「ライン・ホロスコープ」とは
2020.11.09
順番が前後しますが、「ライン・ホロスコープ」についてご紹介いたします。
「ライン・ホロスコープ」は、星の動き(トランシット)を1本のラインで示したものです。
通常の丸いホロスコープつまり「出生天球図」などは、誕生の“瞬間”といった静止した星の配置を写しとったもので、生まれもつ性質や運勢をリーディングします。
ですが、生まれもつ性質や運勢が、一生そのまま変わらずに続くことはありません。
実際には、それをベースに、そのときどきの星のトランシット(運行)やアスペクトによって、大なり小なり変わっていきます。
なかには、生まれたときと正反対の境遇になるケースもあります。
一方、「ライン・ホロスコープ」は、静止した星の配置ではなく、時々刻々と変化していくダイナミックな星の動きが一目でわかるようにしたもので、ご自分に働く「星のディレクション」(運勢変化)の時期やタイミングを知るのに適しています。
「ライン・ホロスコープ」は、毎年「来年の運勢リーディング」をご依頼されたかたに「ライン・ホロスコープの見方」とともに、拡大してもキレイなベクタ型式のPDFで添付してお届けしているものです。
そのさいには、ご依頼者の「2大ディレクション・ポイント」である出生時の「太陽」と「ASC」(Ascendant アセンダント=上昇点)の度数に、そのサイン(宮)の色でもって、あらかじめ横一直線のラインを記入してお送りしています。
それだけでなく、許容度数(オーブ)の範囲でうすく色をしいた「ディレクション・ゾーン」を配しています。
なので、そのなかをトランシットの星のラインが通過する時期が、ご自身に「星のディレクション」が働く期間であることが一目でわかります。

ちなみに、個人に働く「星のディレクション」(運勢変化)は、生まれもつ「ホロスコープ」(出生天球図)の星の状態をはじめ、ディレクションを投げかける「星」やアスペクトなどによっても、個々に異なってきます。
また、「ライン・ホロスコープ」を見なれていないかたも多いと存じます。
その場合は、ディレクションの時期がいつなのかを「ライン・ホロスコープ」からピックアップして、使いなれた「ホロスコープ作成ソフト」で通常の丸いホロスコープを出されてみるといったことが可能です。
むやみと「ホロスコープ作成ソフト」をアニメーションさせても、星のディレクションをいつ受けるのかわからなければ、実際に行なってみられたかたはわかると存じますが非効率的です。
いずれにしても、「ライン・ホロスコープ」は、星の動きやディレクションの時期が一目でわかります。
実際、作成した「ライン・ホロスコープ」には、「入宮」の日付や、「逆行」や「順行」に転じる日付を記しています。
また、トランシットの星どうしや、ご自分の星との「アスペクト」(ディレクション)の時期をかんたんに知ることができるので、使いこなせば便利です。
以下、「ライン・ホロスコープの見方:2021年版」を、ご参考にご紹介しておきます。
【ヨコ軸】
「ヨコ軸」は、日付です。
来年2021年と、その前後1か月を記しています。
毎月1日、6日、11日、16日、21日、26日と、5日ごとの午前0時の位置にタテ線を引いています。
【タテ軸】
「タテ軸」は、12サイン(宮)とその度数です。
12サイン(宮)を縦列させるのではなく、3段で表示するようにしています。
上から順番に、「牡羊宮」→「牡牛宮」→「双子宮」と3段に記し、次の「蟹宮」は一番上の段にもどって→「獅子宮」→「乙女宮」と、次の3サイン(宮)を連続的に縦列させています。
なぜかというと、このように1段めは、すべて西洋占星術でいう“活動宮”の「牡羊宮、蟹宮、天秤宮、山羊宮」にすることで、最も重要な「星のディレクション」が生じる「合(コンジャンクション=0度)」、「衝(オポジション=180度)」、「矩(スクエア=90度)」のアスペクトが一目でわかるためです。
【サイン(宮)とラインの色分け】
なぜなら、グループごとにサイン(宮)やラインの「色分け」をしているからです。
「赤色」は、「牡羊宮」「獅子宮」「射手宮」の“意志サイン(宮)”と、そこを通過する星のラインです。
「薄茶色」は、「牡牛宮」「乙女宮」「山羊宮」の“実体(現実)サイン(宮)”と、そこを通過する星のラインです。
「水色」は、「双子宮」「天秤宮」「水瓶宮」の“関係(友愛)サイン(宮)”と、そこを通過する星のラインです。
「紫色」は、「蟹宮」「蠍宮」「魚宮」の“情実(情愛)サイン(宮)”と、そこを通過する星のラインです。
以上のことがわかれば、1段めの赤いラインは「牡羊宮」、2段めの赤いラインは「獅子宮」、3段めの赤いラインであれば「射手宮」というように一発で判別できます。
さらにいえば、薄茶色のラインの場合、1段めは「山羊宮」、2段めは「牡牛宮」、3段めは「乙女宮」になります。
水色ラインのラインの場合、1段めは「天秤宮」、2段めは「水瓶宮」、3段めは「双子宮」になります。
当然、紫色のラインの場合、1段めは「蟹宮」、2段めは「蠍宮」、3段めは「魚宮」ということが一目でわかるようになっています。
【アスペクトの判断】
これらから、アスペクトを、次のように読むことができます。
>◆ 合(コンジャンクション=0度)
…「同じ色」のラインの交差、また許容度数(オーブ)内に近接。
◆ 衝(オポジション=180度)
…「赤色と水色」または「薄茶色と紫色」のラインの交差、また許容度数(オーブ)内に近接。
◆ 矩(スクエア=90度)
…「赤と紫また薄茶」「薄茶と赤また水色」「水色と薄茶また紫」「紫と水色また赤」のラインの交差、また許容度数(オーブ)内に近接。
◆ 三分(トライン=120度)
…「同じ色」のラインの段違いによる許容度数(オーブ)内の並行。
※簡単な見分け方
「ライン・ホロスコープ」の左右の各段に、上述の4つの色を記しています。
「同じ色」は、同じ段の場合は「合(0度)」で、段違いの場合に許容度数(オーブ)の範囲内であれは「三分(120度)」です。
「隣どうし」の色の交差また許容度数(オーブ)内の隣接は、「矩(90度)」です。
※ちなみに、いちばん上の色といちばん下の色は「隣どうし」になります。
「中一つ」おいた色の交差また許容度数(オーブ)内の隣接は「衝(180度)」です。
【ディレクション・ゾーン】
「2021年の運勢リーディング」のご依頼をくださったかたのリーディングに添付する「ライン・ホロスコープ」(PDF)には、あらかじめ出生時の「太陽」と「ASC」(上昇点)の位置に横一直線のラインを、そのサイン(宮)の色で引いています。
実線が出生時の「太陽」で、点線が「ASC」(上昇点)」です。
その上下に、許容度数(オーブ)の幅で、当該サイン(宮)の色を薄くしいています。
これが「ディレクション・ゾーン」で、このなかをトランシットの星のラインが通過する時期が「星のディレクション」が働く期間になります。
宝瓶宮占星学では、太陽と月の許容度数(オーブ)は「10度」で、それ以外の星の許容度数は、マイナー・アスペクト(五分:72度、転:150度)を除いて「6度」を基本としています。
こちらも、ディレクション・ゾーンの色と、トランシットの星のラインの色で、合(0度)、衝(180度)、矩(90度)を判別することができます。
※「ダブル・ゾーニング」
出生時の「太陽」や「ASC」(上昇点)が、サイン(宮)の境界線に許容度数(オーブ)以内に近い場合、上述の「ディレクション・ゾーン」は、上下2つのサイン(宮)にまたがることになります。
その場合、そのサイン(宮)の色で上下に二分して薄く色をしいています。
これもそのディレクション・ゾーンの色と、トランシットの星のラインの色とで、アスペクトをご判断できるようになっています。
【「星のディレクション」の読み方】
(省略)
※「2021年の運勢リーディング」をご依頼くださったかたの「鑑定メール」には、あくまでも概略ですが、ご自身に働く「星のディレクションの読み方」として一例を記していますが、ここでは省略させていただきます。
【付記】
順行は、左上から右下に流れるラインであらわされます。
逆行は、逆に右上に山なりに頂点に向かう部分で、その転換点となる“谷底”や“頂上”の部分には、順行から逆行に転じる日付を「sR」をつけて記し、逆行から順行にもどる日付を「sD」をつけて記しています。
「太陽」は順行のみです。
「ドラゴン・ヘッド」と「ドラゴン・テール」は、逆行のみです。
両者は、つねに180度の位置関係で移動しますので、ラインが重なるために「ドラゴン・テール」のみを記しています。
「ドラゴン・テール」は、図の両脇に記した4つの色(サイン:宮)でいえば、ドラゴン・ヘッドの色の2つ上または2つ下の色のライン(サイン:宮)になります。
(以下、略)