「実技講座」ご受講の募集
2019.06.30
「宝瓶宮占星学 第2章 実技編」では、
「ホロスコープ・リーディング実技講座」の第1回モニター受講を本日7月1日より正式に受け付けます。

「ホロリー実技講座」の目的は、宝瓶宮占星学の基礎理論「数理法則」によって「ホロスコープ」を読めるようになることです。

ホロスコープの仕組みを「理論的」にお伝えし、インタラクティブ(双方向)に応答しながら進めますので、だれもがホロスコープ・リーディングの「基礎」から「実践」また「応用展開」までできることが目的になっています。

進め方や講座内容は決まっていますが、いろんなレベルの方がご受講されると存じますので、“個別対応”となる細かな部分で、いくばくかの模索や修正が必要な可能性が初回では残されています。

なので、当面は「モニター受講」として開講いたします。

そのぶん、最終的に予定している講座料金の3分の1程度の価格ではじめさせていただきます。
とはいえ、第2回講座以降に追加された内容があれば、それを適時まとめて、後日、無料でお伝えしてまいります。

実技講座は基本的に、メールやPDFなどのテキストでのやりとりですが、必要に応じて、たとえばスカイプやメッセンジャーなどの対話による応答も将来的には考えています。

ということで、「モニター受講」をご希望の方の「お問い合せ」また「お申し込み」を正式に開始いたします。

※すでにお申し込みの方は必要ありません。


《「ホロリー実技講座」モニター受講概要》

■主な受講の流れ
1、「基礎理論」(数理法則)をベースとしたホロスコープ・リーディングのテキスト。
2、基礎となるかんたんものから本格的なものへ「リーディング課題」の出題と演習。
3、上述の「リーディング課題」への回答や不明な箇所のご質問などの質疑応答。
4、納得のいく「ホロスコープ・リーディング」の“エトセトラ”。
※「修了認定書」や「講師資格」また「リーディング・サポート」なども考えています。

■開始時期
2019年7月中を予定。

■受講期間
モニターをしながらゆえ半年から1年間ほどになります。

■モニター受講料金
7万円(税込)…将来的な受講価格は3倍程度にする予定なのでお得です。

※「ホラリー実技講座」の開講回数がすすむにつれて講座料金は予定の金額に近づけてまいります。

■第1回受講特典
第2回講座以降に追加された内容を適時、無料提供(アフターケア)。

■お申し込みお問い合せ
「宝瓶宮占星学」サイトの「講座 お申し込みフォーム」からお申し込みできます。

  「講座 お申し込みフォーム
   http://www.aqast.net/od-form/od-form.html

※以前、鑑定ご依頼をされた方、『入門講座』のご購読者、「伝授講座」ご受講者の方は、直メールでの「お問い合せ」また「お申し込み」でもかまいません。



2019(令和元年)7月1日 宝瓶宮占星学






恋愛と結婚の相性 Part2
2019.06.27
宝瓶宮占星学サイトに次の2記事をアップいたしました。

1、
恋愛と結婚の相性 Part2

2、
山里亮太&蒼井優とAKIRA&林志玲の結婚生活


これまでの「恋愛と結婚の相性 Part1」は、「恋愛相性」や「結婚相性」また「相性変化」のみをアップしてきた、いわば「相性の見方」をご紹介し、その一例を取り上げたものでした。

「宝瓶宮占星学 第2章 実技編」がはじまりますので、「恋愛と結婚の相性 Part2」では、相性のみならず、実際の「結婚生活」や「夫婦生活」はどうなのかを交えつつお届けするものです。

なぜなら、結婚生活や夫婦関係は「相性」のみでは、占断もリーディングもできない一面があるためです。


その詳しいお話は、宝瓶宮占星学サイトではなく「実技講座」にゆずらざるをえませんが、今回はその一例というか導入として、今年6月上旬に入籍し、世間を驚かせた2組のカップルをとりあげました。

詳しくは、アップした記事をご高覧いただきたいのですが、ある意味、非常によく似た「相性」や「結婚夫婦運」で、さらには結婚生活の危機が訪れる「相性変化」の時期までもが、ウリ2つでした。

それは、相性に加えて2組の「美人女優」が生まれもつ「結婚夫婦運」にも由来するものなので、相応の確度をもってお伝えできるリーディングといえます。







ホロリーができるメリットは?
2019.06.26
宝瓶宮占星学 第2章は「実技編」です。

「実技編」なので、「数理法則」にもとづいた「ホロスコープ・リーディング」が、“応用展開”をふくめて「できる」ようになることが「実技編」のメインテーマです。

そのどこが、これまでの「西洋占星術」の占断とは異なるのでしょうか。

「天王星」の発見ののち、通用しなくなった古典占星学の理論を捨てた「西洋占星術」は、新たに発見された「海王星」の象意による神秘主義の到来とともに、地に根づかない“幻想”や“混沌”におちいりました。

良くいえば、当時の風潮にもとづいて個人の純粋な“霊感”や“感覚”をたよったのです。

その後、現代の「西洋占星術」は、時代遅れとなった約2,000年前の古代ギリシャの世界観「四大元素説」という旧い“ロウソクのあかり”を“暗闇”の中にともしながら、「吉凶解釈」や星座にまつわる2,000年以上も前の作り話「神話」を根拠にしながら、想像を交えつつ“占断”を導こうとしてきたのです。

ホロスコープの解釈と占断は、個人の“術”の力量に委ねられました。

宝瓶宮占星学は異なります。

宇宙この世界と人間社会をつらぬく、宝瓶宮時代の新しい宇宙観「数理法則とクオリアル・ワールド」にもとづくホロスコープ解釈と占星要素の象意は、すべて体系化してきたからです。

ホロスコープは、世界に2つと同じものがありません。

この意味は、すべてといっていいほどケース・バイ・ケースの占断やホロスコープ・リーディングが求められるということです。

西洋占星術だと、“術”の力量を身につけた西洋占星術師でないと対応できません。

基礎理論がなく個人の“術”のパワーにたよらざるをえないためにそうなります。

何でもそうですが、ケース・バイ・ケースで「応用展開」をしようとすると、基礎が身についていないと個人の力で一から試行錯誤したり、迷い模索を繰り返しながら“正解”に近づいていくしかありません。

ですが基礎もしくは「基礎理論」が正しく理解できていると、相応の努力や場数は必要なものの、どんなホロスコープでも応用展開したリーディングが次第にできるようになっていきます。

「宝瓶宮占星学 第2章 実技編」の「実技講座」は、「数理法則」を基礎理論とした「ホロスコープリーディング」を、段階的かつインタラクティブ(双方向)に学び体得していくものです。

では、ここからが本題です。

(数理法則にもとづいた)「ホロスコープ・リーディング」ができるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか。

代表的なものを、4つほど挙げておきます。

1、
どんな性格や運勢を自分自身が生まれもっているのかがわかるようになりますので、自己分析はもちろん、ことに際して自分に合った正しい判断や、才能や個性の活用が可能になります。
結果、よりよい人生を生きれるようになります。

2、
同時に、自分とは異なる相手、同僚や上司など社会の人、また身近では、配偶者をはじめ家族のタイプが理解できるようになりますので、意味のわからない言動をとっても、相応ながら寛容に接することができるようになります。
結果、以前よりも良い人間関係を構築できます。

3、
さらには、宝瓶宮占星学が解明した「星のディレクション」(そのときどきの運勢など)を読めるようになるため、自分が今どのような運勢状況にあるのか、それゆえ何をめざして進めばよいのか、などが分かったり、軌道修正ができるようになります。

それは家族や周囲に対しても、今がどんな「運勢期」にあるのかが相応にわかりますので、相手に理解を示したり、必要に応じて、さり気に手助けやアドバイスができます。

4、
そういった個人的な対応にとどまりません。
宇宙この世界と人類歴史のリーディングも相応にできるようになりますので、事件や事故など出来事の“ウラ事情”を見抜いたり、“(真)犯人像”などが読めるようになります。

それは「判断」や「論評」を誤まりにくくし、さらには、次第に人類歴史の流れや方向性、また人智を超えた大宇宙の営みまでもがみえてくるようになっていきますので、人生に余裕さえ生まれてきます。

同じ一つの「ホロスコープ」を読むにしても、対立的な「吉凶」で占断するか、2,000年前の旧い「四大元素説」を参考とするか、それとも宝瓶宮時代の新しい宇宙観=「数理法則とクオリアル・ワールド」によって客観的にリーディングするかで、占断やリーディングの結果はもちろんのこと、ご本人の解釈や社会の理解度また人生そのものが変わっていきます。







ホロリー実技講座の進め方
2019.06.21
宝瓶宮占星学 第2章は、ホロスコープ・リーディング「実技編」の講座へと進んでまいります。

星やサイン(宮)の象意はわかっても、いざ“占断”また“ホロスコープ・リーディング”を行なおうとすると、できないという事例が多いからです。

その理由はハッキリしています。

約2,000年前の古典占星術はともかく、19世紀末以降の現代西洋占星術は、通用しなくなった「基礎理論」を捨ててしまいました。

古代ギリシャ時代の“思想哲学”(疑似科学)を取り込んで体系化された「古典占星学」は、18世紀の「天王星」の発見、それに続く1801年の「ケレス」の発見によって理論破綻が生じたのです。

その後、1846年の「海王星」の発見によって、古代ギリシャの「基礎理論」を捨てて、“直感”や“霊感”また“幻想”や“勘違い”(事実誤認)の海王星の象意にもとづいて、当たるも八卦、当たらぬも八卦の“星占い”「西洋占星術」としてスタートしました。

ですが、この理論のない“星占い”に反発をし、古典占星術の旧理論を取り入れようとする動きがある一方で、海王星の象意にもとづいて、理論を超えて真実をつくこともある個人的な“霊感”や“直感”を活かして、名を上げた西洋占星術師がいたのも事実です。

それは、個人が生まれながらに持っていたり獲得した“術”によって、可能になった例外的な事例で、一般的には海王星の現実的な象意である“幻想”や“勘違い”(事実誤認)を交えつつ、占断を行なっているのが現状です。

その詳しいお話はともかく、部分的に“当たる”ことはありますが、その先の「リーディング」までは見えていないことが多いのです。

簡単な一例を挙げますと「吉」と「凶」に分けた単純な占断をしたら、クライアントも同じタイプだったことから、結果的に“当たった”ということが表層的に起きたということです。

世の中でも「禍福はあざなえる縄のごとし」また「万事塞翁が馬」といわれるように「吉」は簡単に「凶」に変わり、「凶」もまた活かせば「吉」に簡単に変わっていくのが世の常です。

あくまでも一例ですが、そういった西洋占星術の“占断グセ”が身につくと、正しい「ホロスコープ・リーディング」ができなくなります。

というか、理論的な判断の思考回路に変えるのに時間がかかったり、修正していくために一度、意識的に自分をなくさなければならないことが起こります。

その点では、初学者のほうが案外と「数理法則」にもとづいた「ホロスコープ・リーディング」をすんなりと体得されていかれることがあるのです。

そういったことも含めて、個々人によって学び方やノウハウは若干なりとも異なります。

なので、「宝瓶宮占星学 第2章 実技編」の講座は、基本的に“マン・ツー・マン”とまではいかなくても、それに近い個別対応を取り入れた「レスポンス型」のスタイルにならざるをえません。

「実技講座」なので、そのほうがより早く「ホロスコープ・リーディング」ができるようになるのです。

自分に合ったリーディング・ノウハウを習得することが目的なので、一方的な講義よりも部分的に応答式(レスポンス方式)のスタイルほうが確実に身につきます。

ということで、今後の「実技講座」は、「モニター受講生」を募集いたします。

それをふまえつつ創り上げていく“進化型”の「実技講座」になっていきます。

基本的に実技の核となるベースは変わりませんが、事例や一部の内容は、「実技講座」(モニター)を重ねていって、将来的に改変されていく可能性がなきにしもあらずであることから、今回募集の「第1回 ホロスコープリーディング実技講座」の料金は、最終的に予定している受講価格の3分の1程度の料金(7万円)で行なう予定です。

第1回モニターの特典としては、第2回以降の改編された講座内容があれば、適時まとめて情報提供を受けとることができることです。

つまり、将来的には遜色のない受講内容を会得していくことができるものになっています。

現在、ほぼ決定している概要は、次のとおりです。


■主な受講の流れ
1、「基礎理論」(数理法則)をベースとしたホロスコープ・リーディングのテキスト。
2、基礎となるかんたんものから本格的なものへ「リーディング課題」の出題と演習。
3、上述の「リーディング課題」への回答や不明な箇所のご質問などの質疑応答。
4、納得のいく「ホロスコープ・リーディング」の“エトセトラ”。
※「修了認定書」や「講師資格」また「リーディング・サポート」なども考えています。

■開始時期
2019年7月中を予定。

■受講期間
モニターをしながらゆえ半年から1年間ほどになります。

■モニター受講料金
7万円(税込)…将来的な受講価格は3倍程度にする予定なのでお得です。

■第1次受講特典
第2次講座以降に追加された内容を適時、無料提供(アフターケア)。


※後日、「宝瓶宮占星学」サイトの「講座 お申し込みフォーム」からお申し込みができるようにいたします。




ホロリー「実技講座」への道
2019.06.19
なぜ、ホロスコープ・リーディングができないのか?

星の象意はそこそこ知っている、いざとなれば「西洋占星術」の書籍やサイトにもそこそこ記されている。

また占星術師が「占断」を解説した文章を読めば、「なるほど!」と理解もできる。

しかし、いざ自分でホロスコープ(出生天球図)を読もうとすると、できない!

多くの人がぶつかり、1歩が超えられず挫折することもある壁です。


なぜ、できないのでしょうか?

たとえば、車の故障やトラブルも「原因」がわかれば「修理」の道がみえてきます。

ホロスコープ・リーディングも同様で、できない「理由」がわかれば、学び方がみえてくるようになるのです。

その学び方、つまりは「教科書」が重要なのです。


西洋占星術の初学者のころ、実はわたしもそうでした。

何十冊もの西洋占星術本を購入し、いくら学んでも星やサイン(宮)の象意はわかるのですが、いざ知人から依頼された鑑定を行なうのに、夜を徹して苦労した記憶があります。

それがなぜ、「宝瓶宮占星学」サイトに立ち上げるほどにホロスコープ・リーディングができるようになったのか。

それは、「数理法則」を基礎理論とすることによって、「ホロスコープ」の“仕組み”がわかったからでした。

考えてみれば、当たり前のことでした。

たとえば、車が動かなくなったとき、まず、なぜ車が動くのか、その仕組みを知っていなければ修理ができません。

次に、知っているだけではなく故障を直す“道具”(ツール)が必要なのです。

「ホロスコープ・リーディング」も同じでした。

なぜ「宇宙太陽系の星の配置から地上のことがリーディングできるのか」、その仕組みがわからなければ、ホロスコープ・リーディングができないことはもちろん、当たるかどうかわからない“占い”から抜け出ることができないのです。

それは、占星学の根本命題となる課題です。

宇宙この世界と人間は、どのように“成り立ち”、どんな“仕組み”で動いているのか。

さらには、見えない「運命」によって動かされているのか。

共通の根本法則がわからなければ「ホロスコープ」のリーディングはいつまでもあいまいなままなのです。


かつて、西洋占星術を活用して文章を書かなければならなくなり、探しても理論がないので自分で構築せざるをえなくなりました。

そうしたら案外と簡単に「宇宙この世界とホロスコープまた人間」に共通する“根本法則”がみえてきました。

詳しいお話は「講座」にゆずりますが、それが「数理法則」です。

「ホロスコープ」には、宇宙この世界をつらぬく基本三数にはじまる数理法則が秘められていたのです。

というかホロスコープは、「数理法則」(基本三数)によって構成されていました。

すると、「なぜ空の星から地上のことがわかるのか」という占星学の根本命題がだれもが納得できる案外と簡単な理論でもって解けてきたのです。

それは宇宙に由来するものなので、当然、人間がかってに空の星をつなげてつくった「星座」とは関係がありません。

また、数千年もむかしの非科学的なギリシャやローマの「神話」とも無関係な理論だったのです。

宇宙この世界の成り立ちにかかわるのはもちろん、物理科学の最先端をふくめ、スピリチュアルな心霊波動(霊性)に関する世界さえも解き明かす、宇宙この世界の“根本法則”といえるものだったのです。

その内容は「数理法則とクオリアル・ワールド伝授講座」にゆずります。

このことが理解できなければ、個々人がなぜ異なる「個性」や「運勢」を生まれもつのかホロスコープからのリーディングができません。

また、人はなぜそのときどきの「運命」に翻弄されることがあるのかも同様でした。

さらには、人類の歴史は“偶然”のようにみえて、どのような“法則”のもとで動き、流れているのか、そのメイン・ストリームもみえてきました。

そこには、「天運」(運勢)がどのようにかかわっているのか。
また、天運(運勢)をつかむにはどうすればよいのか。

そういった人智を超えた内容を宇宙太陽系の星の配置を忠実に写しとった「ホロスコープ」から、リーディングしていくには「数理法則」に基づいて応用したホロスコープ・リーディングしかないのです。

「宝瓶宮占星学 第2章 実技編」は、はじまりました。

今後は、ホロスコープ・リーディングが確実にできるようになる「実技講座」を基礎理論にもとづいて、漸次、開講してまいります。





天智にいたる皇統の操作
2019.06.15
先回の記事で、欽明天皇(29代)から天智天皇(38代)にいたる皇統(王統)は、操作されていると書きました。

理由は、合併による「九州倭国」と「畿内大和国」の王統を一つにつなげたためで、また、7世紀前半、蘇我氏三代が実質の大王(天皇)だったことを糊塗して、王統をつなげたためです。

今回、さらに提起したいのは、天智天皇こと中大兄を「万世一系」に組み込むために、王統を操作した可能性があることです。

そのいちばんの大きな理由は、『日本書紀』には“中大兄皇子”とは書かれておらず、すべて「中大兄」と記されているからです。

『日本書紀』は、“レトリック”を駆使して、「中大兄」と「大海人皇子」が実の兄弟かのように錯誤させ、中大兄を“皇子”だと勘違いさせるように記しています。

先回、「中大兄」と「大海人皇子」の母親とされる「宝皇女」(たからの ひめみこ)が“皇極天皇”(35代)として即位したかのように記されているのは、蘇我入鹿が実質の大王(天皇)だったことを隠すためだと書きました。

「斉明天皇」(37代)は、皇極天皇の“重祚”として記されていますが、「皇極紀」には簡単な系譜しか記されていないのに対して、のちの「斉明紀」には、宝皇女が最初、高向王に嫁つぎ漢皇子を生み、その後、「舒明天皇」(34代)に再嫁して二男一女を生んだといった、詳しいいきさつが記されています。

また、皇極紀と斉明紀を読むかぎり、二人が同一人物とは思えないという指摘は、案外となされているのです。

そういうこともあって、“皇極天皇”は創作で、斉明天皇こそが実際の宝皇女です。

さらに、「舒明天皇紀」には、「葛城皇子」「間人皇女」「大海皇子」の二男一女がいたことが記されています。

間人皇女(はしひとの ひめみこ)は、孝徳天皇(36代)の妃になりますが、中大兄の愛人だと言われるのも、ほんとうの兄妹ではなかったからでしょう。

つまり、大海人皇子は「大海皇子」と同一人物だと理解できるものの、中大兄は舒明の皇子とも「葛城皇子」だとも、どこにも記されていないのです。

にもかかわらず、『日本書紀』の現代語訳者は、葛城皇子をかってに「中大兄」と注記し、また過去に藤原氏が、“望月の世”をつうじて中大兄を「中大兄皇子」かのように喧伝したために、だれもが皇位継承権をもった「中大兄皇子」と信じ込んでいるのです。

実際は、皇位継承権をもたない単に「中大兄」でした。

次に、欽明天皇(29代)から天智天皇(38代)にいたる下記系図(図左)をご覧ください。

世代関係がわかるように、蘇我氏三代と呼応させてみました。すると、おかしなことがみえてきます。



中大兄が“弑逆”した蘇我入鹿は、中大兄の世代からみると三世代も前の“曽祖父”の世代にあたり不自然です。

婚姻関係は、1世代ほどズレることがありますので、それを考慮したとしても、これだと「孫と祖父」の世代関係にしかなりません。

さらに、蘇我蝦夷と姉妹の「河上姫、刀自古郎女、法提郎女」は、世代の異なる「祟峻天皇」「厩戸皇子」「舒明天皇」の三世代にわたって嫁ついでいます。

祖母(または母)の世代が、舒明天皇(田村皇子)に嫁ついだというのは、いくら政略結婚だとしても限度を超えています。

結論的にいえば、『日本書紀』は、実際は蘇我氏が大王(天皇)だった時期の“舒明天皇”と“皇極天皇”を「敏達天皇」(30代)の皇子「押坂彦人大兄皇子」(おしさかの ひこひとの おおえの みこ)につなげて、畿内大和国の「万世一系」としたのです。

用明天皇(31代)と推古女帝(33代)は、和風諡号に「豊」がつくことから、「九州倭国」系の王統だと考えられますので、両帝の皇子(皇統)を隠蔽して、「押坂彦人大兄皇子」につなげたために、1世代ズレてしまったようです。

さらに、大海人皇子(天武天皇)が舒明天皇の皇子で、中大兄(天智天皇)が宝皇女(のちの斉明天皇)の「連れ子」だとすれば、たしかに父親違いながら“兄弟”にはなります。

ただし、宝皇女の初婚の相手と記される「高向王」が用明天皇の孫だというのは疑問で、ここでも1世代ズレて繰り上がる可能性が高いのです。

ちなみに、「押坂彦人大兄皇子」に関して『日本書紀』は、なにも記していません。
名前だけが使われていて、実在かどうかも怪しいのです。

いずれにしても、「中大兄」が中臣鎌子(藤原鎌足)とともに蘇我入鹿を殺害した「乙巳の変」(645年)のとき、「ひ孫」(または「孫」)の世代だったとする上記左側の系図は、どうみてもムリ筋です。

結局、中大兄は、上述いたしましたように『日本書紀』の系図より「2世代上」が妥当で、詳細は省略いたしますが皇子ではなかったことがわかれば、いろいろとつじつまがあってきます。

正統である弟の大海人皇子に、長女と次女の2人もの娘を嫁つがせていることも、その一つです。

もし、中大兄が皇子であれば、“臣下”のはずの蘇我入鹿を、これまた“臣下”の中臣鎌子(藤原鎌足)にそそのかされて、“皇子自ら”が手にかけるような暴挙にはでません。

皇子ではなく、傍系だったからこそ、できたのです。

実際的にも、『日本書紀』が“大逆者”と記す「蘇我本宗家」を滅ぼした“英雄”かのように中大兄を記しながら、「乙巳の変」ののち、23年間も即位できなかったのは、中大兄が皇子ではなかったからで、また人望がなく、次々とライバルの皇子たちを殺害しているからです。

結局、中大兄は、年老いた母親を「斉明天皇」として即位させ、“皇子”の立場を手にしたのち、正統の大海人皇子に次期王位(皇位)を譲るという了解をえたうえで、ようやく王位(皇位)に就いたというのが実際のところです。

さらにいえば、藤原不比等が関与した『日本書紀』は、中大兄(天智天皇)を“英雄”かのように描きながら、実のところ最大の“功労者”を「藤原氏」と読めるように描くことに成功し、もくろみどおり、『日本書紀』上奏後の後年、蘇我氏にとってかわり、天皇家をしのぐ権勢を手に入れていくことになりました。

そんな一面が隠されていることも見逃すことはできないのです。







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