9.23地球滅亡だそうです
2017.09.22
日本ではさほどではないのですが、ネット上では「惑星Xが衝突、 9月23日に地球滅亡!」という一種の“陰謀説”が騒がしく、そのためNASAがわざわざ否定のコメントを発表したそうです。

聖書の「黙示録」などを引用して、『惑星X - 2017年到来』(Planet X – The 2017 Arrival)と題する書籍まで出していることもあって、キリスト信者の多い欧米などで騒がれているようです。

「惑星X」というのは、シュメールに由来する“ニビル”と呼ばれる星のことですが、それを「惑星ニビル」などと表記したり、地球の5倍の大きさだとか、約3,600万年をかけて太陽を周回しているなどと書くものですから、いかにも実在する惑星かのようですが、「架空の星」です。

だいたいシュメールが絡むと「トンデモ説」になります。

要は、歴史的な根拠も天体学的な根拠もありません。

著者のデイヴィッド・ミードとその信奉者たちによる「終末信仰」の一種です。
その一部をご紹介しておきます。

新約聖書の「ヨハネによる黙示録」第12章の冒頭に、「また、天に大きなしるしが現れた。ひとりの女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には12の星の冠をかぶっていた」と書かれていることなどを引き合いに、今年2017年9月23日に、おとめ座のなかで惑星と恒星の直列が実現する。
そのとき、月はまさにおとめ座の下をとおり、人型のおとめ座の上部には、水星、金星、火星があり、さらにしし座の最も明るい9つの星(計12の星)により囲まれることになるということだそうです。

ふ~ん。

9月23日は「秋分の日」なので、たしかに太陽は占星学(ホロスコープ)では天秤宮0度の位置です。
これは夜空の星座でいえば、おとめ座にあたり、人型のおとめ座では肩のあたりです。

しかし月は、木星もそうですが「月を足の下にし」というよりも、おとめ座の“足の下部”といえばそうなのですがひざのあたりに位置します。

また、水星、金星、火星は、おとめ座の頭の上のしし座の位置にあるのはあります。
しし座は、ホロスコープでいえば「乙女宮」で、金星は3度、火星は11度、水星は17度の位置です。
しかし、「しし座の最も明るい9つの星により囲まれ」ているかといえば、そうではなく、しし座の足元に位置しますので、囲まれているわけではありません。

さらには、「おとめ座のなかで、惑星と恒星の直列が実現する」と書かれています。
何をもって“直列”というのか、しし座(乙女宮)を通過中の惑星「水星」と、すでに天秤宮(おとめ座)に達した恒星「太陽」とでは、星座ひとつぶん27度も離れていて、地球からみても直列とはなりません。

これらは、「黙示録」の「ひとりの女」を“おとめ座”にみたて、「太陽をまとい、月を足の下にし」を現在(23日)の星の位置と重ねて、“地球滅亡”などといっているのですが、例の「ノストラダムスの大予言」と同じ構図で、牽強付会もいいところのこじつけの解釈にすぎません。

第一、聖書の「黙示録」は、罪びとへの“大審判”の預言ではあっても、地球滅亡でもないし、まったく逆に信者や人類にたいするキリストの再臨による救い(希望)の預言なので、根本的に解釈を間違えています。

今回の“2017.9.23 地球滅亡説”は、科学的(宇宙的)にはNASAが否定し、信仰的に聖書からみても誤まった解釈ですし、星の動きといった占星学(ホロスコープ)からみても間違いで、宇宙この世界をつらぬく「数理法則とクオリアル・ワールド」からいいましても、“地球滅亡”自体がそうそうには起こりえない出来事なので、まずは惑わされないことが重要です。

なので、不安にかられる必要など、まったくないものです。


※宝瓶宮占星学では、空の星座は「おとめ座」とひらがなで表記し、ホロスコープなど占星学のサイン(宮)は「乙女宮」と正確に表記しています。
要は一般向けの「星占い」はともかく、サイン「宮」なのに、西洋占星術で“おとめ座”また“乙女座”などと「座」で表記するのは、一般人やそのへんの占い師は仕方がないとしても、西洋占星術研究家がもちいるのは無知にもほどがある根本的な間違いです。
実際にも、おとめ座≒天秤宮、しし座≒乙女宮の位置というのが現在の状況です。




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