米は北朝鮮を攻撃しない?
2018.04.15
“マッド・ドッグ”ことマティス米国防長官の作戦によって、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃することは、赤児の手をひねるようなものでむずかしくはありません。

北朝鮮の核施設や通信施設また軍事基地を先制攻撃する「鼻血作戦」を計画、実行はいつ? と、つい先日の平昌五輪までは秒読み段階でした。

トランプの強い意志を察した金正恩は、急きょ路線を変更し、“強硬路線”から“対話協調路線”を打ち出しています。

これには、日米の経済制裁がボディ・ブローのように効いていますし、アメリカのウラ工作もあって、ついに金正恩は「米朝首脳会談」のテーブルにつく用意があることをアメリカに伝えました。

しかし、したたかな彼は、“血の同盟”といわれた中国との関係悪化のなか、習近平を電撃訪問して“保険”をかけ、一説では北朝鮮国内の鉱物資源の採掘権を“おみやげ”にしたとのウワサもあります。

要は、中国を北朝鮮国内に引き入れることで、アメリカから攻撃されにくくしたともいえます。

では、トランプはどう出るでしょうか。

北朝鮮を攻撃するメリットとデメリットを考えると、実は、“両刃の剣”です。

北朝鮮のミサイルがアメリカ近辺に届くのなら、当然、中国に届きますので、最善のシナリオは、アメリカ側に金正恩を引き入れていくことです。
極端なお話でいえば「米朝同盟」です。

金正恩は、各国の趨勢を正確によんでいますので、独裁国家「中国」の傘下にはいって、金日成以来の「主体思想」を埋没させるよりも、アメリカと結んで、最高責任者の地位保全と現体制を保証してもらうことも密かに計算しているはずです。

アメリカ・トランプへの“口撃”は、中国・習近平を油断させるためで、アメリカも北朝鮮の“ホンネ”や“利用価値”は計算済みなので、対中国をにらんで、なかば泳がせてきたといえます。

つまり、アメリカが北朝鮮を崩壊させても、結局は中国が半島に出てくるだけなので、真の敵である「中国」を利する行為にしかなりかねません。

アメリカの“最重要戦略”は、いかに中国を封じ込めるかに変更されましたので、それを軸に考えるとアメリカに届くミサイルさえなければ、北朝鮮を残して味方に引き入れたほうが“ベスト”なわけです。

そんなこんなをよんで「金正恩」は手を打っていますので、“一芝居”をしつつウラではアメリカとの関係を築き、軍事攻撃をさける手立てをとりそうです。





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