「ユダヤ教」と「占星学」
2018.11.18
西洋占星術に詳しい方ならご存じだと思います。

「占星学」の発祥は、約4,000年ほど前の古代オリエントの「ホロスコポス」です。

「ホロスコポス」というのは、ホロスコープの語源となった言葉で、「占い」とは関係がなく、「時の見張り人」という実学的な意味です。

「時」を“見張る人”ってどういうことかといえば、「古代オリエント」においてメソポタミア文明が発祥したのちに、東の地平線上からのぼる星をみて、「季節のはじまり」を定めていた高度な計算技術を持って天体観測を行なっていた人たちのことです。

なぜなら、当時の為政者にとって、麦などの種をまく時期を定めるために季節、すなわち「時」を知ることは最重要でした。

この季節のはじまりは、現在「春分点」となっています。

今なら「カレンダー」がありますし、コンピューターで計算すればわかりますので必要ありません。

そうなんです。

この「カレンダー」の語源となった、古代オリエントの天体観測集団「カルデア人」こそが“ホロスコポス”(時の見張り人)だったです。


一方、古代イスラエルから発祥した「ユダヤ教」は、同じ頃の「アブラハム」を“信仰の祖”とします。

その子イサク、イサクの子ヤコブが「イスラエル」と名乗ったからです。

で、「アブラハム」(とその父)の出身地が、カルデアのウルなのです。

アブラハムは、“時の見張り人”である「カルデア」の土地からやってきました。
神が、アブラハムの子孫に与えるとした“約束の地”「カナン」すなわち現代の「イスラエル」を目指して。

もっとも、「ウル」からでたのち「ハラン」に住み、そこで父が亡くなると、アブラハムは神に召命されて「カナン」を目指すようになります。

さらに書いておきますと、ヤコブ(イスラエル)の12支族というのは、祭祀を行なうレビ族までをふくめると、13支族になります。

「宝瓶宮占星学」が基礎理論とする「数理法則」も、12(13)数が宇宙的な数理なのです。


ちなみに、紀元前22世紀~21世紀にシュメールの「ウル第三王朝」があった「ウル」は、『聖書』解説書なども大々的に間違えていますが、アブラハムの当時は、まだカルデア人の土地ではありませんでした。

なぜなら、カルデア人が「ウル第三王朝」のあったメソポタミアの「南東部」にまで進出したのは、紀元前10世紀頃だからです。

それ以前の「カルデア」すなわちアブラハムの故郷の「ウル」は、メソポタミアの「北西部」にありました。

カナン(イスラエル)からみて「ユフラテ川の向こう」(ヨシュア記24章)、つまり、ユーフラテス川の上流の古い穀倉地帯で、聖書に出てくる「ハラン」のあたりが当時のカルデア人たちの勢力範囲でした。

奈辺に「カルデアのウル」があったのです。




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