ふたたび“シール”のお話
2017.04.11
むかし何かの本で読んだことがあります。

本屋さんで、文庫本や新書本また単行本などを買うとカバーをしてくれました。
ある作家さんが言っていたのは、過剰サービスだからなのか、「本にカバーはいらない」という記事です。
今はだいたい中身がみえないポリ袋(通称ビニール袋)に本を入れてくれますよね。
このポリ袋、持つための穴があいていますので「小判(楕円)抜き袋」といいます。

で、シールのお話。
実際、すぐ読むものだし、「カバン」はもっているし、エコバックは携帯しているし、第一、カバーをしてると何の本だかわからなくなるので、袋もカバーもいらないことを伝えます。
もちろんシールも。

先の記事を書いたあと、以前、BOOK OFFでそのように伝えたとき、どうしてもシールを貼ろうとする店員さんがいたことを思い出しました。

ところが、次に同様に伝えると、対応が変わっていました。
すんなりと了承してくれて、本にレシートをはさんで渡してくれました。

これって、エコだし、クールです。
もっとも、BOOK OFFにとっては当然のことでした。

なぜなら、BOOK OFFは、読み終わった本をまた売ってもらって、キレイにして、ふたたび店頭にならべて売るのが商売なんです。

そこに自分とこのでも、どこの本屋のものでも、シールが貼ってあると、いちいちはがさなければなりません。
本の表紙って、“PP貼り”(PP加工)をしているので、はがれにくいんです。
結局、BOOK OFFのシステムからいっても、本にはシールを貼らないほうがいいと気づいたようです。

あるときは、新刊を売る本屋さんでシールを貼ろうとする店員さんがいて、これはアウトです。

編集出版に携わったり、本の表紙デザインを手がけたことがある立場としては、はがれにくいし、シールで表紙やデザインを汚されたくないのがホンネです。

逆に、消費者の立場からみても、買った本にシールを貼られたら、“汚い”って感じがします。
自分が読むにも、また人にあげるさいにも、“美しい”ままでおきたいんです。

ちなみに、BOOK OFFもそうですが、出版社で返品になった本を、再度、流通にのせるとき、汚れた“ヘリ”を機械や紙やすりでけずってキレイにして、渡していました。

今日びの日本では、美しくなければ“商品”にならないことが多いんですよね。



- CafeNote -