海王星が順行に戻るとき
2022.11.19
[12月4日] ― 旧時代の終わりのはじまり ―


双魚宮時代の終焉へと向かいはじめる順行転換



約5か月ほど前の6月末から逆行中だった「海王星」が12月4日に順行に戻ります。

「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションが、ようやく一段落へと向かっていくスタートになるものです。

なぜなら、来年2023年3月に魚宮25度を超えていく海王星は、12サイン(宮)のはじまりである「春分点」の影響圏を進んでいくからです。

波動的ながら宝瓶宮時代が正式にはじまった1989年、東西を隔てた象徴「ベルリンの壁崩壊」に続く「東西冷戦の終結宣言」に似た時代変化のときを迎えるでしょう。

ご納得いただけるかどうかは分かりませんが、双魚宮時代が完全に終わっていくことになるからです。



≪まだ見ぬ理想:世界≫

少し海王星について触れておきます。

海王星は19世紀の中頃、1846年に発見されました。

当時の象意、すなわち双魚宮時代の海王星の象意は“まだ見ぬ理想”でした。

“見果てぬ夢”と言ってもいいのですが、実現不能な叶わぬ“幻想”です。

海王星の発見からわずか2年後、1848年にフォックス姉妹事件こと「ポルタ―ガイスト現象」が起こります。

大々的に報道されたこの事件によって、霊の実在証明がなされたとばかりに、世界的な「心霊ブーム」(近代スピリチュアリズム)が巻き起こりました。

海王星の象意によるまだ見ぬ霊界への関心が沸騰し、以後、イギリスなどで降霊術が盛んに行なわれます。


【One Point】 霊媒師の口を借りて死者の言葉を語る降霊術は、バイブレーションの粗い地上と波長があう霊の言葉は信じるに足りないことが多いものです。

また、真実に近い高い霊の言葉は、中間に“翻訳霊”が必要なために、伝言ゲームと同じで、正しく伝わるかが怪しくなります。




≪2つの共産主義の経緯≫



もう一つ、類似の出来事が同じ1848年に起こりました。

マルクス(1818-1883)らによる『共産党宣言』の上梓です。

ここから世界的な共産主義運動が広がっていくのですが、科学的という名の観念的な弁証論によって、まだ見ぬ理想世界すなわち共産主義理想社会が必然的に訪れると信じ込んだ“信仰的思想”でした。

これはのちの武力による共産主義運動とは異なる「空想的共産主義」(理想)です。

海王星の象意によって起きた「心霊ブーム」と「空想的共産主義」の両者は、一見、正反対のカテゴリーに属しますが、“まだ見ぬ理想”を想い描いた点で共通です。

ちなみに、後年、レーニン(1870-1924)は「共産主義革命は武力でしか成しえない」と1917年に武力でロシア共産革命を起こし成功したことで、以降は武力肯定の「マルクス・レーニン主義」(実際の共産主義)へと変わっていった経緯があります。


【One Point】 現代占星術(狭義の西洋占星術)も同様です。

海王星発見後の19世紀後半にはじまった現代占星術は、学び、研究し、勉強すれば、いつかは当たるようになると、まだ見ぬ理想を抱いています。

理論なき秘境占星術では無理なことに気づいていません。




≪双魚宮時代の終わりと復活≫

20世紀の共産主義(マルクス・レーニン主義)は「人類の壮大な実験」と呼ばれました。

ご存じのように、第二次世界大戦後の「東西冷戦」を経て旧ソ連、中国、北朝鮮の共産主義国(社会主義国)は経済矛盾を露呈し、軍拡競争に敗れると、米ソ首脳による1989年12月の「東西冷戦の終結宣言」とともに東側諸国(共産主義陣営)の盟主「ソ連」は崩壊へと向かいます。

現実的な事由はともかく、アストロロジーからいえば、人知れず起きた1989年の「宝瓶宮時代のビッグバン」によって宝瓶宮時代が正式にはじまり、海王星を支配星とした“労働者vs資本家”といった階級闘争などによる「対立二元論」の「双魚宮時代」が終わったからです。

結局、海王星の発見とともにはじまった共産主義思想でしたが、海王星を支配星とする「双魚宮時代」の終わりとともに、幕を下ろしたカタチです。

ここには人類史的な奥深い意味があるのですが、ご説明が長くなりますので、機会をみて申し述べさせていただきたいと存じます。


【One Point】 いずれにしても、終わったはずの「双魚宮時代」は、ホロスコープを1周した海王星が自らの共鳴サイン(宮)魚宮の影響圏また魚宮をトランシット(運行)していくことで再燃しました。

2009年以降「双魚宮時代のリバイバル」のディレクション(時代変化)がはじまったからです。




≪時代変化を象わす土星外惑星≫

海王星のディレクションはジワジワと現実化し、いつの間にか“支配/被支配”の「対立二元論」を歴史パラダイムとした、かつての双魚宮時代の社会風潮へと後戻りしてきたこの13年間でした。

以前の共産主義国家や現在の専制国家つまり「ロシア」(旧ソ連)や「中国」や「北朝鮮」による軍事力による覇権侵出です。

そして今年2022年は「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションが最後のピークを迎えている「交錯」の時代になっています。

なぜなら、宝瓶宮時代を推し進める「深層の精神意識の変革」のデレクションが、昨年2021年12月から今年2022年は緒についたばかりながら、動き出しはじめたからです。


【One Point】 海王星は、牡羊宮の影響圏へと進んだあと影響圏内で逆行はしても魚宮25度以前に戻ることはなく、「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションを一段落させていきます。

「新しい霊性意識の覚醒」(目覚め)のディレクションへと来年2023年3月から移行していきます。




≪新しい海王星の象意≫

魚宮25度以降の牡羊宮の影響圏を経て、いずれ「春分点」(牡羊宮0度)を超えていく海王星は、かつての双魚宮時代とは微妙に象意が異なってまいります。

なぜなら、真実が明らかになっていく宝瓶宮時代が実質的なスタートを迎えていくために、発見当時の“まだ見ぬ理想”といった古い象意ではなくなっていくからです。

もはや「対立二元論」の時代ではなく「共鳴関係論」の時代が実質的にはじまっていくことから、双魚宮時代の支配星だった「海王星」やかつての「木星」は、今後は宝瓶宮時代の現実理想(Reality Ideal)やクオリチュアルにかかわる重要な役割を果たしていくことになります。

木星に関する役割は「水星編-射手宮」でご説明を差し上げたとおりです。

海王星は、実現可能な“美しいヴィジョン”をもたらす新しい象意へと社会変化とともに徐々に変わっていくことになるのです。


【One Point】 アストロロジカル・エイジ(占星学的な時代区分)や社会変化に伴ない星の象意は相応に変わっていきます。

ごく一例ですが、かつては“凶星”とされた「金星」が、近年では“吉星”と解釈されるようになったのはその一つです。

[注] “吉凶解釈”自体は誤りなのでご注意ください。





※上図は赤外線によるジェームス・ウエッブ宇宙望遠鏡による最新の海王星画像です。
輪っかがあることが、ご確認できますでしょうか。

“現実”を象わす土星には明確な輪があります。

また、現実の変化・改革を象わす天王星にも縦方向の輪があります。

今般、赤外線画像ながら海王星にも輪があることが確認された以上、相応に現実にかかわる象意を持つようになっていくことを象徴する出来事です。









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