“北朝鮮問題”の裏を読む
2017.09.07
先日の「ICBMの発射実験」と水爆といわれる「核実験」。
このような北朝鮮の行状を、どのように解釈するのか正しいのでしょうか。

つまり、「戦争」は起こるのかということです。

もし戦争が起これば、かつての朝鮮戦争とは異なって、現代はミサイルがありますので、半島有事にとどまらず、日本をはじめとした周辺国も被害が出る可能性が高まります。
そこを日本人なら心配します。

ですが、結論的に「戦争」はありえません。
「武力衝突」の可能性までもゼロとはいえませんが、それは一瞬で決着がつきます。

外交関係で「絶対」ということはありえませんので、必ずそうなるとはいいませんが、99.5%の確率でアメリカが軍事行動を起こせばそうなります。

なぜでしょうか。

まず、北朝鮮の異常なミサイル開発や核開発は、相応の財政犠牲のうえに成り立っています。
そのため、通常兵器のレベルはもちろん、有事に使えるように日頃から武器や弾薬や装備を経費を充分にかけてメンテナンスしておく余裕がありません。

一方、もともと世界でダントツの軍事力を持ち、トランプ大統領になって以降、最優秀な元将軍たちを要職につけて、判断や裁量を委ねていることからみても、軍事経費削減を行なった“弱腰”オバマとは異なって、万全の戦闘態勢はもちろん、完勝の戦略を練って“準備”しています。

そういった北朝鮮とアメリカの間に、巷間言われるような“チキン・レース”(弱虫競争)などありません。
チキン・レースと解説しているコメンティターは“裏事情”が見えていないのです。

それはともかく、北朝鮮に特定していえば、アメリカからの“先制攻撃”はできませんので、北からの軍事的挑発を待っている段階です。
これらを口実にして、アメリカは“さまざま”に準備をし、もし本当に北朝鮮が直接の軍事的挑発を行なえば一気に叩きます。

今年春、米中会談のさなかにアメリカは、シリアに59発もの巡航ミサイル「トマホーク」を軍事施設などに向けて一斉に発射しました。
震え上がった習近平は、なんの反論もできず、追認するしかできませんでした。

トランプ・アメリカは本気なので、同様の軍事行動を起こす場合、北朝鮮に対しては推測ながら、2倍~3倍の200発近い巡航ミサイルを軍事施設やその可能性のある施設のすべてに打ち込むはずです。

それで終わりです。

もっとも、金正恩は“バカ”ではなく、逆上傾向はあるもののかなり慎重で「賢い」ので、自分からアメリカに直接の軍事的挑発に出ることはありません。
出たら終わりだと当然、知っています。
なので、通告なしに日本の上空を飛ばす「ICBMの発射実験」や、自国内で水爆といわれる「核実験」を行なうのが関の山です。

もし、先ごろ通告していたように、グアム周辺にICBMを4発も飛ばせば、アメリカに直接の軍事挑発をしたことになりますので、アメリカに攻撃の口実を与えたはずでした。

しかし、賢い金正恩は「アメリカの出方をみる」といって実行しませんでした。
そのかわりに、日本上空を通過させたICBMと自国内での核(水爆)実験を行なったわけで、核ミサイルを開発して、対等な交渉のテーブルにアメリカを引き出したいのです。

「弱い犬ほどよくほえる」のたとえどおり、今は北朝鮮は「キャンキャン」とほえて“威嚇”を続けるしかない現状です。
北は自分たちからは手を出せませんので、その点では日本は怖がる必要はありません。
むしろ、黙っていつでも攻撃できるように準備をほぼ終え、機会をうかがっているアメリカのほうが、余裕があって、北朝鮮にとっては“怖い”存在です。

まるで貴族育ちで気だけは強いお坊ちゃまの“マルチーズ”と、聡明で従順な軍用犬の“ドーベルマン”に似ています。
国際条約という“鎖”が解かれ、指示があれば、ドーベルマンは果敢に子犬を瞬殺できます。

日本がなすべきは、現体制「牡牛宮」の国家らしく、この“チャンス”に最大限の防衛安全体制を備えておくことです。
それが、後のちの国家と国民の安全と平和を守ってくれます。


※ちなみに日本が「大東亜戦争」に進まざるをえなかった例を持ち出すまでもなく、北朝鮮に対する「石油禁輸」は両刃の剣です。アメリカがそれを望んでも、ロシアとの足並みがそろわないと、現状、中国一国では行なえません。




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