北朝鮮はミサイルを打たない
2017.05.01
最近、北朝鮮に関するニュース報道が多くみられます。
その大半が、何をやるか分からない金正恩の北朝鮮が、米軍基地のある日本へミサイルを撃ち込むのではないかという恐れにあるようです。

つまり、アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、ヤケになった北朝鮮が日本に核ミサイルもしくはサリンなどを搭載したミサイルを撃ってくるのではないかといった恐怖心に訴える報道です。

本当でしょうか?

もし、北朝鮮が試射ではなく、日本でもどこの国に対してでもいいのですが、ほんとうに1発でもミサイルを撃てば、これ幸いにアメリカが北朝鮮を攻撃するのは当然で、北もそのことは知っています。

金正恩のとりまき連中はともかく、そのことを知らない金正恩ではないのです。

彼は、たしかに逆上すると何をやるか分からない星の配置をもちます。
しかし、その一方で、慎重で用心深く、冷静に現実を分析し、どうすれば自分と北朝鮮が生き残れるかを計算しています。

その点では、ヨーロッパに留学していた経験もあることから、アメリカや日本などの自由民主主義国の弱点を知っていて、さかんにプロパガンダ(政治宣伝、情報戦)を仕掛け、北がいかに怖い国かを宣伝しています。

ですが、北朝鮮がほんとうに米中露また日本と肩をならべる軍事力をもつわけではありません。
なぜなら、軍事力というのは、平和ボケした人にはわかりにくいのですが、経済力なくして成り立ちません。

また「弱い犬ほどよくほえる」という言葉があるとおり、韓国も北朝鮮も弱小民族は、ウソも方便とばかりに話を“盛る”ことによって生き延びてきましたので、彼らの言辞を額面どおりに受けとると大間違いです。

そこは正直で、謙遜しへりくだって和を大事にして接する日本人とは、根本から異なる国民性を持ちます。

つまるところ、金正恩や北朝鮮は、信じやすい日本人や日本のマスコミに対して、実際以上の危機感を感じさせていますので、彼らのプロパガンダ(政治宣伝)は大成功しているわけです。

しかし、トランプ大統領がどこまで把握しているのかはともかく、アメリカの軍事関係者はそういった北朝鮮のハッタリやハリボテともいえる軍事力を見抜いています。

それを承知のうえで、北へのミサイル対策という名目で韓国にサード(THAAD、高高度ミサイル防衛システム)を配備したり、世界最強の第一空母打撃群“カールビンソン”を北への派遣だといって、わざわざ南シナ海をとおって北上させているわけです。

これらは、明らかに中国に対する威嚇でもあって、突然のシリア攻撃のように、いつでも南シナ海をやれるぞというメッセージです。

そのことを理解している金正恩は、自分たちよりも中国への威嚇でもあることを見抜いていますので、あえてミサイルの発射実験を繰り返して、強気で引かないことや、アメリカに口実を与えて“恩”をうる作戦で、トランプを交渉の場に引き出そうとしています。

そういった意味で金正恩は、かなりしたたかな頭の持ち主です。



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