネット情報」から自由に判断する時代です。

上述の“大衆迎合主義”という訳語がはびこるのは、いまだに“情報トップ”を自認するマスコミ知識人の“エリート意識”が、自分の予想(良識)と異なる結果が、一般大衆に判断を委ねる選挙で出たために、結局は「大衆はバカである」と言っているのと同じです。

そういえば、「ポピュリズム」の反対語は「エリート主義」でした。

宝瓶宮時代は、どちらが正しいかよりも、「~イズム」(主義)自体が単純な「二元対立」に傾きやすいので、わかりやすくいえば“時代遅れ”なのです。



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