「惑星直列」って言うけど
2018.12.09
ときおり、「惑星直列」という言葉をネット・ニュースでみることがあります。

だいたいは、「1999年人類滅亡」といったノストラダムスの大預言の解釈において、星が大十字(グランド・クロス=90度×4)をとるため、といった誤解にちなんで、「惑星直列」が起きると、地震や災害など地球や人類に“不幸”な出来事が起きるといったお話です。

今回、目にした記事も、次のタイトルでした。

「太陽系内の惑星が一直線に並ぶ“惑星直列”のピークは2018年12月21日。アラスカで発生した地震とも関連性があるのか?」

昨日の「BIGLOBEニュース」12月8日(土)22時30分の記事ですが、出所は、同日の「ガラパイア」サイトからの引用です。

記事にいわく「惑星の整列という科学的には認知されていない手法で地震を予測する研究家がいる。
惑星と月の位置が地球のテクトニックプレートの動きに影響を与えるのだそうで、“惑星直列”の時は注意が必要なのだという」

といった書き出しで、続けて「2018年11月30日、アラスカ州アンカレッジでM7.0の地震が発生した。
太陽系では水星、金星、地球、火星、木星がほぼ一列に並ぶという”惑星直列”がはじまっている。
果たして関連性はあるのだろうか?」等々、書かれていました。

「ほんとに?」と当方としては、まずおどろきです。

なぜなら、毎日毎週、将来をふくめて「ホロスコープ」(天球図)を読んだり作成しているのですが、近々、惑星直列なんて起こる星の動きはまったくないからです。

なので、手前の「ホロスコープ作成ソフト」が、設定を間違えているのかと思い、「エフェメリス」(天体暦)を引っ張り出してきて、2018年12月21日の星の位置を確認しました。

安心です。「ホロスコープ作成ソフト」は正常でした。

何年か前も似たようなことがあって、「惑星直列」が起こるため天変地異うんぬんという記事がありました。
そのときも、星の動きを調べてみたのですが、惑星直列など起こる気配もなく、まったくのデタラメでした。

今回も同じです。
地球を中心に星の配置を記した「ホロスコープ」(天球図)をみても、太陽を中心にした実際の「アストロガイド」(天体ソフト)をみても、水星、金星、地球、火星、木星は直線上にはならびません。

結局のところ、記事を書いたライターも、それを転載したサイトも、自分で調べて“ウラどり”をしておらず、もはや、“煽動記事”か“無責任記事”でしかなく、そもそもニュース・サイトとはいえない内容です。

最近、一般の反日マスコミの記事をみても多いんですよね。

ちなみに、”惑星直列”のピークだという、今年2018年12月21日の「ホロスコープ」と「アストロガイド」を掲載しておきます。


 

●左の「ホロスコープ」は、地球(日本)からみた当日の太陽系の星々の位置で、地球をふくめた惑星直列というのなら、水星&金星が合(0度)で、火星&木星も合(0度)、そして両者が衝(180度)でなければなりません。
一方、右側の「アストロガイド」は、天の北極側からみた当日の実際の太陽系の天体の配置ですが、金星は25度近くはずれていますし、火星にいたってはまったくあさっての方向に位置しています。






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