調子にのりすぎた習近平
2018.05.10
あまり内容のない「AIIB」(アジアインフラ投資銀行)はまだしも、「一帯一路」構想は逆効果です。

“陸と海のシルクロード”と称し、陸は中国→中央アジア→ロシア→ヨーロッパをつなぎ、海は南シナ海→インド洋→東アフリカ→紅海(中近東)をつなぐ構想です。

中国側は「中華経済圏を世界に」と「ロマン」をもったのかもしれません。

実際のところ、「AIIB」にしても、実態は中国の金集めに過ぎず、参加していない日本とアメリカはともかく、ドイツ、イギリス、フランスなど欧州は資金を供出しています。

ここまでは、欧州も名目上ながら世界第2位の“経済国家”に躍進した中国を利用して、アジア・アフリカへの足がかりや金儲けを考えたといえます。

しかし、味をしめた習近平は、調子にのって「一帯一路」構想を打ち上げました。

これはいけません。どうやら「歴史」や「白人」が見えていないようです。

中国が、「アジア圏内」で羽振りをきかせるぶんには、ヨーロッパをはじめとした白人連中は、まだ黙認します。

ですが、ヨーロッパにまで触手を伸ばすとなると、第一に、13世紀にあっというまにヨーロッパに迫った「チンギス・カンの再来襲」を思い出させます。

「モンゴル帝国」がシナ大陸を征服し、次に“世界制覇”の野望をもって、ヨーロッパにまで攻めてきたときの記憶は、有色人種に対する歴史的恐怖として覚えているのです。

「一体一路」構想は、それとダブルことになります。

ヨーロッパやアメリカの白人(ホワイト・アングロサクソン)は、表向き、“人種差別の反対”や“人類の平等”をうたっていますが、それは彼らが先進国として、有色人種国家よりも“優位”にあるためです。

その優位性が崩されそうになれば、“タテマエ”など捨てて、本気で中国(習近平)をつぶしにかかります。

中国人は、もともと「権力」と「金」しか信用していません。
それが彼らの「価値観」であり「目的」です。

昨今、まがりなりにも「軍事力」という“力”を手に入れ、「経済力」という“あぶく銭(ぜに)”を手にした中国は、その立場を確立するために、アメリカには今すぐはムリでも、ヨーロッパなら“イケる”とふんだのか、調子にのって「一帯一路」構想をブチあげました。

そのため、確実にヨーロッパから警戒され敵視されはじめています。

そうなると、もともと中国・習近平に教養はなく戦略しかありませんので、ロシアに対峙するNATO軍(欧州軍)に勝てないこともあって、いったんは尻尾をまいて、白人に対して印象がよく、“名誉白人”といわれている「日本」にすりよってきています。

要は、一時的に「日本」を利用しようとしているのです。

なので、“融和ムード”に踊らされるとアホをみます。

「日本」「アメリカ」「イギリス」「オーストラリア」など「海洋国家」どうしで、ガッチリと手を組んで、海洋侵出をもくろむ中国に対して、“シーレーン”でもある「南シナ海」の自由をとりもどさなければなりません。

でないと、融和ムードのウラで、日本の“命綱”であるシーレーンの南シナ海を完全におさえられてしまえば、日本には石油が届きにくくなって高騰するのはもちろんのこと、現在、原子力発電の復興が妨げられていますので、日本は島国ゆえに、どこからも電力を供給してもらえす、極端にいえば、彼らの“支配下”に入らざるをえません。

つまり、“融和ムード”を演出しているうちに中国は、南シナ海を完全におさえにいきますので、それで終わりです。

そういったことを見越して調子にのった中国・習近平と交渉(対決)しなければなりません。




- CafeNote -