“病膏肓に入る”北朝鮮
2017.09.15
今、話題の北朝鮮について占星学のディレクション・リーディングをまじえつつ、何回かにわけて書いてみます。

「グアム近海にミサイル4発を発射する」と表明して以来、北朝鮮の言動はますます病膏肓(やまい こうこう)に入っています。

病膏肓に入るというのは、古代支那(シナ、China)のお話で、病が「膏」と「肓」に入ってしまい、結果、もはや名医でも治せないという意味です。

その理由は、北朝鮮の政治思想である「主体思想」(チュチェ ササン)からみえてきます。

占星学的な謎解きは、次回以降にゆずるとして、ここでは、まず、むかしから言われるとおり、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」といった観点から、日本をはじめ彼我の状態を知っておくことが正しい判断につながります。

逆に、現状が分からないまま、北朝鮮の言辞に惑わされ、誤まったご判断をしないことが必要です。
北朝鮮を知るには、なぜかあまり報道や解説をされないのですが、「主体思想」が重要です。

主体思想については、一般に「人民は絶対的権威を持つ指導者(主体)に服従しなければならない」といった解釈がされますが、それは人民(国民)に向けたもので、国際的には的を射たものではありません。

主体思想というのは、国際的には、思想、政治、経済、軍事における主体国家としての自立や独立をいいます。

マルクス・レーニン主義(武力的共産主義)から派生した北朝鮮の主体思想なのですが、歴史的にみても地政学の見地から理解できなくもありません。

なぜなら、半島の付け根に位置する北朝鮮は、古代には「高句麗」と呼ばれ、つねに大陸からの半島支配と、半島南部や古代日本また秀吉の大陸進出への通過点でもありました。
それは近代や現代においても同様で、金日成の共産主義国「北朝鮮」になっても、ロシア(旧ソ連)や中国の支援のもとに成り立つ“属国状態”におかれ、在韓米軍を有するアメリカとも“休戦状態”にあるからです。

つまり、「主体思想」というのは歴史的な経緯もふくめ、“民族独立”の悲願でもあるわけです。

このことは、今の金正恩体制になってのち、中国とのパイプ役だったおじの張成沢を処刑したり、中国にかくまわれていた兄の金正男を暗殺するなど、習政権と“縁”を断つ行動をしてきたことからも明らかです。

そこには、習政権の北京と“対峙”し、北朝鮮と国境を接する(旧)瀋陽軍区に影響力をもった江沢民元首席のカゲも見え隠れしていますが、それらすべてを利用しつつ、北朝鮮が「主体思想」によって“民族独立”を目的としていることは明白です。

その最短手段が、核ミサイル(ICBM=大陸間弾道弾)の保有です。
人民の生活をはじめ、ほかのすべてを犠牲にしても開発に全力を挙げているわけです。

北朝鮮に国境を接する中国をみても、ロシアをみても、韓国の在韓米軍アメリカをみても、すべてが核保有国で、そのど真ん中で外交交渉力すなわち発言力をもった独立主体国家になろうとする場合、「核保有国」になるしか道はないと彼らは考えているためです。

マルクス・レーニン主義(武力的共産主義)というのは、武力革命の思想なので、どうしても中国や旧ソ連だったロシアに接する以上、対等に交渉するには、究極の軍事力ともいえる核を保有するしかないというのが彼らの結論なのです。

そのため、アメリカをはじめとした虚々実々の駆け引きによって、半島民族らしく「約束(条約)は破る」ことを当たり前として、陰に陽に核ミサイル開発を続けてきたのです。

結果、ここまで来た以上、もはや北朝鮮は「病膏肓に入る」の段階にあり、あとは“現体制の崩壊”という命運を待つばかりの近況です。


次回は、北朝鮮に働く昨今の「星のディレクション」(運勢)から現状をみてみます。





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