民族性「情実サイン:宮」1
2020.07.02
西洋占星術では、古代ギリシャの世界観「四大元素説」から、“水の星座”と呼ばれています。
いわゆる、“蟹座”、“蠍座”、“魚座”のことです。
ですが、占星術の“蟹座”というのは、空の星座ではほぼ「ふたご座」の位置にあたり、空の「かに座」というのは、占星学(ホロスコープ)では「獅子宮」の範囲に含まれます。
こむずかしいお話はともかく、西洋占星術で“~座”にあたる「宮:サイン」と、空の12星座は1つずつズレた位置になっていて間違って呼称しているのです。
このことを知ってか知らずか、いまだに“蟹座”、“蠍座”、“魚座”といった空の星座名で西洋占星術は「12サイン(宮)」を呼んでいます。
正しくは空の星座名“~座”を使うのではなく、「蟹宮」、「蠍宮」、「魚宮」というように、春分点にはじまる「サイン(宮)」で呼ぶのが、本来の占星学(占星術)です。
「ホロスコープ」を学ぶうえで、基礎中の基礎のお話なのですが、西洋占星術はいまだに2,000年ほど前の「12サイン(宮)」の位置のまま、“~座”と呼んでいて改める気配がみられず旧弊におちいっています。
古いまま使っているのは、サイン(宮)名だけではなく、“火の星座”、“土の星座”、“風の星座”、“水の星座”といった4区分も同様です。
この区分は、2,000年以上も前の古代ギリシャの世界観「四大元素説」による古典占星学の時代の呼び名で、古典占星学の“基礎理論”を捨てた西洋占星術が、後生大事に“火、土、風、水”の区分名をもちいているのは、実はこっけいでしかありません。
なぜなら、近代科学の発展とともに、古代ギリシャの「四大元素説」は、現在では“疑似科学”として退けられ、もはや過去の遺物となっているからです。
実状をいえば、西洋占星術がいまだにそのような“四区分”の名称をもちいているのは、現代科学が発達した今日の「宝瓶宮時代」に通用する「基礎理論」をいまだに見出しえていないためです。
宇宙この世界をつらぬく「数理法則」を基礎理論とする宝瓶宮占星学では、双魚宮時代の「古代ギリシャの世界観」に代わって、数理法則にもとづく「宝瓶宮時代の新しい宇宙観」を提示しています。
「数理法則とクオリアル・ワールド」(伝授講座)がそれなのですが、数理法則の根幹をなす「基本三数」3(4)数から、次のような4区分をもちいています。
「1数」に共鳴…「意志サイン(宮)」(牡羊宮、獅子宮、射手宮)
「2数」に共鳴…「実体サイン(宮)」(牡牛宮、乙女宮、山羊宮)
「3数」に共鳴…「関係サイン(宮)」(双子宮、天秤宮、水瓶宮)
「4数」に共鳴…「情実サイン(宮)」(蟹宮、蠍宮、魚宮)
原則どおりに表記していますが、「3数」の場合、「3数=人間(関係)」という二方向性をもつことから、「友愛サイン(宮)」と呼ぶこともあります。
それはともかく、「蟹宮」、「蠍宮」、「魚宮」をそれぞれに国家の“民族性”とするのは、東アジアでは、「蟹宮」が韓国、「蠍宮」が中国(支那)、日本は「魚宮」です。
「情実サイン(宮)」の区分どおりに、欧米などほかの国家とは異なり、民族性に“情”をメインとしたそれぞれの“メンタリティー”をもつのが特徴です。
“民族性”にかぎらず、それぞれの国家には“国体”や“現体制”があり、これまた占星学のサイン(宮)によって象わすことができます。
個人に「太陽、月、ASC(上昇点)」といった、重要な3つの占星ポイントがあるように、国家にもまた「民族性、国体、現体制」といった3つのポイントがあるためです。
注意すべきは、個人の場合は、あくまでも1つの個体がもつ3つのポイントなので、自体内で調整が可能ですが、国家の場合は、国という総体としての3つのポイントなので、融通がききにくく、よりシリアスにあらわれやすいという点です。
“民族性”は、どんな国が建国されようと、当該民族による国家であるかぎり変わりません。
また、“国体”は、国の根幹をなすものなので、やはり変わりにくいのですが、絶対ではありません。
日本は古来から“天皇”を中心とした国家なので、建国以来「水瓶宮」のままです。
一方、“現体制”は、憲法や法度によって随時変わります。
江戸時代は、武家諸法度などによって日本の“現体制”は「乙女宮」で、明治時代は「射手宮」に変わり、戦後は「牡牛宮」になりました。
戦前、日本が広く海外に進出したのは、“現体制”が「射手宮」だったからで、戦後は日本国憲法によって「牡牛宮」に変わったために内向きになり、国民生活の快適化を牡牛宮らしく図ってきたわけです。
ちなみに、自由の国、アメリカは、海外イギリスからの移民によるため“民族性”は「射手宮」で、“国体”は日本と同じ「水瓶宮」で、現体制は防衛本能が突出した「蟹宮」になっています。
太平洋戦争また大東亜戦争は、「射手宮」の“現体制”によって広く海外に進出した日本と、同じく「射手宮」の“民族性”をもったアメリカが、太平洋またフィリピンなど東アジアを舞台にお互いの“国体”「水瓶宮」による自由と存立をかけて戦ったものです。
しかし、戦後日本は「牡牛宮」の“現体制”に変わり、“内向き”になることによって、同じ“国体”「水瓶宮」どうし、アジアと世界の自由民主主義を守る「日米同盟」によって結ばれています。
これら3つが、どのような「サイン(宮)」で象わされるかによって、その国の特徴はもちろん、ときどきの「星のディレクション」によって、“国家の運勢”が相応に変わっていきます。
以上を前提に、次回は、同じ「情実サイン(宮)」を“民族性”にもつ、日本、中国、韓国の違いを占星学からご紹介してまいります。