龍馬暗殺の黒幕は?
2017.11.25
坂本龍馬が京都の近江屋で斬殺されて今年2017年12月でちょうど150年になります。

事件は、すでに「京都見廻り組」の“犯行”で決着しているのですが、どうも『竜馬がゆく』といった司馬史観の影響で、その後の歴史を知っている立場から必要以上に坂本龍馬を“英雄”かのようにとらえて、いまだに“犯人探し”や“黒幕探し”をしているようです。

テレビや雑誌は、“犯人不明のミステリー”のままにしておいたほうが、番組がつくれますし視聴率も稼げて本も売れますので、すでに“犯人”はわかっているにもかかわらず、いまだに「真犯人はだれだ?」と、真相が謎かのようにあおりつづけています。

すでに2011年の時点で、宝瓶宮占星学サイトの「新ホラリー占星学」において、龍馬が斬殺された日時のホロスコープから、犯行は「京都見廻り組」で間違いないことを掲載しておきました。

詳しくは、当該記事「坂本龍馬の出生時間と斬殺 - そのとき龍馬を殺ったのは?」をご参照ください。

犯行は「京都見廻り組」とリーディングしても、“実行犯”は「京都見廻り組」だが、そのように仕向けた“黒幕”がいるはずだ、それはたとえば「薩摩の西郷隆盛だ」などとおっしゃるかたがいたりします。

ほんとうに「黒幕」はいるのでしょうか?

再度、ホロスコープから「黒幕」がいるのかをリーディングしてお届けいたします。
まずは、龍馬殺害時のホロスコープです。



殺害の日付は、くしくも龍馬の誕生日の11月15日ですが、それは旧暦。
現在のグレゴリオ暦になおすと、1867年12月10日になります。

約1か月近くも遅くなり、師走の京都ゆえに寒さもひとしお、これでは風邪気味だった龍馬はシャモ鍋でも食べたいというお話も納得ができます。

さて、ASC(上昇点)が「公権力」を象わす獅子宮で、その共鳴星が第5ハウス(室)にあることから、犯人は、やとわれの新撰組ではなく、正規の「京都見廻り組」になります。

では、そこに黒幕の関与は示されているのでしょうか。

ポイントは、「犯人側」を象わすASC(上昇点)が、金星と木星を底辺とするYOD(ヨッド=60・150・150)の頂点になっていることです。

これは、「犯人グループ」が、誰かの指示によって否応なく斬殺におよんだことを象わします。
その誰かは、「金星」と「木星」が暗示しています。

金星は「犯行の動機」を象わすIC(Imum Coeli イムン・コエリ=天底:北中点)に位置する「天秤宮」の共鳴星ゆえに、ほかのグループや人物ではなく、自らの「動機」によって犯行におよんだことを象わしています。

また、木星も同様で、「犯人側」を象わすASC(上昇点)の共鳴星の太陽が位置する第5ハウス(室)は「射手宮」で、木星は射手宮の共鳴星ゆえに、やはりここでも「京都見廻り組」の上層部(たぶん組頭)からの指令だったことが読みとれます。

さらに申し上げますと、動機にかかわる「金星」もまた、月とASC(上昇点)を底辺とするYOD(60・150・150)の頂点の星になっています。

これが意味することは、月は「被害者側」を象わすDES(Descendant ディセンダント=下降点)に密接にかかわる下三分(ロウアー・トライン=120度)で、「感性」や「感受性」による感情などを象わしますので、「金星」が象わす斬殺の動機は、結局は「被害者」である龍馬自身が「京都見廻り組」にたいしてつくったものであることがわかります。

また、もう一方の底辺であるASC(上昇点)自体が、犯人側である「京都見廻り組」を象わしますので、ここでも他者やほかの藩といったグループがかかわる余地はありません。

以上から結局は、のちに龍馬の妻になるお龍から助けられつつも、手傷を負った寺田屋事件で、龍馬が京都見廻り組の隊士をピストルで撃ち殺したことなどへの“仇討ち”といった側面をもつ“職務遂行”であることがわかります。

つけくわえていえば、そこに「大政奉還」は関係ないと断定まではできないのですが、かといって明らかに「大政奉還」が理由だと読める星の配置にはなっていません。

結局、時代は「大政奉還」がなされて約1か月後なので、京都見廻り組は「公務」としての殺害声明を出すことは、もはやできませんでした。

第一、今でこそ龍馬“伝”などによって、何をやった人物か認識されていますが、当時はまだ明治維新にまですすむかどうかは分からない状況なので、龍馬がどんな人物なのかは一般人はもちろん「京都見廻り組」の隊士でさえも理解していませんでした。

ただ、自分たちの仲間を殺し京都の治安を乱した元脱藩者の土佐郷士にすぎない“犯罪者”といった認識です。

そんな“小物”で藩の役職もない龍馬なので、同じ幕府側の「京都見廻り組」の仕業とあえて公表するまでもなかったというのが実状です。




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