「三種の神器」記載は偽書
2017.01.20
●宝瓶宮占星学サイトの連載「占星学と解く日本成立史」と「占星学から解く日本の原点」に書いていない「小ネタ」を随時アップしていく第12弾です。


「三種の神器」というのは、『日本書紀』以前の史実は「二種の神器」だったことからみえてくる「古伝」のお話です。

ちまたでは、『古事記』や『日本書紀』以前に、「古史古伝」があったという人々がいます。
ちなみに、「古史古伝」の主なものは次のとおりです。

◆古史4書
1、竹内文書
2、物部文書
3、九鬼文書
4、宮下文書

◆古伝4書
1、ホツマツタヱ(秀真伝)
2、ウエツフミ(大友文書)
3、ミカサフミ
4、カタカムナ
※上3書は「ヲシテ文献」

これらは、「超古代文明」について記録されており、太古のむかしからある「神代文字」で記されたとされています。
全部ではありませんが、いくつか部分的にみてみたことがあります。

たとえば、「ヲシテ文字」で記されているとする「ホツマツタヱ」などもそうですが、だいたいは「三種の神器」がでてきます。
その時点でもう読むのをやめざるをえません。

なぜなら、「三種の神器」シリーズをお読みの方なら、ご納得されるされないは別にして、『古事記』や『日本書紀』以前からある「古伝」だということが、ウソだとわかるからです。

調べてみますと、江戸時代中期あたりのいわゆる「古代史創作ブーム」のときに創られた「偽書」というのが定説のようです。
仮に、さかのぼっても平安時代以前ではありえません。

なぜなら、「三種の神器」はもちろん「神武天皇」や「景行天皇」などは、『日本書紀』が万世一系の「天皇」の正統性をメッセージするために「創作」されたものなので、そのような内容が“古伝”に出てくるということは、結局、知らないうちに、いわゆる『日本書紀』史観をベースにしたまがいものの“超古代文明史”の記述でしかないためです。

時代矛盾がそこに生じていることはご賢察のとおりです。
なので、「二種の神器」が記載された「古史古伝」であれば、まだ正統性が残りますが、8世紀に奏上された『日本書紀』の創作「三種の神器」が記載された「古史古伝」は、『日本書紀』以降に記されたか、または加筆された「偽書」ということになります。


※「三種の神器」の項、終わり。

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