国防相の“低レベル”発言
2018.06.03
いわく、
「過去にだまされたから、未来もだまされると疑えば、交渉したり、平和を創出することができない」
「北朝鮮を疑い続けたら、対話に支障が出る」
だそうです。

一見、もっともそうなご意見です。
これが一民間人から発されたものであれば、「理想主義者」として理解はできます。

ところが、この発言は、昨日6月2日シンガポールで行なわれた「アジア安全保障会議」の場で、日本の小野寺五典防衛相に対して発されたものです。

小野寺氏は、会議の場で「これまで北朝鮮は融和ムードを演出しては、核ミサイル開発を推進してきた」「対話に応じたことだけで、見返りを与えるべきではない」と事実を語ったことに対して、韓国の宋永武国防相が発した批判です。

ことの本質は、「対話」なのか、それとも「核ミサイルの放棄」なのか。

日米共通の認識は、「核ミサイルの廃棄」「拉致家族の解放」が目的であって、「対話」は平和的手段として、その選択肢の一つにすぎません。

「対話に支障が出る」から“事実を述べるな”というに等しい韓国国防相の発言は、どの職務で語っているのかということです。

国民や国家を守る国防相や軍は、すべてのケースを想定して「危機管理」を行なうべきです。

なのに、「北朝鮮の変化を信じるべき」「大胆な決断を下した北朝鮮を理解してほしい」など、現実が目に入っていない“理想家”や“観念的平和論者”の弁を、国防相が語るのは、危なかっしくて聞いていられません。

事実、金正恩との対話に応じたトランプ大統領は、「対話はするが、(核ミサイル廃棄の)結果がでるまで制裁は解除はしない」と述べています。

当然の判断です。

また、「さらなる強固な制裁をしないですむことを望む」といった旨を、北朝鮮の金英哲副委員長との会談において伝え、交渉が決裂したら、あとはないぞとクギを刺しています。

しかし、韓国国防相の「信じるべき」「理解してほしい」という弁は、国防相の立場では当然ないし、むしろ北朝鮮の代弁者でしかありません。

韓国軍のTOPがこんな調子なのです。

「アジア安全保障会議」に参加した、各国の軍のTOPはもちろん、とくに“マッドドッグ”と呼ばれたマティス米国防長官は、これでは「韓国は信用できない」と改めて認識したことでしょう。





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