「4つの状況、10の認識」
2020.08.11
 
『中国最大の敵・日本を攻撃せよ』という書籍があります。

10年前の2010年12月に徳間書店から出版されました。

これは翻訳本で、中国でベストセラーになった原題『C形包囲』を日本語訳した書籍です。

著者は当時から過激発言で人気の「戴旭」(ダイシュイ)氏。

彼は、中国人民解放軍「空军大校军衔」(空軍上級大佐)で、また「国防大学戦略研究所教授」に就く人物です。

彼は同年「米国が慎重にならなければ、両国が衝突しあるいは戦争をする可能性は100%ある」との発言を「中米戦争は決して矯激(きょうげき=「大袈裟」)ではない」と題し、「チャイナネット(中国網)」の日本語版に寄稿しています。


そんな人物が、今年2020年3月に講演を行ない話題になりました。

講演表題は、「中国が米国について思いもよらなかった4つのことと新しい認識10項目」です。

アメリカの本質を案外と突いている部分がありましたので、私たちにもご参考になると思い、概容をピックアップしておきます。


◆ 中国が米国に対し思いもよらなかった「4つのこと」

1、中国に対する米国の怨恨がこれほどまでに大きかったこと。
  米国は現在、すべての宣伝道具を動員し、中国を「悪魔化」している。

2、米国のやり方は、情け容赦のない非常に手厳しいものだということ。
  2,000億ドル(約21兆4,000億円)もの強硬な追加関税は、中国の予想をはるかに超えるものだった。

3、米国から不利益を被っている中国に同情や支持を示す国が一つもないということ。
  中国は援助を惜しんでこなかったが、いざ重要な時期に共に行動する国がないという点。

4、中国バッシングのために、米国国内が一糸乱れず統一戦線を構築していること。
  特に驚くのは、米議会で中国のために話をする政治家が一人もいないという点である。


上記の「4つのこと」(状況)に基づいて「10の新たな認識」を、中国はアメリカに対して持たなければならないと戴旭空軍上級大佐(教授)は同講演の中で述べています。


◆ 米国に対して持つべき「新たな10の認識」

1、米国は、「張子の虎」ではなく人を取って食う「本当の虎」である。

2、米国が過ちを繰り返すと考えてはいけない。国家策略が間違っていると思えば、すぐに180度修正する。

3、米国は理念や価値よりも利益を重視する。

4、米国の前では、絶対に「われわれが世界一」「お前を追い越す」などといった話をしてはいけない。

5、米国は同盟国が多いものの、その円満な維持のために自国の利益を犠牲にしたりはしない。

6、米国は世界の“兄貴”(序列1位)というのが事実であり、掌握している資源も中国をはるかに超えている。

7、米国は、知識財産権を特に重視する。技術を共有しようと言えば“こそ泥”だと指差しされる。

8、米国は戦略のプロである。すべての手段を動員して追いかけ、相手を殺そうとする

9、大統領選挙で変化すると期待してはいけない。「米国を再び偉大にする」という核心戦略は変わらない。

10、米国と最後まで戦い抜くと考えるべきではない。米国は膨大な同盟を構築しているからだ。


そして、米国と歩調を合わせる国は世界には多い。

そのため、米国が中国に「300億ドル」分の関税をかければ、それは同盟国に “バタフライ効果”を引き起こし、国際的に「600億ドル」、「900億ドル」分の効果をあげる。

これが「米国が本当に強い」ゆえんである。

と述べています。


2010年のかつての過激発言とは、およそ180度ほども異なるアメリカ観です。

つまり、中国は、アメリカを、いや、自らの血を流して今日ある“自由”を勝ち取ってきた“アングロサクソン”の本質とその強さを見誤っていたのです。

なぜなら、中国は、“自分の利益”と“国内政情”を優先的にみています。

そのため、アメリカもきっと同様だと考えていたのでしょう。


しかし、民族性「射手宮」に基づいて、イギリスから来た“ピューリタン”(清教徒)が建国したWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント:ピューリタンとも)による本来のアメリカ精神は、“誠実”で“ウソ”をつかない正直さをモラルとします。

さらに、国体「水瓶宮」によって「自由」(と平等)を最大限に標榜するアメリカは、その社会倫理からみたとき、アンフェアーな“ウソつき国家”「中国」(中共)が自分の国の中だけならともかく、「アメリカ」の“財産”を不正な手段で簒奪し、妨害また敵対するとき、もはや容赦はしません。

なぜなら、「蟹宮」を現体制とする「アメリカ」は、“防衛本能”を最大限にむき出しにして、「国家」と上述の「信仰」と「自由」を守る“アングロサクソン”の血が流れているためです。

イギリスとの約束を破って、香港に「国家安全維持法」をズーズーしくも制定した「中共」また大多数の現在の「中国人」に、アングロサクソンの“理解”は少々むずかしいものだったのかもしれません。







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