民進党の“希望”は絶望
2017.10.01
衆議院が解散された9月28日の午後、民進党の前原代表は両院議員総会をひらき、衆院選挙の公認を小池都知事が率いる「希望の党」から得るという“前代未聞”の決定をしました。

事実上の民進党の解党です。
今後、10月10日の公示日までどのように動くのか、一方の参議院は“民進党”のままなので、選挙はもちろん選挙後の“復党問題”もふくめて混乱は必至です。

山尾議員の不倫問題があって、“ドロ舟”から逃げ出すように離党者が続出した民進党ですが、これでは選挙戦を戦えないとみた前原氏は、誰の入れ知恵か“小池人気”にあやかり、政党費をもって「希望の党」に合流し、公認を得たいということです。

ですが、“ドロ舟”が、まだ進水式の途上で実際の航海もしていない中身が空洞の“ワラ舟”に乗って、どうするのでしょうか?

小池氏の手法は、既存の権力を“敵”に仕立て、対立構造をつくり、“正義のヒロイン”かのようにふるまい、有権者の拍手喝采をえることです。

そのような仕掛けは上手ですが、そこで終わり。

舞台をつくりあげたあとは、自分では幕引きができず、課題として残したままです。
まともに後始末をするだけの“手腕”も“政治力”もないことが、すでに“賢い”東京都民なら、今回「希望の党」の代表に就任して逃げ出したことで、見えているはずです。

時期を誤まりました。

このままでは、“パフォーマンス”しかできない小池劇場の致命的なミスです。
民進党の「合流」を事前に密約したうえで、「希望の党」を立ち上げましたので、両者はワンセットのシナリオですが、ウラに「小泉」「小沢」といったカゲのライターがいたのか。

確認はできませんが、そうなら小池・小泉・小沢と“小三”トリオのシナリオが狂いかねない「代表就任」です。

今後、立て直しをどのように図るのか。
ただ、いつまでも「パフォーマンス」にダマされつづける国民ではありませんので、“ワラ舟”を大洋に船出できる客船へと段階を踏んで着実に仕上げなければなりません。

ただ、平時ならともかく、北朝鮮の(核)ミサイルが飛んでこないともかぎらない喫緊の課題が目前にある緊急時に、政権運営に乏しいシロウト議員に出る幕はないというのが本当のところです。

もっとも、それは国民が1票でもって、ご自由に判断するところです。

とはいえ、運勢的に落ち目の民進党にいえるのは、「溺れるものはワラをもつかむ」という状態で、本当に“ワラ”をつかんだら、確実に溺れるということです。
その点で、ドロ舟が希望をもってワラ舟をつかんでも、将来的な結末は「絶望」しかありません。

運勢が悪いときは、ジタバタとムダな動きはせず、あわてずに流れを見極めて、ドロ舟ながらも、ここぞという脱出のチャンスを見つけるべきでした。




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