国際情勢の“深層”を見抜く
2018.11.13
「組織運営変革の深化」のディレクションが、いよいよ最後の3年間をむかえ、佳境に入りつつあることから国際情勢が動いています。

「米中問題」を筆頭に、「北朝鮮」をめぐる関係周辺国、また「日韓問題」も例外ではありません。

昨今、米中貿易摩擦や日中首脳会談、また募集工を“徴用工”と偽った、三権分立による法治国家ならぬ、非近代的な“情治国家”の韓国大審院(最高裁)の判決をめぐるゴタゴタなど、洋の東西を問わずさまざまな出来事が起きています。

それらに対するマスコミや評論家またコメンティターはもちろん、国民、ネット民のかびすましい意見が開陳されているようです。

それらは、法を超えない範囲である以上、思想信条の“自由”また言論の“自由”が保障されます。

ただ、宝瓶宮占星学の「星のディレクション」からみたとき、根っこには歴史的な知る人ぞ知る外交方針があって、その方向性がいまや大きく転換しているといった“地殻変動”が、今回の「変革の深化」の根幹です。

このことをご理解されたうえで、昨今の情勢を見ないと表層的な“解釈”や“コメント”にとどまってしまいます。

将来、歴史は、まちがいなくこの3年間を、歴史の「転換点」(変革期)として記録にとどめることでしょう。

同時代に生きるいわば“渦中”にあるわたしたちは、“親中反日左翼”の「マスコミ」によって、「中国」「北朝鮮」「韓国」の動きの本質には目をつむらされ、そのかわり現政権は問題だと針小棒大に“ねつ造”してとりあげ、目を内にそらさせられていますので、「大変革」の動きにはいっそう気づきにくくさせられています。

「変革の深化」がピークをむかえた現在、アメリカは47年来の中国に対する開校方針(戦略)を転換し、日本もまた韓国に対して戦後70年来の方針を転換しつつあります。

ロシアのプーチン大統領をみても、彼個人の「運勢ディレクション」は、現在、“出直し”を余儀なくされる、俗にいう“不運期”に「変革の深化」のディレクションと時を同じくして入っています。

中国の“現体制”も同様です。

身のほど知らずにも思いあがり、「世界覇権」の“妄想”を描いた“プーさん”の中共に対して、ついに欧米の白人は、本気で“鉄槌”をくだそうとしています。

昨今の「自由民主主義体制」というのは、彼ら白人が歴史的に血を流して手に入れた“自由”なので、それをおびやかす旧態依然の“強権独裁国家”の黄色人種を彼らが許すはずがありません。

習近平は、白人を甘くみたのです。

そんなこんなで、世界の“体勢”は劇的に変わりつつあります。

では、この後、世界はどこに向かうのでしょうか。

TPPをはじめとした“新しい自由”の秩序が打ち立てられることはもちろん、まもなく21世紀のメイン・ディレクション「精神意識の変革」の時代に入っていくのです。

端的にいえば、宝瓶宮時代の「精神意識」をつちかわざるをえなくなる“出来事”の時代です。



中間選挙 マスコミの“敗北”
2018.11.12
例年になく話題となった「アメリカ中間選挙」.
一部、未定の開票結果があるものの、大勢は決定しました。

すでにご存じのように、上院はトランプの共和党が半数を上回り、下院は民主党が上回りました。
これに対して、どうだこうだといった“解説”がさまざまに出回っています。

それよりも、今まではさほど注目されることがなかったアメリカ中間選挙が、なぜ今回、これほど注目されたのかに着目する必要があります。

今回の中間選挙は、2年前、マスコミや評論家またコメンティターの予測に反して当選したトランプ大統領への“審判”が、明らかになるためです。

中間選挙は、だいたい“野党側”(今回は民主党)に有利にはたらくのがふつうです。

そうでなくても、現職議員の再選率が極度に高いアメリカにおいて、共和党では40議席前後、民主党側は20議席前後の現職が出馬をとりやめました。

この20議席のマイナスは大きく、トランプ陣営は最初から上院の過半数維持と、同時に行なわれる知事選挙の過半数維持を目標としていました。

結果、いずれも過半数の維持に成功し、下院も“大敗”にはいたりませんでした。
さらには、反トランプの重鎮たちが出馬をとりやめたことによって、それでも上院で勝利したことは、実質的にトランプ主導の「共和党」が誕生したことを意味します。

それゆえ、トランプの2年間は充分に認められたために、「勝利宣言」をだすのは、おかしくはありません。

考えてもみてほしいと思います。

あれだけ、CNNをはじめ終日、連日連夜、“フェイク・ニュース”をまじえて、非難され、叩かれに叩かれ続けてきたトランプです。
日本の反日マスコミをみても、トランプを褒めた報道をみたことがありません。

そういったニュースが“真実”であれば、今回の中間選挙でトランプが“大敗”してもおかしくはありません。

ですが、結果は大きく異なり、トランプは支持されたことが明白です。

少なくとも、上院のみならず、同時に行なわれた州知事選挙でも、アメリカ国民はトランプを“支持”する結果をだしたのです。

これは、日本のマスコミが、トランプの“大敗北”を狙って、今回の中間選挙に注目したにもかかわらず、結果は、いかに日本のマスコミが「親中」(反米、反トランプ)に偏った報道をし続けていたかが、証明されたことを意味しています。

つまり、マスコミの敗北です。






「革命」のない日本
2018.07.17
NHKの大河ドラマ「西郷どん」が、いよいよ舞台を本格的に京に移し、「明治維新」に向けた幕末動乱期を描きはじめました。
とはいっても、“ドラマ”なので、史実どおりではない部分が多くあります。

それはともかく、今年2018年は、明治維新からちょうど150年です。

150前の1868年、江戸は「東京」と改められ、「明治」に改元されました。
同年、明治天皇も東京に移り、翌1869年には明治新政府も京から東京に移っています。

結局、国王(国家元首)である天皇は存続したままなので、“革命”ではなく、「明治維新」と呼ばれるわけです。

つまり、7世紀の「天武天皇」以来、日本に革命は起きておらず、世界最古の国家となっています。

もし、天皇と呼ばれる以前の“大王”の時代を含めれば、3世紀末以降からそうですし、正史の『日本書紀』によれば、紀元前660年の「神武天皇」のご即位以来、女性天皇がリリーフに立つことはありましたが、男系天皇による“万世一系”が2600年以上も続いていることになります。

もっとも、明治維新には“ウラ”事情があります。

天皇を最も崇敬していたのは、徳川慶喜をはじめとした幕府側のほうです。

なぜなら、慶喜は徳川御三家の筆頭「水戸藩」の出身で、水戸藩は“水戸黄門”こと徳川光圀が編纂した『大日本史』によって、日本国は本来、「天皇」の国家であることを歴史的に証拠づけました。

このことが、本居宣長らによる江戸時代の「国学」の発揚と、幕末志士の「尊皇思想」につながっていくわけです。

水戸藩に生まれた慶喜は、一橋家の養子となったことから「一橋慶喜」と呼ばれます。

慶喜は、1868年正月の「鳥羽・伏見の戦い」において、仁和寺宮嘉彰親王を“征夷大将軍”とする長州ら新政府軍が、“錦の御旗”(天皇の旗)を掲げたために、“逆賊”(朝敵)になるのをおそれて、旧幕府軍をおいて真っ先に逃げ出したほどです。

約15,000人の旧幕府軍に、約5,000人の新政府軍が勝ったのも、幕府軍の多くが“錦の御旗”をみて戦意喪失したからです。

これによって同年、明治がはじまります。

逆に新政府軍、とくに長州藩は天皇を崇拝していたわけではありません。

慶喜や旧幕府軍が天皇には楯突けないことを見抜き、戦略上、急きょ“錦の御旗”なるものを製作して、天皇の権威を利用しつづけたというのが本当のところです。

これらを策謀したのは、朝廷で薩長側にいた公卿の岩倉具視(いわくら・ともみ)でした。

事実、幕末期の孝明天皇は、自分を利用するだけの長州を嫌っていました。
それゆえ、一説によると孝明天皇の急変による崩御は、長州藩による“暗殺”ではないかとさえいわれています。

“過激革命思想”の吉田松陰“松下村塾”があった長州ならやりかねません。

ですが、薩長ら明治新政府は、「鳥羽・伏見の戦い」で“天皇”の利用価値を実感すると、若き”明治天皇”を新政府の権威づけに利用するために推戴し、まだ天皇が若かったとはいえ、当初、明治天皇に発言権も実権も与えませんでした。

しかし、“立場は人をつくる”というと畏れ多いのですが、日本の近代化の成功とともに、日清・日露戦争の勝利もあって、明治天皇は世界から畏敬される偉大な天皇になっていきます。





「桃の種」は卑弥呼だって?
2018.07.06
驚いたことに、纒向(まきむく)遺跡から大量に発見された“桃の種”は、卑弥呼が祭祀に使ったものだそうです。

と、「纒向学研究センター」なる組織が、今年5月に公表した放射性炭素(C14)年代測定の結果をもとに、邪馬台国畿内説を強弁するために一部でそのように喧伝されています。

ですが、12個の桃の種を測定開始から約8年間もかけて調べたのに、肝心の客観的な数値は公表されず、結果のみ「西暦135年~230年」の間のものと、卑弥呼の在位にあわせるかのように公表されました。

まともな一部の学者や教授方には申し訳ありませんが、日本の一部の歴史好事家とくに“歴史学界”は、昨今のマスコミ同様に“反日思想”の傾向をもちます。

なぜなら、戦後、歴史学界は「マルクス史観」(共産主義史観)に染まり、日本を貶めることが主流となっていたからです。

そのため、当時の日教組による学校教育はもちろん、マスコミが反権力(反自民)であることはもちろん、歴史学界は、“自虐史観”によって日本をとらえ、日本文化はことごとく中国(シナ)や朝鮮半島からもたらされたものという視点から発表してきました。

ですが、もはや現代では、稲作や土器をはじめそれが間違いであることが知られはじめています。

彼らは、共産主義の「中国」や、“地上の楽園”と喧伝された「北朝鮮」など朝鮮半島にシンパシーをもち、日本よりも共産主義国のほうが“進歩的”で優れていると、自らの思想信条によって信じ込んでいたのです。

そういった歴史学界やマスコミとの関係性は、今も続いています。

彼らがいうには、纒向で発見された“桃の種”は、「鬼道」をもちいた卑弥呼が祭祀に使ったもので、それゆえ“邪馬台国”は畿内にあったといいたいわけです。

いわく、鬼道は神仙思想や道教に由来しており、“桃”を神聖なものとしていたので祭祀の重要なお供えだったという理屈です。

この嘘、ホンマ!?

俗称「魏志倭人伝」には、たしかに卑弥呼が鬼道をもちいたことは記されていますが、それが道教由来だとは書かれていません。
まして、卑弥呼が“桃”をもちいたという証拠はどこにもありません。

反日マスコミの“報道”と同じ手法で、自分たちに都合のいいように曲解しているのです。

古代の“桃の種”は、纒向にかぎらず全国の遺跡から相応に発見されています。
纒向で大量に発見されたからといって纒向だけを卑弥呼に結びつけるのは、流行りの言葉でいえばフェイクニュースや印象操作にほかなりません。

次のことからも、それが明白です。

「魏志倭人伝」には、「名を卑弥呼という。鬼道につかえ、よく衆を惑わす」(原文:名曰卑弥呼 事鬼道能惑衆)と書かれています。

この記述は、「魏志倭人伝」を著述した陳寿からみた場合、「道教、すなわち鬼道は衆を惑わす」といっているのに等しい内容です。

当時のシナ人(中国人)が、自国の道教(神仙思想)を、「衆を惑わすもの」と語ることも記録することも絶対にありません。

それゆえ、「鬼道」は道教(神仙思想)とは関係がありません。

なぜなら、「鬼道」というのは、イタコのように“死者の霊を呼び込んで託宣をするもの”だからです。
それゆえシナ人からみたら、“衆を惑わす”と記録されています。


これらのことがわかれば、纒向などをはじめ、各地の遺跡から発見された“桃の種”は、卑弥呼とは関係ないことがはっきりとわかります。

つまり、「桃の種=卑弥呼説」は、明白な間違いです。




中村県知事ってどんな人?
2018.06.22
“話題”になっていることは知っていました。

“加計学園”に関する問題で、中村時広愛媛県知事がなにか“発言”しているようです。

加計学園の「獣医学部新設問題」は、日本獣医師会が既得権益を守ろうと政治的に働きかけ、それに歩調を合わせた文科省が「獣医学部の新設申請」さえも“違法”に規制していたことに端を発します。

ですが狂牛病や鳥インフルエンザなどへの対策で獣医師が必要になり、「獣医学部」を東日本偏重ではなく西日本にも新設したいということで、安倍政権が誕生する以前から熱心に要請を続けていた「加計学園」に、このたび新設許可が降りたということで、そこから政治的思惑や恨みが絡んで加計学園問題が反日マスコミによって喧伝されてきました。

天下り問題で退任し、現役時代には出会い系バー通いをしていた前川前文科省次官は、国会で次のように語りました。

「行政が歪められた」と。

自分たちが定めた”違法”な「獣医学部の新設規制」が特区などによって破られたために、そのように証言したもので、これに対し文科省の先輩である加古前愛媛県知事は、そうではなく(獣医師会や文科省によって)「歪められた行政が正された」と国会で証言しました。

ところが都合が悪くなった反日マスコミは、前川氏の証言を大々的にとりあげたものの、加古氏の証言はほぼ無視した異様さゆえに、NHKの解説者さえ加古氏の証言を知らなかったというおそまつな展開を生んでしまいました。

そういったことから、“加計学園”に関する問題は、あらかた終わっており、中村愛媛県知事が何か言っているようですが、すぐに収まることだと思っていました。

ところが、文字の表記が統一されておらず、とても公式文書とは思えない“文書”がどうのこうのと蒸し返され、これもいつもの針小棒大なカラ騒ぎで、問題ではないと無視していましたが、なかなか終わる気配をみせません。

そういったことから、本日、中村時広ってどんな人物? と思い、「ホロスコープ」(出生天球図)を出してみました。



※出生時間が不明なためイコールハウスの「ソーラーチャート」です。
※月は、射手宮13度~28度になります。


リーディングするまでもなく、一目瞭然でした。

もともと対外的に“理想主義”や我知らず“妄想壁”を生まれもつタイプなのですが、昨今は「星のディレクション」(運勢)によって、それが増幅されている時期にあるためです。

たとえば、「息をするようにウソをつく」籠池前森友学園理事長や、教育行政にたずさわる文科省の次官にあるまじき“出会い系バー通い”を「貧困層の調査」と言いくるめる前川前文科相次官と同様に、分かりやすくいえば“自己保身”や“自分が正義”だと信じ込んでいる人物でした。

ちなみに、ほんとうに「貧困層の調査」であれば、何も次官自らが何度も出向く必要はなく、女子高生にかぎらず男性全般にも調査すべきなので、低レベルなウソ丸出しです。

中村愛媛県知事も類似のパターンで、自分の“思想”や“信条”が正しいと思い込んで言動するホロスコープ(出生天球図)なので、ご本人はあまり気づいていないのですが、事実を捻じ曲げた発言をしても“間違っていない”、むしろ“社会正義”だと感じていて、自らご自分の“ウソ”にだまされるタイプになっています。

俗称「慰安婦」問題を実際にあったと信じ込んでねつ造報道をした「朝日新聞」と同じスタンスで、自分は正しく“世の中”や“政治権力”が間違っているとする「反日左翼系」(日本では誤まって”リベラル系”)の人たちと同じ思考パターンに陥りやすい側面のあるホロスコープ(出生天球図)になっています。

なるほど、類は友をよぶというように、「朝日」や「反日マスコミ」が彼の発言を執拗にとりあげるはずです。

もともと上方矩(90度)に海王星をもつ彼は、偏った星の配置からも、昨今は、気をつけないとトランシットの海王星と木星の三分(120度)をはじめ、パーソナル・プラネットを交えた大三角(グランド・トライン=120度×3)によって、“妄想”が増長される時期にあるわけです。





「本能寺」黒幕説の誤謬
2018.06.16
歴史の結末を知った立場から見ると、「本能寺の変」は“ヘン”だそうです。

以前、宝瓶宮占星学サイトで「本能寺の変」を「新ホラリー占星学」からリーディングしました。
結論は、明智光秀の「単独犯」です。

事件が起きた天正10年6月2日は、当時のユリウス暦では1582年6月21日、現在のグレゴリウス暦になおすと7月1日になります。まもなく436年目です。

「黒幕説」の多くは、“実行犯”を明智光秀ととらえたものです。

その場合、“黒幕”が真犯人ということですが、当時、天下を掌中にしつつある織田家ナンバー2の光秀に指示できる立場は、朝廷しかありません。

だいたい世間で“黒幕説”とはいうものの、四国の長宗我部説にしても単に“原因説”にすぎず、“黒幕”と呼べるほどではありません。

“黒幕”というからには、光秀に命令できる立場でなくてはならず、室町幕府の将軍だった足利義昭は、すでに信長から追放されて実権はありませんので、唯一、正親町(おおぎまち)天皇の“朝廷”しか黒幕の可能性はありません。

ですが、光秀は事件後、細川氏に「いずれ天下は忠興に譲る」と書いていますので、もし朝廷や足利義昭が黒幕なら、そんな勝手なことはできません。

むしろ、「信長父子の悪逆は天下の妨げゆえ、討ち果たし候」と光秀自身が書いているように、天下国家の主体的な立場(意思)から信長を“誅”したものです。

イエズス会黒幕説にしても、娘の細川ガラシャはキリシタンなのでともかく、光秀本人はキリスト教には批判的だったため、その可能性はありません。

そもそも“黒幕説”の勘違いは、光秀を“無能”かのように思い込んでいるための間違いです。

歴史的に“敗者”となってしまった光秀は、勝者の秀吉によって貶められ、歴史は都合よく書き換えられるのが常で、“謀反人”にされましたし、江戸時代には家康の“忠孝”を重んじる儒教政策によって、主人を裏切った“極悪人”にされてしまいました。

現代人は、そういった観点から光秀をみているわけです。

そうではなく、戦国時代は下克上は悪ではありません。勝つことが“正義”です。
「本能寺の変」直前まで、光秀は天下布武をすすめる織田家臣団のトップであり、信長の片腕ナンバー2の地位にある最実力者でした。

それが秀吉に敗れてのち、「三日天下」だの「主殺しの謀反人」だの、まるで「無能」かのように貶められたわけで、光秀は“オーナー社長”の信長につぐ、唯一の“副社長”だったのです。

むしろ、秀吉は“専務”の一人にすぎず、格下ゆえに、必死で光秀に立ち向かったことが、結果的に功を奏しました。

高松攻めからの大返しの途中、居城の姫路城で金銭のすべてを兵卒に分け与えたことから、その必死さが分かります。
勝つ余裕があるなら、そんなことはしません。
負けるかも知れないので“大バクチ”に出たわけで、ここに光秀を上回った秀吉の器量が読みとれます。

ということで、「本能寺の変」は、最も天下取りに貢献し、“副社長”の地位にあり、プライドも高かった光秀が、天下取りのメドがたった信長から、次第にうとましく思われはじめ、光秀の“権勢”をそぐために、格下の秀吉につくよう命じたばかりか、信長“本部”畿内の所領「丹波」から、まだ敵方にある「出雲・石見」への国替えを指示されるなど、地方の“所長”へ、大幅降格と左遷を言い渡されたことが遠因です。

信長の行動原理を知る光秀は、次はこのまま一族もろとも抹殺されると考えて、わずかな供回りで本能寺に宿泊していた“好機”を逃さず、兵には「家康を討つ」との名目で京(本能寺)に進路を変更したわけです。

昨今、光秀の子孫のかたが、信長は家康を殺害するために光秀を京に呼んで、逆に本能寺で謀反に遭ったと解釈していますが、絶対にありえません。

強敵、東の武田は、「本能寺の変」の50日ほど前に滅ぼしましたが、まだ無敵の小田原城を抱える北条氏がいる以上、東のおさえとして家康は必要です。

そんな家康を信長が謀って殺せば、勇猛果敢で知られる徳川家臣団は北条氏と組むかどうかはともかくとして、全滅覚悟で隣国の信長領「尾張」に攻め込んできます。
今、敵を増やすのは得策ではないし、対徳川の布陣を敷いたうえでないと、家康殺害はありえません。

手薄な本能寺に信長がいるときにそんな暴挙に出ることはなく、もし本当にそうなら、安土城での饗応の際に殺せば済むことなので、一見、理がとおっているようにみえても、彼の解釈には無理があります。




橋下徹のメルマガが「正論」
2018.06.13
「米朝首脳会談」に対して、あれこれ論評があがっています。

いくつかみてみましたが、正鵠をえているものが少ない気がします。

元外務官僚で現立命館大学客員教授の宮家氏は、「北非核化の進展は望めなくなった」とし、「(トランプ氏の)外交交渉としては驚くほど稚拙」と述べています。

ホントに?

元官僚らしい“木をみて森を見ず”発言です。

これまでさんざん“ブラフ”をかけ続けてきた北朝鮮の金正恩が、いわばトランプ(日米経済制裁など)の巧みな“交渉”に負けて、今回、はじめて同じテーブルについただけなので、ハナから“結果”を期待するほうがアホです。

つまり、トランプは、“敵対”してきた両首脳が顔を合わせ、ほんとうに“平和解決”の可能性があるのか、腹のうちを探り合ったというのが今回の会談で、「首脳会談」ということ自体は、基本的に世界にアプピールするためのショーにすぎません。

交渉はこれからが本番です。
実際、アメリカ国内で1週間以内に両国の事務方による「米朝交渉」がはじまります。
ここでの北朝鮮の出方次第では、トランプの態度が一変する可能性もあります。

トランプのホロスコープ(出生天球図)をみれば分かるのですが、今回は金正恩がオモテ向きトランプに屈してきたので“寛大”に接しましたが、もし北朝鮮が“ウソ”を繰り返し今回も“騙す”などの裏切りをみせれば、あとはどうなるかわかりません。

事実、今回の合意文書では、北朝鮮が要求していた「朝鮮戦争の終結宣言」は盛り込まれていません。
「米韓合同演習」の休止は宣言したのですが、いつでも北朝鮮を攻撃できる余地は残しています。

また、米ABCテレビがウェブサイトで公開したトランプの発言は、「1年後にインタビューされたら、“私はあのとき間違い犯した”と言っているかもしれない。それは可能性としてはある。多くのことは変わりうるし、多くのことが起こりうる」と述べていることからも、それがわかります。

ということで、どうにもこうにもまともな論評が見当たらないなか、前大阪市長の橋下徹氏が「正論」を述べています。

プレジデント社の公式メールマガジン“橋下徹の「問題解決の授業」”で12日に配信されたもののようですが、タイトルにいわく「米朝首脳会談を評論する愚」です。

要点は、トランプは政治家(トップ)として、北朝鮮を相手に官僚がやれないことをやったという観点から、「トランプのおっちゃんが世界を引っ掻き回している…」という出だしで、次のように述べています。

「北朝鮮問題なんて、これは官僚組織の一担当者が扱えるレベルでないことは誰にも分かる。
なんと言っても、まだ朝鮮戦争は継続中なんだよね。今休戦しているだけ。そして北朝鮮という超独裁国家において核兵器が着々と準備されているんだから。
こんな問題を解決するのに、官僚組織の一部局、ましてや一官僚が対応できるわけがない。」

と、トランプの局面を動かす力を評価し、編集者がつけたものかもしれませんが、見出しをあげれば次のように述べています。

■トランプのおっちゃんは知っている! 局面を動かす時こそ政治家・トップの出番だ
■準備不足を批判するより、世界を動かす大号令を評価すべき
■日本は評論家になるな、他者の力を頼り過ぎるな、当事者意識を持って最悪の事態へ備えよ

はい、これこそ、“木”しか見ずにしたり顔で「米朝首脳会談」を評価する元官僚よりも、かつて「大阪都構想」をぶちあげるなど、ちゃんと“森”が見えている“元政治家”氏のまともな論評だといえます。




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