トランプと「アメリカの復権」
2018.05.08
ここのところ、アメリカの回復と復権が著しいといえます。

在りし日の「アメリカの栄光」にむかって舵をきり、着実に進みつつあるためです。

大統領に就任当初のトランプは、「政治経験」も「軍隊経験」もないために、まさに手探り状態。
まわりからすすめられた人物を登用してみたものの、つかえるのは“マッド・ドッグ”といわれたマティス国防長官とひとにぎり。

ですが、いまや先進国首脳「G7」のなかでは古株となった国際経験豊かな安倍総理との日米会談もあり、また経験も重ねて、確実に世界を牽引するアメリカ大統領としての自信をのぞかせつつあります。

そうなると、もはやオバマのように、一見“良識派”ですが、その実、アメリカの責任を果たすことを考えない“弱腰”の側近たちは不要です。

事実、「アメリカ・ファースト」(強いアメリカ)をめざすトランプは、3月13日に北朝鮮への圧力(攻撃)に慎重だったティラーソン国務長官を解任し、対北強硬派の前CIA長官のポンペオを国務長官に就任させます。

さらに、同3月22日、路線が合わないマクマスター大統領補佐官をも更迭し、対ロ対北強硬派で元国連大使のボルトンを国家安全保障担当の大統領補佐官に就任させたわけです。

この動きをみた北朝鮮の金正恩は、トランプが本気であることを実感します。

直後の3月25日に、反発していたはずの中国に臣下の礼をとり、電撃訪問をして、習近平との「中朝首脳会談」によって“保険”をかけます。

続いて、韓国(南)の文在寅をうまく利用して、1か月後の4月27日に「南北首脳会談」を開き、“平和”を演出したうえで、“命乞い”ともいえる「米朝首脳会談」への橋渡しにつなげたわけです。

もっとも、その前に、国務長官に内定していたポンペオは、先駆けて3月31日~4月1日に北朝鮮の平壌を訪れ、金正恩と「米朝首脳会談」の下交渉をしています。
そのうえでの「南北首脳会談」なので、いわばアメリカの“お墨付き”をえていたわけです。

トランプは、ほかにも2度にわたる非人道国家シリアへのミサイル攻撃はもちろん、対中関税措置をはじめとした貿易政策を実行しはじめ、トランプが尊敬するレーガン元大統領の「宇宙防衛構想」ならぬ「宇宙軍」創設をメッセージとして発するなど、確実に中国を視野にした「アメリカ・ファースト」(強いアメリカ)の手を打ちつつあります。

これに対して中国も、強く反発をしていますが、まず「口撃」をしてみるのはいつものことで、それに相手がひるまなければ、“軍事力”を執拗にちらつかせますが、アメリカに「軍事力」は通用しません。

その先は、言わぬが花でしょうが、考えられるシナリオは、習近平は“終身国家主席”になったばかりに、責任はひとりでとることになります。

そうなると、今は“面従腹背”のチャイナ・セブンこと「中国共産党中央政治局常務委員」が将来的にどう動くのか。

“溺れる犬”すなわち失敗した権力者は、いっせいに“棒で叩く”のが中国流ですが。




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