アストロロジーの原意をUP
2022.04.05
 
宝瓶宮占星学サイトに「アストロロジーの原意」をアップしました。

当ブログにアップした「占星学と占星術の「原点」」に続くものです。


ご興味がありましたらご高覧ください。










頼朝と義経の文化のレベル
2022.04.05
 
頼朝と義経の文化のレベル
― 草薙神剣が重要だった ―



◆「熱田神宮大宮司家の娘を母に持つ鎌倉殿



幼名「牛若丸」こと源義経は人気があります。

平家を滅亡に追いやった軍功からもそうなのでしょう。

一方、武家政権の世をひらいた源頼朝は、さほどではありません。

ですが、頼朝がひらいた武家政権によって日本は救われていくことになります。

それはのちの歴史のお話。

もし、義経に文化的素養があれば、その運命は違ったものになったでしょう。



≪異母兄弟の頼朝と義経≫

初代鎌倉将軍「源頼朝」(みなもとの よりとも)と、異母兄弟の弟「義経」(よしつね)の文化差は歴然です。

二人とも河内源氏の6代目棟梁:源義朝(みなもとの よしとも)を父にもちます。

ですが、母は異なります。

兄:頼朝の母は父の正妻:由良御前です。

弟:義経の母は側室:常盤御前でした。

由良御前の実家は三種の神器のひとつ、「草薙神剣」(くさなぎの みつるぎ)が奉斎されることで知られる熱田神宮の大宮司家です。

日本の文化の根因に通ずる由緒ある家柄です。

一方、九条院こと藤原呈子の雑仕女(ぞうしめ:召使い)だった常盤御前の出自やご両親は不明です。

母親の違いではなく、頼朝と義経の文化的素養のお話です。

常識にとらわれない発想や身体能力は、兄:頼朝を超えて頭抜けた義経でした。

ですが、日本(世の中)の伝統文化の把握、もしくは考慮においては、遠く頼朝におよびませんでした。



≪壇ノ浦での平家滅亡≫

ご存じのように、義経は本州と九州の間にある関門海峡「壇ノ浦の戦い」で平家を滅亡に追い込みました。

戦いに勝った義経ですが、やむをえないとはいえ、大きなミスをおかしてしまいます。

敗走する平家は、幼帝「安徳天皇」と、そのお立場の象徴「三種の神器」を持ち去っていました。

敗北が決定的になると、幼帝を抱いた平清盛の妻:時子は、三種の神器もろとも入水したといいます。

結果、三種の神器のうち、草薙神剣は回収できませんでした。

八咫の鏡(やたのかがみ)は箱ごと波間に浮いていたようですが、神剣は沈んでしまったようです。

歴代天皇の中で、最も短命で崩御された幼帝でした。

数え年で8歳です。

2歳でご即位されたため、実権は存命中の外祖父:平清盛が握っていました。

安徳天皇の母は、高倉天皇の皇后で平清盛の娘:徳子こと建礼門院です。

清盛の病没後4年めに起きた「壇ノ浦の戦い」(平家滅亡)でした。



≪頼朝の思惑を知らなかった≫

平家を滅ぼした源義経は、意気揚々と兄:頼朝に報告したのではないでしょうか。

しかし、三種の神器を手にすることが日本国のトップを象徴することを知っていた源頼朝です。

平家は滅びたものの、三種の神器とくに草薙神剣を回収できずに喪失してしまったことを熱田神宮大宮司家の娘を母に持つ頼朝が喜ぶでしょうか?

三種の神器がなければ、「京」を押さえ武家政権の世を盤石にする名目が立たないのです。

喪失した草薙神剣が本物だったのか、もしくは形代(かたしろ:レプリカ)だったのかはわかりません。

少なくとも皇位継承の儀に使われていたものであることは確実です。

そんな頼朝の思惑を知るよしもなかった義経でした。

安徳幼帝の退位もなく、神器継承もないまま、即位していたのが京にいた後鳥羽天皇です。

平家が滅び、頼朝にも神器が渡らず、喜んだ天皇からの官位を受けたのが義経でした。



≪義経の裏切り行為≫

繰り返します。

頼朝は、鎌倉政権を盤石なものにするためにも、三種の神器を手に入れたかったのです。

平家に代わってこの国を治めることはもちろん、後鳥羽天皇や京に対して優位に立つことができるからです。

しかし、京の鞍馬山で育った義経でしたが、神器の重要性は認識していなかったようです。

もしくは、知っていても軽視したことになります。

そんな文化レベルの義経だとは、頼朝も思いもおよばなかったでしょう。

一方、義経は、宝鏡:八咫の鏡(やたかがみ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を京に持ち帰って、凱旋を果たします。

喜色満面の後鳥羽天皇だったのではないでしょうか。

ご自身のもとに三種の神器がなかったことはもちろん、頼朝の手に神器が渡らなかったことが大きいからです。

結果、兄:頼朝を軽視して、裏切ってしまったことに気づかない義経でした。



≪文化レベルが異なる≫

現在、NHKで放送されている大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が、どう描くのかはわかりません。

三谷作品は、文化よりもエンターテインメント重視だからです。

源頼朝の視点を語り部として描いた2012年の大河ドラマ「平清盛」とは異なります。

低視聴率だった「平清盛」でしたが、文化レベルは高かったのです。

ですが、NHKは今回、文化レベルよりもエンターテインメントのほうを重視したようです。

商業ベースではないNHKですが、文化よりも視聴率のほうが気になるようです。

“公共放送”という虎の威を借りて受信料金を徴収しているNHKです。

ですが日本の文化を描くことは期待できないようです。

三谷作品であることもそうですが、内部事情からなのか、他国に配慮して奥深い描写はできないのかもしれません。









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