量子論を超える「基本三数」
2023.10.03
[波動エネルギー] ― 熊さん八つあんの宇宙問答 ―


★ 物理科学だけで量子論は語れない ★



熊さん「よく分かんねんだよなぁ~」

八つあん「どうした? 熊、むずかしい顔して」

「いやね、量子論とか量子力学とかいう話なんだけどさぁ」

「むずかしいこと知ってんな。ところで、おめぇいつの時代の人間だ?」

熊さん八つあんの落語ではありません。

ってな感じの会話形式で進めてまいります。




《 時空を超える“量子” 》

「そこなんだけどね。“光より早い”ものがあるって言うじゃねぇか。“量子もつれ”とか何とかいうらしいけどよぉ」

「そうだよな。光より早ければタイムマシーンのように“過去”に戻れるって話もあるしな。時間が関係なくなるかもな…って、おいっ! そんなこと、物質の世界であるわきゃねえ」

「ノリ突っ込みかい。八つあん。カワイイねぇ」

「ハハハ、よせよ」

「へ? まんざらでもない?」

「物質としての量子は光の速さを超えられない。これは物理科学の常識だよ。つまり量子論の限界だな」

「そうなのか? よく分かんねぇな」

「昔ながらのニュートン力学(古典力学)や最先端の物理科学でとらえても、量子論(量子力学)の真相がみえてくることはないんだよ」

「余計、分かんねえよ。説明してくれよ」

「小むずかしいことはともかく、量子論は“物理科学”だからだよ」

「へ……?」



【One Point】 「量子もつれ」というのは、一対の量子の間で働く関係性のことです。

一方のスピンの方向が決定すると、“どんなに遠く離れていても、光速を超えて”もう一方の量子のスピンの方向が決定することが実験で確認されています。



《 物理では解明できない量子論 》

「量子論ってのは物理科学なのかい?」

「そうだよ。ほかに何がある?」

「いや、いい。それで?」

「量子は物理科学を超えた性質や様態を持つってことだな」

「量子が?」

「ンだ。物理科学を超えた性質や様態を持つ量子を、物理科学のみで解明しようとしても無理だって話だ」

「“量子もつれ”ってそういうものなのか?」

「そうだよ。“物理科学”を超えた性質や様態を持つ量子は、決して物理科学だけでは解明できないってこった。簡単な道理だろ?」

「そういうもんかねぇ…」



【One Point】 「基本三数」からみればそういうものです。

物理科学は物理によって物事の道理を解明しようとするもので、ホロスコープはもちろん量子は「物理世界」と“波動世界”との際(きわ)に存在するので物理法則だけでは決して解明できません



《 知られざる量子の“謎”の働き 》

「どういうことだ?」

「そういうことだよ!」

「分からん。説明してくれよぉ」

「肝心なのはな、量子もつれというのは量子間に光の速さを超えた“作用/関係性”が働くってことだけどよ、それはな、誰もいっていないんだけどよ、“粒”(粒状性:物質)としてではなく、“波”(波動性)の性質を併せ持つ量子の特別な働きだってことだ」

「ホエ?」

「分かるか、熊」

「どういうことだ?」


【One Point】 「光は“粒”であり“波”である」とされます。

量子も“粒状性”と“波動性”を併せもつことが“世界で最も美しい実験”といわれる「二重スリット実験」で確認されています。




《 物理波動ではない共鳴エネルギー 》

「“粒”? “波”?」

「そうだよ。物理科学で“波”っていうと、“光”や“電波”のような物理的な電磁波や宇宙線を思い浮かべるだろ? 物理科学だからな」

「違うのか?」

「それだと光の速さを超えられない。だけどよ、もし“物理波動”だけではなく時空を超えた“共鳴作用”(宇宙波動エネルギー)を併せもつとしたらどうだ?」

「そんなものがあるのか?」

「あるさ。光や電波のような物理波動ではないから、時間や空間の制約を受けずに共鳴的に作用できる」

「共鳴は知っているけど、“宇宙波動エネルギー”もどっかで聞いたことあるなぁ」

「ない、ない。物理科学では証明できない」

「そんなもんかい?」


【One Point】 「宇宙波動エネルギー」というのは、宇宙の根幹法則「基本三数」に伴なう未知の“宇宙波動”です。物理波動ではないので時間や空間の制約を受けることがありません。

瞬時に作用して共鳴関係をもたらします。




《 思念波(精神波)の世界 》

「う~ん」


八「現実はそんなもんさ。物理的な光の速さを超えた“思念波”(精神波)のような世界が量子の奈辺にあるって考えてみな」

「ホエ、ホエ?」

「なんだ、その“ホエ”っていうのは?」

「なんだろな? “ホントか、エッ” の略かな?“ハイ”がなまったものかな?」

「ホエ?」

おあとがよろしいようで…。

ウソかマコトか、あとはお好きにどうぞ。

【One Point】 上述の会話には、宝瓶宮時代の新しいアストロロジー「宝瓶星学」(ほうへい ほしがく)通称:宝瓶宮占星学のホロスコープ解釈の真髄にかかわる宇宙理論のヒントがあります。

“象意”も同様です。











今、アスペクトが面白い!
2023.10.02
[YOD祭り]― 知る人のみぞ知る運勢変化 ―


「日本保守党」のプチ躍進は今のアスペクトと「天運」



本日、2023年10月1日現在、日本保守党の党員募集開始から、わずか24時間足らずで3万人を超えました。

“時事とニュースと話題”の新情報サイト「Total News World」は、お知らせと題して人生初、「日本保守党に入党いたしました」と告知。

それ以外は日本保守党とはまったく関係がありません…じゃなくて昨今のアスペクトが“面白い”というお話です。

土星外惑星(トランス・サタニアン)の小三角に対して、パーソナル・プラネットの一群が対宮をトランシット(運行、通過)することによって、次々にYOD(ヨッド=150/150/60度)が形成されている昨今です。

ひとくさ雑談ついでに申し述べます。



《 解釈しやすいアスペクトYOD(ヨッド) 》



YOD(ヨッド=150/150/60度)ほど簡単な象意を解釈できるアスペクト・パターンはありません。

“神の手にとらわれたように運命的なアスペクト?”そういえなくもありませんが、解釈になっていません。

六分(セクスタイル=60度)の位置関係にある2つの星たちが、対宮側にある星に対して、同時に「転」(クインカンクス、インコンジャクション=150度)のアスペクトをとるのがYOD=150/150/60度です。



転=150度の許容度数(オーブ)は3度(2度のケースも)と狭いので、底辺の六分=60度の度数差次第ですが、動きの早いときの星は数日しか続きません。

ということで、パーソナル・プラネットが絡んだ時のYOD=150/150/60度は運勢変化を実感する暇もなく終わってしまいます。


【One Point】 当サイトでは、アスペクトを日本語で表記しています。

クインカンクス(インコンジャクション、インコンジャンクトとも)の日本語表記は見つけられませんでしたので、象意の特徴から「転」=150度と命名させていただきました。




《 最近のトップの受難ディレクション 》

本日2023年10月1日現在、山羊宮27度の「冥王星」と魚宮25度の「海王星」そして牡牛宮22度の「天王星」が、小三角(ミニトライン=60/60/120度)を形成中です。

これら土星外惑星(トランス・サタニアン)たちは、最も動きが遅い星たちなので、許容度数(オーブ)6度で小数点以下を切り捨てて丸めた度数だと、8月~10月中まで3か月間も小三角=60/60/120度が形成され続けます。

そこに先月9月のように「太陽」が乙女宮の25度前後をトランシットして「海王星」と衝(オポジション=180度)をとると、トップクラスの運勢変化が起きる大三角凧(トライン・カイト=120/120/60/60度)が形成されます。

たとえば「ジャニーズ事務所」の記者会見、また中国の「習主席」をはじめアメリカの「バイデン大統領」や「トランプ元大統領」など、トップクラスの課題がもたらされます。

大三角=120度×3を“大吉座相”と解釈すると、まったく正反対のディレクション(運勢変化)が招来されることから、現代占星術では気づかず、スルーしてしまうアスペクト・パターンになります。


【One Point】 ちなみに「ジャニーズ事務所」の東山新社長(暫定)は「天秤宮生まれ」(太陽)ですが蠍宮の象意を持つと思われます。

バイデン氏は「蠍宮生まれ」(太陽)で、習近平氏とトランプ氏は「双子宮生まれ」(太陽)です。

いずれも上記アスペクト・パターンにかかわります。




《 個人差が生じるパーソナル・プラネット 》

このほか、「冥王星」と「海王星」を底辺とするYOD=150/150/60度、また「海王星」と「天王星」を底辺とするYOD=150/150/60度が形成されやすくなっています。

本日10月1日からは、獅子宮23度の「金星」と天秤宮22度の「火星」を底辺として魚宮25度の「海王星」を頂点とするYOD=150/150/60度が形成されはじめました。

金星や火星などの「パーソナル・プラネット」は、社会全体というよりも、生まれ持つホロスコープ(出生天球図)によって個人的に強さが異なるため個人差が生じます。

人によっては、ふだんよりも異性に目が向いて、意識やご関心を持ちやすくなったり、恋愛幻想を抱きやすきなったりします。

異性関係にかぎらず、“理想”を求めることが促されますので、タイミングよく党員募集をはじめた「日本保守党」に、ご自分でも気づかないままふだんよりも入党しやすくなります。


【One Point】 当たり前のように思われて入党された方は多いでしょう。

ですが宇宙波動エネルギーによる「星のディレクション」は、時空を超越してご自身の深層の精神意識に働き、無意識のうちに共鳴関係を築くことになります。



《 岸田政権に「天運」は伴なうのか 》

このようなタイミングで「党員募集」をはじめた百田新党(仮)改め「日本保守党」は、星のディレクションなど知るよしもありませんので、時代の流れとともにある「天運」が伴なっていることを意味します。

そういえば、安倍政権のとき、国政選挙は“全戦全勝”でしたが、不思議と政権与党に票が集まりやすい「星のディレクション」(運勢変化)日を選んで投票日を決定していました。

それも安倍氏に働いた「天運」ゆえなのですが、安倍氏が凶弾に倒れたのち、岸田政権独自に決定する次の投票日は、どのような「星のディレクション」のホロスコープになるのでしょうか。

それによって、昨今の“とんでも政策”が、反面教師として何かを気づかせるために双魚宮時代の終末の今の時代になされているのか、それとも宝瓶宮時代の黎明に反する「天運」に見放されたものなのかがみえてきます。

宇宙に“ゆらぎ”があるように、人類歴史という時代推移も真っ直ぐに進むことはなく、人知を超えた紆余曲折を伴ないつつ、人類に学びを与えながら進んでいくのが通常です。


【One Point】 14年ほど前の2009年にはじまった「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションも同様です。

昨年2022年以降は“同リバイバル”のディレクションの終焉とともに双魚宮時代そのものの「終末期現象」に見舞われている昨今の人類社会です。



《 「冥王星」を皮切りに順行転換 》

双魚宮時代というのは、今日の「魚宮」のことではなく、約2,000年前の「春分点」を「白羊宮」0度として、約72年に1度ずつ逆回りに移動していく「春分点」が「双魚宮」に位置する期間(プラトン月=グレート・マンス)の人類歴史をいいます。

今日、「春分点」は1989年から「宝瓶宮」に移りました。

宝瓶宮時代の“宇宙波動”のはじまりですが、ホロスコープを1周した「海王星」は、直後に自らの共鳴サイン(宮)「魚宮」へと進んでいったことで、「双魚宮時代のリバイバル」のディレクションがもたらされることになりました。

現在、そのトランシット(運行)の「海王星」を頂点に「冥王星」と「天王星」を交えた小三角=60/60/120度が形成され、対宮をパーソナル・プラネットが通過していくことで、入れ代わり立ち代わり大三角凧=120/120/60/60度やYOD=150/150/60度が頻繁に形成されていく昨今になっています。

パーソナル・プラネットを交えたディレクションのため、運勢変化の内容や強さは個々人によってかなり異なりますが、否応なくご自分でも気づかないうちに双魚宮時代から宝瓶宮時代への意識転換がうながされていく昨今になっています。


【One Point】 8月~10月はどんどん認識が変わっていきます。

また今週は逆行中のすべてのソーシャル・プラネットのうち、まず「冥王星」が順行に戻り、これを皮切りに、今後の約4か月間で次々と順行に戻って、時代を進めていくことが起こりやすくなります。











六分(セクスタイル=60度)
2023.10.02
[第6回] ― 「アスペクト完璧講座」10月テーマ ―


★ 現代占星術で語られない補足的な「60度」 ★



一般の西洋占星術では“メジャー・アスペクト”に分類される六分(セクスタイル=60度)です。

ただし、ほかのメジャー・アスペクトの許容度数(オーブ)が8度をとることがあるのに対して、六分=60度は6度が多く、一段弱いものに定められています。

六分=60度が持つ特別な象意が関係しているためですが、当サイトでは特殊な五分(クインタイル=72度)を除いて、残り5つの単独アスペクトはすべて許容度数(オーブ)6度です。

六分=60度のアスペクトの象意の特徴は、五分(クインタイル=72度)と同様に何ゆえにどのような特徴ゆえ一段弱いものと“勘違い”されているのかを、第6回講座においてもお伝えしてまいります。

相対的な位置関係によって象意が定められている「アスペクト」は、ホロスコープ・リーディングに欠かせない最重要の構成要素です。



《 単独アスペクトとして個別に 》

先回9月の講座では「五分(クインタイル=72度)」がなぜ現代占星術では“マイナー・アスペクト”に区分されるのか、その特殊な象意をお伝えいたしました。

宝瓶宮時代の新しいアストロロジー「宝瓶星学」通称:宝瓶宮占星学では、“メジャー・アスペクト”や“マイナー・アスペクト”といった旧来からの区分は用いません。

6つの「単独アスペクト」と、6つの「アスペクト・パターン」の12個をメインにリーディングを行ないます。

12サイン(宮)や12ハウス(室)のように、「宇宙森羅の最小象徴数=12数」にのっとってアスペクトも、充分にリーディングが可能だからです。

そのなかで、「基本三数」に共鳴する4つの「基本アスペクト」はベースになっています。

さはさりながら五分(クインタイル=72度)も六分(セクスタイル=60度)も単独アスペクトとして、重要な個別の象意を持つことに変わりはありません。


【One Point】 「基本アスペクト」と呼んでいるのは「合(コンジャクション=0度)」「衝(オポジション=180度)」「三分(トライン=120度)」「矩(スクエア=90度)」の4つです。

宇宙この世界の根幹法則「基本三数」3(4)数に共鳴する象意を持つためです。




《 “宇宙は調和に満ちている” 》

“メジャー・アスペクト”と呼ばれているのは、古代ギリシャに発祥した古典アストロロジーの時代から用いられているためです。

合(コンジャクション=0度)
衝(オポジション=180度)
三分(トライン=120度)
矩(スクエア=90度)
六分(セクスタイル=60度)

の5つです。



著名な天文学者で占星師ともなったケプラー(1571-1630)は、実際にホロスコープ・リーディングを行ない多くの“マイナー・アスペクト”を発見し定めています。

それは彼が「宇宙は調和に満ちている」ということをかたく信じていた、言葉を変えれば知っていたためです。


【One Point】 彼がホロスコープ解釈の「理論」としたのは、近代科学の発展によって“疑似科学”とされ、今はない古代ギリシャの世界観「熱冷乾湿/火土風水」の“四大元素説”に基づくものでした。




《 現代(現実)に通用する 》

「アスペクト完璧講座」をご受講されておられる方であれば、ご存じのとおりでしょう。

古代ギリシャの世界観「熱冷乾湿/火土風水」によるアスペクト解釈と、宝瓶宮時代の新しい宇宙観「数理法則とクオリアル・ワールド」の根幹「基本三数」によるアスペクト解釈とでは、どちらが“リアル”か。

実際にリーディングをされてみれば「なるほど、そういうことなのね」と実感できると存じます。

ホロスコープ・リーディングが格段に“先鋭化”できるのです。

先回9月にお届けいたしました五分(クインタイル=72度)が、現代占星術で“マイナー・アスペクト”に区分されているのも、その正しい象意や適応の仕方が分からないためです。

ご自覚しにくい側面が玉に瑕(きず)ですが、4つの基本アスペクトとは異なり、特殊な象意を持っています。

今回10月にお届けいたします六分(セクスタイル=60度)も類似です。

象意の内容(アスペクトの個性)は異なりますが、重要な唯一の象意を発揮してアスペクト・パターンで効力を発揮します。


【One Point】 象意の内容はアスペクトそれぞれに“個性的”です。

「ホロスコープ」がホロスコープとして成り立つ“相対的な位置関係”に伴ない、千姿万態のアスペクトの象意がもたらされています。




《 そのまま“位置関係”に象意 》

西洋占星術の“吉凶”をメインとした“アスペクト解釈”ではなく、「基本三数」また「数理法則」の原意や本意(基本の象意、ほんとうの象意)に基づいた“リアル”なアスペクト解釈です。

宇宙的に“相対的な位置関係”に伴なう基本の象意があるためです。

「上方いろはかるた」に「餅は餅屋」という文句があります。

同じように「ホロスコープ」です。

宇宙と地上との位置関係をそのまま写しとることで成り立っていますので、位置関係に象意が秘められています。

位置関係を指す「アスペクト」の英語をみても、Aspectは“局面”を意味します。

性質や運勢また出来事といった千姿万態の“局面”は、宇宙の根幹法則「基本三数」と「数理法則」に基づいて千変万化のアスペクトによってもたらされます。


【One Point】 宇宙太陽系の動きや配置などの位置関係を、正しく写し取った「ホロスコープ」の象意は素直に“宇宙”に聞けば教えてくれます。

宇宙この世界の根幹法則「基本三数」はその解釈のベースです。



《 先回講座の「CONTENTS」 》

ご参考に、先回「五分(クインタイル=72度)」のコンテンツを掲載しておきます。

【CONTENTS】
1◇ はじめに
2◇ 数理法則「5数」:五分(クインタイル=72度)
3◇ 五分=72度の象意解釈
  【五分=72度が“マイナー・アスペクト”とされる理由】
  【特別な構成要素との関係による象意の発露】
4◇ 五分=72度の「相性」リーディング
5◇ 五分=72度の「星のディレクション」
6◇ ご自身のホロスコープにおける五分=72度

応用展開の広い「基本アスペクト」ではありませんので、少しシンプルになった「」です。

ですが、五分=72度にしかない象意の特徴や活用はしっかりとお伝えいたしましたので「なるほど、そうだったのね」とご納得していただけると存じます。


【One Point】 単独アスペクトの最後を締めくくるにふさわしいアスペクトが「六分(セクスタイル=60度)」です。

六分=60度はこの次からお伝えする数々のアスペクト・パターンの解釈に欠かせないものになっています。




※講座概要

毎月1つずつ「数理法則」の本意、当該アスペクトの象意、相性での解釈、星のディレクション(運勢変化)での解釈、ご自身のホロスコープ(出生天球図)における解釈例と網羅的かつ実践的に、読みやすくHTMLメールでお送りしています。

お好きなテーマの講座単独でも、今後の残り講座を割安でまとめてでも、今回特別に全回分を格安でもご受講が可能です。


●「アスペクト完璧講座」のテーマと配信スケジュール

第1回 合(コンジャクション=0度) …5月25~31日 配信済み
第2回 衝(オポジション=180度) …6月25~30日 配信済み
第3回 三分(トライン=120度) …7月25~31日 配信済み
第4回 矩(スクエア=90度) …8月25~31日 配信済み
第5回 五分(クインタイル=72度) …9月25~30日 配信済み
第6回 六分(セクスタイル=60度) …10月25~31日 ※次回配信
第7回 調停(メディエーション=60/120/180度) …11月25~30日
第8回 YOD(ヨッド=150/150/60度) …12月25~31日
第9回 大三角(グランドトライン=120度×3) …1月25~31日
第10回 大十字(グランドクロス=90度×4) …2月25~29日
第11回 神秘長方形(ミスティック・レクタングル=60/120/60/120) …3月25~30日
第12回 大六角(グランド・セクスタイル=60度×6) …4月25~31日



※ご参考「講座お申込みフォーム











どうなの? DJ SODA問題
2023.09.28
[セクハラタッチ] ― 日本ではありえない“行動” ―


ご判断は皆さまでご自由にされてください




興味はなかったのですが事実はどうなのか知りたいと思って、ホロスコープを出してみました。

“問題”となったシーンの現場の画像もあげておきます。

ご判断は、どちらのスタンスからみるかで、いろいろとあるので分かれますが、深層/真相はホラリー・ホロスコープから見えてきました。

“ミニ日韓問題”の一面が読み取れますので、軽い気持ちでのって“加害者”側にされないよう“民度”を保っておくことが必要なようです。



《 問題のあらまし 》

いろいろと噂のある「日本維新の会」の地元、大阪府の泉南市が入札によらず、毎年1億円もの随意契約をしている某会社が、泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)で行なった10周年目のイベントでのことです。

開催3日目の出演者で、フォロワー数500万ともいわれる人気の「DJ SODA」(牡羊宮:ファン・ソヒ)なる女性に対して会場でセクハラ・タッチが起きた問題です。

SNSで発信したらしく、騒ぎが起きると突如、主催者側が犯人不特定のまま8月21日に刑事告発をして騒ぎが大きくなりました。

心当たりのある若い男性二人が警察に出頭し釈放されているものの、法的措置と同時に損害賠償請求も示唆していたことから、世間の風潮もふまえた今後の成り行きにも注目でしょう。

例えは悪いのですが、某国側が騒ぐ俗称“従軍慰安婦問題”や“徴用工問題”に似た匂いがしてきたことから、ますます賛否両論、自分の見解を述べる人も増えたようです。


【One Point】 それぞれに一理があるので事実はどうなのか、みてみようと思いました。

ただ、どうも東京都のコラボ問題に似た公金注入構造も根底にあるようで、事情は複雑です。ご判断は皆様に委ねるとして、ご参考にホロスコープと一連の画像を掲載いたします。




《 出演時のホロスコープ 》

3日目8月13日のイベントは朝10時のはじまりで、DJ SODAさんの出演は夕方5時~6時の1時間になっていました。

実際に問題が起きた正確な時間は分かりませんが、プログラム上はそうで時間は絞られてきますので、夕方5時40分でホロスコープを出しました。




【One Point】 夕方5時40分からASC(Ascendant:アセンダント=上昇点)が「水瓶宮」に変わるためです。

「基本三数」による「ホラリー・リーディング」からみて、いったい事実はどうだったのか、重要なポイントとなる時間だからです。




《 “問題”のシーン画像 》

ホロスコープの解説とヒントは後述いたします。

次は、イベント会場でセクハラ・タッチ問題が起きたときの一連の流れの画像をご覧ください。

まずは、「DJブース」から。



※赤丸内がパフォーマンス中のDJ SODAさんです。





※「DJブース」から観衆との垣根を設けた平場の柵のところまで降りてきて、ファンとのハイタッチやスキンシップなどをはじめます。

なぜ、運営側がここに「はしご」を設けているのか不明ですが、一段登ってファンと密接したところで、問題のセクハラ・タッチが起きています。


【One Point】 柵内、ステージ側には複数のカメラマンや警備などスタッフがいます。

ですがDJ SODAさんを制止するスタッフは写っていません。

これがもし、昭和の80年代アイドルの時代だったら、観客席に引き込まれたり、ズタボロにされる案件で、ホロスコープからいえるのは、彼女にとって“ハイテンション”な時間帯になっていました。




《 解説とリーディングのヒント 》

上掲のホラリー・ホロスコープのリーディングのヒントとミニ解説です。

仕組まれた“セクハラ事件”か、それとも偶発的な“事故”(アクシデント)なのか。

「JAL123便墜落事故」に似た“位置関係”がみられることから、“未必の故意”や“突発的なアクシデント”による事件に近い事故だといえそうです。

なぜなら、「天王星」が“イベント(出来事)の深層/真相”にかかわっていて、牡羊宮生まれ(太陽)の“DJ SODA”を象徴する「火星」と三分(トライン=120度)をとっています。

なので、どちらが悪いかではありませんが、観客の行動はもちろん、トラブルの“起因”は間違いなく彼女にあることが象わされています。

また、「天王星」が位置する牡牛宮の共鳴星「金星」が、DES(Desendant:ディセンダント=下降点)「獅子宮」の共鳴星「太陽」と当該第7ハウス(室)において、ジャストの合(コンジャクション=0度)であることも、このイベント(出来事)のホロスコープの場合、類似の側面があることになります。

根因は、どちらか一方の問題(悪い)といった二者択一の安易な“○×”式ではなく、運営を含めた三者三様の問題です。

当該ホロスコープをみても、「太陽&金星」が「MC=南中点」と「IC=北中点&天王星」の軸となって、T矩(Tスクエア=90/90/180度)を形成していることからも、立場や考えの相違が両者の間にあったことが分かります。


【One Point】 両者側に悪意はみられません。

「MC=南中点」と「IC=北中点&天王星」に、「冥王星」と「海王星」が2か所から調停(メディエーション=60/120/180度)の座相を投げかけていることもその一つです。




《 どこかで見た“構図” 》

DJパフォーマンス中は、ほぼ「冥王星」がASC=上昇点に合=0度で、感情が昂ぶっていた“ハイテンション”状態になっています。

また「海王星」がDES=下降点に三分=120度ですし、「月」がMC=南中点に三分=120度です。

上述から、“感情的なヒートアップ”と“サービス精神”さらには“感覚的な非現実性”といったエキサイト状態にあったことが読みとれます。

SNSに悪気なくアップしたことが、リツイートなど波紋を呼ぶことになります。

そこに主催者側への批判もあり、彼らも責任を回避しなければならず、犯人不特定のまま刑事告発に至ったようです。

ついでに、慰謝料なのか示談金なのか損害賠償請求をすることで、自分たちこそが“被害者”側であることを強調したいという“被害者ビジネス”ならぬ、どこかで見た“構図”が推測できます。

ホロスコープを読める方は、掲載画像もご参考にされて、ご自分なりにご判断をされていただければと存じます。


【One Point】 なぜ“セクハラ・タッチ”が起きたのかは、上掲の画像から容易に理解できます。

アーティストを含めてもいいのですが、人気スターやアイドルのコンサートなどでは避けるべきありえない「場面」(シーン)が、善意を含め意図するしないにかかわらず生じています。











「基本三数」は心技体に類似
2023.09.23
[合気:愛魂] ― 専門家やプロの時代ではなく ―



日常に役立つホロスコープ・リーディングの新セオリー



お気づきの方も多いと存じます。

その道の専門家やプロではなく、近年は市井(しせい)の“シロウト”の中から業界や時代をリードする人々が出ています。

そのように、市井の一般人が個性や才能を発揮していく時代です。

そこに時代の流れとともにある「天運」が伴ない、「宝瓶宮時代」(ほうへいきゅう じだい)の“宇宙波動エネルギー”が共鳴します。

では「基本三数」はどのようにかかわっているのでしょうか。



《 ワールド・ワイド・ウエブの成功 》

これまでは“支配/被支配”など「対立二元論」の「双魚宮時代」(そうぎょきゅう じだい)でした。

一握りの指導層(支配層、トップクラス)に、一般大衆は操られるかのように委ねて生きてきた時代です。

新聞テレビなどの「トップダウン式」のオールドメディアは、エリート主義による情報操作を行ない、国民は知らずに受け入れるしかなく、事実を知るよすがはありませんでした。

しかし、人知れず“宇宙波動”が変化した1989年の“宝瓶宮時代のビックバン”から徐々に変わってきたのです。

なぜなら、現実的にみてもこの年、今日の俗称“インターネット”と呼ばれる「ワールド・ワイド・ウェブ」(www)の実験に成功したからです。

イギリスの計算機科学者:ティム・バーナーズ=リー(双子宮)は、ベルギー生まれのロバート・カイリュー(水瓶宮)とともに、URLやHTTPまたHTMLを最初に設計し、その技術を一般解放しました。

そのため、またたくまにワールド・ワイド・ウェブこと俗称“インターネット”が世界に広まったのです。


【One Point】 誰もがSNSなどを通じて情報発信ができるようになりました。

オールドメディアによる“エリート主義”の時代から、一般国民による多様なスタンスの“ポピュリズム”(大衆主義)の時代に歴史の流れは変わっていったのです。




《 百田新党(仮)の“快進撃” 》

お話は変わりますが、話題の「百田新党(仮)」も同様です。



10月17日に旗揚げが予定されている百田新党(仮)こと「日本保守党」を立ち上げる百田氏も有本女史も政党政治は“シロウト”です。

安倍氏亡き後、国民忘却と左傾リベラル化を強める与党政治を憂い、“時事解説”や“政治評論”は行なってきたものの、国民の審判を受け現実の結果が求められる政党政治ははじめてです。

そんな彼らが、無謀にも政党を立ち上げるのは、一昔前なら「政治は遊びじゃない!」とか何とか非難囂囂(ひなんごうごう)だったと思われます。

しかし、一部のエリートの主導による双魚宮時代が終わろうとしている今日です。

もはや、旧来のトップの立場や一部の指導者が“正しい”とはかぎらず、ありていに言えば、逆に時代の流れとともにある「天運」から見放されていく運命です。


【One Point】 旧ツイッターこと「X」で百田新党(仮)改め「日本保守党(公式)」のフォロワー数はうなぎのぼりです。

自民党の25.2万を半月ほどで抜いて、9月18日現在27万を超えています。




《 “超能力者”になれる「基本三数」 》

お話はガラリと変わります。

「基本三数」は宇宙この世界の根幹法則です。

物質面に留まらず、人(ひと)の“精神性”や“身体面”また“知性作用面”など、根幹の三要素が含まれています。

地上の1点からみた宇宙太陽系空間(時間の流れ)を相対的な位置関係として写しとった「ホロスコープ」こと“宇宙数理模式図”の解読ツールともなっているのです。

知っている/知らない、納得している/納得していないにかからわず、「基本三数」によらない地上を含めた宇宙存在などありません。

結局のところ「ホロスコープ」(宇宙数理模式図)を「基本三数」でもって解釈しまたリーディングをすることで、人知を超え、宇宙に秘められた“見えない世界”の働きを察知できます。

基本三数リーディング講座」(「快気御礼! スーパー講座」)をご受講された方は、出来事の深層/真相が読めることをご存じのとおりでしょう。


【One Point】 まるで“超能力者”にでもなったかようです。

初学者クラスの基礎知識は必要ですが、事件や事故にかぎらず「ホロスコープ」のマスター・キー「基本三数」から誰にでもリーディングができます。




《 武道の極意「心技体」 》

「基本三数」という言葉を聞くと、何やら難しそうに思えるかもしれません。

さにあらず、実は驚くほど簡単です。

武道で「心技体」という言葉を聞いたことがあると存じます。

“身体”や“技”だけでなく“心”を含めた“心技体”がそろって一流の達人になれるということです。

宇宙の根幹法則「基本三数」と内容が類似していますので、武道版の展開になっています。

ご参考ながら「基本三数」の物理世界での展開は、大きく時間プロセスでは「過去/現在/未来」、空間展開では「タテ/ヨコ/奥行」、光や色では「三原色」(R/G/B、C/M/Y)等々です。

人(ひと)における「基本三数」の展開例が「心/技/体」で、たとえば、争わない武道「合気道」などを極めるのに欠かせないモットーで、宇宙この世界の根幹法則「基本三数」に通じます。


【One Point】 古来、小柄だった日本人は「柔よく剛を制す」を旨としました。

また、漫画「バキ」の渋川剛気のモデル、合気道のレジェンド塩田剛三(しおだ ごうぞう 1915-1994)氏は、まさに「心技体」を体現した達人でした。




《 間違いなかった「基本三数」 》

聞くところによると、合気道は“勝ち/負け”といった「対立二元論」を超えて、合気道の開祖(創始者)植芝盛平(うえしば もりへい 1883-1969)氏は、“和合”や“万有愛護”を理念とし、まるで「共鳴関係論」さながらです。

事実、同氏は「武は愛なり」また「愛魂」(あいき)と語っています。

公開はしていませんが、「基本三数」も類似で“愛/喜/望/感”の3(4)数になっています。

内容を公開していないのは、まだ理論的なご説明しかできないので、控えざるをえないためです。

宇宙この世界の根幹法則「基本三数」ゆえに、宇宙との位置関係を写しとった「ホロスコープ」を解釈するのに最適です。

「基本三数」また「数理法則」は、20年ほど前に解明して以来、本当に正しいのか解釈やホロスコープ・リーディングの適用を試み、確認してきました。

また宝瓶宮時代の新しい宇宙観「数理法則とクオリアル・ワールド」をアストロロジーの真髄やバックボーンとしているのも同様です。


【One Point】 期間限定ながら「快気御礼! スーパー講座」でお届けし、ご好評であることからも、今後の新しいリーディング・セオリーとして「基本三数リーディング講座」は有益です。




※ついでにご紹介いたします。アストロロジー(星学)全般については、「ホロスコープ・マスター奥義講座」でホロスコープ解釈とリーディングのノウハウをお届けしています。



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激変の7世紀/天智と天武
2023.09.19
[古代史解明6] ― 後編:統一大和の危機と新生 ―


日本の原点を築いた天武と持統そして不比等の尽力



前編「激動の7世紀/日本の原点」の続きです。

九州倭国王「阿毎多利思北孤」(あめのたりしひこ)大王が企図し、隋の冊封下から離脱して畿内国と合併して実現した統一独立国家「大和」でした。

しかし、その立役者:蘇我本宗家は「乙巳の変」(645年)によって滅び、政権奪取に成功した中大兄(なかのおおえ)ことのちの天智(てんじ)天皇と中臣鎌子こと藤原鎌足(かまたり)ですが、天智の世とその皇子(追諡:弘文天皇)の7世紀後半に建国後、最大の危機を迎えることになります。

「白村江の戦い」(663年:天智2年)の大敗北と、古代最大の内乱「壬申の乱」(672年:天武元年)です。

ですが、内乱に勝利した大海人皇子(おおあまのおうじ)こと天武(てんむ)天皇によって、今日の日本の「天運」の礎が築かれていきます。



《 兄弟ではない天智と天武 》

『日本書紀』は、天智天皇を「兄」とし、天武天皇を「弟」として描いています。

ありえません。

天智天皇(中大兄)は、万世一系の定着に最重要人物となる持統(じとう)天皇(在位:690~697年)こと鵜野讃良皇女(うのの さららの ひめみこ)をはじめ、3人の娘を天武天皇(大海人皇子)に嫁がせています。

持統天皇の和風諡号は「高天原廣野姫天皇」(たかまのはら ひろのひめの すめらみこと)です。

この意味は、『日本書紀』神代(下)に記される“葦原中国(あしはらの なかつくに)の君主”(祖)として天孫降臨させた瓊瓊杵尊(ににぎの みこと)の祖母:高天原の「天照大神」になぞらえらているのです。

事実、持統天皇は伊勢の神宮を今日のように立派にしたばかりか孫の文武(もんむ)天皇(和風諡号:倭根子豊祖父天皇=やまと ねこ とよおほぢの すめらみこと)に譲位することに命をかけ、藤原不比等(ふじわらの ふひと)の尽力もあって、天武の遺志に応えて「万世一系」の定着に成功しています。

さて、お話を戻します。

天智と天武が兄弟でない理由は、天武天皇こと大海人皇子が“正統”で、天智天皇こと中大兄は“傍流”だったゆえに、王統に食い込むために3人もの娘を大海人皇子に嫁がせたようです。


明日香村にある八角五段築成の天武/持統天皇の合葬陵(檜隅大内陵、野口王墓古墳)


【One Point】 仮に『日本書紀』が創作したように、天智と天武が兄弟だったとしても、父親が異なります。

中大兄は宝皇女(のちの斉明女帝)の連れ子になります。

早いお話が、天智と天武を兄弟としなければ「万世一系」の皇統が成り立たないための創作です。




《 『日本書紀』編纂の狙いは中央集権化 》

『日本書紀』には、どうしても譲れない“編集方針”がありました。

1)古来からの統一独立国家「大和」であること。

2)同じく神代(かみよ)からの「万世一系」の皇統であること。

やむをえないこの2つの創作以外、『日本書紀』の記述は案外と真面目で、律儀に史実を記そうと努力しています。

『日本書紀』編纂の最大の狙いは、天皇のもとに海外に対抗しうる中央集権による統一独立国家の構築です。

そのため、大和朝廷によるプロパガンダ(政治宣伝)の書だともいえます。

たとえば、つくられた“聖徳太子”によって「和をもって貴きとなす。逆らう事なきを旨とせよ」という十七条憲法が創作され、当時の緊迫した国際情勢下で近代的な律令国家への道をめざしたのです。


【One Point】 「白村江の戦い」で唐羅連合に大敗北をした中大兄の時代、国家の危機を迎えます。

ですがほどなくして、唐と新羅は仲間割れを起こして戦争をはじめています。

日本に侵攻する余裕はなくなり、逆に敵方に付かないように使者を送ってきます。




《 つくられた「聖徳太子」の実像 》

さて、太子信仰による強烈な反対意見があると承知しますが、『日本書紀』に記された「聖徳太子」は創作です。

情報が発達していない当時の人々を太子の超人伝説でダマせても常識的に考えればありえませんし、誇張だったとしても限度を超えています。

このような常識を超えた表現は、『日本書紀』の随所にみられます。

なぜかといえば、正しい歴史を記そうとして案外と律儀なところがある『日本書紀』は、それは事実ではなくやむをえない“創作”であることを伝えようとしているのです。

“聖徳太子”を創作せざるをえなかった理由は、統一大和を建国した蘇我馬子の偉大な業績を『日本書紀』に残すわけにはいかず、太子伝説をつくって逆に倒すべき“悪者”にしたかったからです。

逆に言えば、それほど蘇我馬子は傑出した人物でした。


【One Point】 「聖徳太子」という呼び名は今から80年ほど前、戦後につくられたものです。

古代の文献には出てきません。厩戸豊聰耳皇子(うまやどの とよとみみの みこ)にしても、一族もろとも集団自決したことにされ、完全に抹消されています。




《 真実が分かる『日本書紀』の記述 》

事実上、『日本書紀』の重要部分を仕切った藤原不比等の手前、彼の父が弑逆(しいぎゃく)し、滅ぼした蘇我本宗家なので、その偉大な功績は記せません。

また、神代からの由緒ある統一独立国家「大和」一国史とする必要があるため、九州倭国の実在を記すこともできないのです。

ですが、いつの世も正しく評価する人はいます。

編纂に携わったのは、当時、最高クラスの知識人たちです。

天武の皇子で編纂の総裁となった「舎人親王」(とねりしんのう)も、また『日本書紀』編纂メンバーの中にも、蘇我氏の真相を知る人はいたでしょう。

新田部皇女を実母とする舎人親王は、自らの身の安全を図って政治とは一線を画し、歌人として生き、異母:持統天皇の覚えがめでたい不比等のイエスマンとなって「舎人」(とねり:使用人)と揶揄(やゆ)されるほどでした。

彼は、事実と異なる出来事を『日本書紀』に記さざるをえないときは、真実の歴史を推測できるように、あえて尋常ならざる表現をして、読む人が疑問を抱くようにしています。

実際は、天才:不比等もそれを分かっていて許容したのかもしれませんし、逆に不比等自身がそう仕向けたのかもしれません。


【One Point】 ちなみに、“聖徳太子”(蘇我馬子)ゆかりの四天王寺で4月22日に毎年行われる「聖霊会」(しょうりょうえ)での舞楽に「蘇莫者」(そまくさ)があります。

もとは唐楽ですが、“莫(な)きものにされた蘇我氏”をかけているかのようです。




《 “権力”の天智と“祭祀”の天武 》

さて、お話を天智と天武に戻します。

支配欲また権力欲の強い中大兄(天智)は、次々と政敵(ライバル)となる皇子らを殺害しています。

大海人皇子(天武)は正反対で、「壬申の乱」で敵方に付いた臣下を許しています。

また、乱後の「吉野の盟約」では、后:鵜野讃良皇女と自らの子供たちだけでなく、天智天皇の皇子皇女ら(大友皇子の兄妹)を両腕に抱き、千年のちまでも二度と皇位争いの殺し合いをしないことを誓っています。

ほかにも、日本と国民の安寧と繁栄(五穀豊穣)を願い、天皇自ら日々の祭祀の役割を果たすなど、今日に通じる「和の象徴」として、日本人の民度のもととなる精神意識を体現しています。

古来、日本が“民族性”を「魚宮」とし“国体”を「水瓶宮」として「天運」に守られてきたのは、そのような天武天皇と、伊勢の神宮を今日のように立派にし、また孫:文武天皇への譲位による「万世一系」を体現した持統天皇の果たした役割は、欠くことができません。


【One Point】 宝瓶宮時代(ほうへいきゅうじだい)を迎え、世界的に発展していく「天運」を持つ日本の原点は激変の7世紀にあります。

統一大和を企図した、蘇我馬子(阿毎多利思比孤)をはじめ、天武天皇、持統天皇、藤原不比等らの功績が大きいのです。











激変の7世紀/日本の原点
2023.09.17
[古代史解明5]― 前編:統一大和の誕生 ―


日出ずる処の天子は九州倭国王だった蘇我馬子!



「日本」の謎を解くカギは7世紀にあります。

蘇我氏、中大兄(天智天皇)と天武天皇、持統天皇や文武天皇、藤原不比等と「基本三数」よろしく3(4)数の人物によって、激変の7世紀に日本の原点「統一大和」が建国されています。

天武(てんむ)天皇、后の持統(じとう)天皇、孫の文武(もんむ)天皇、そして藤原不比等(ふじわらの ふひと)によって、事実上の「万世一系」の皇統が定着していったからです。

卑弥呼の共立に続く「水瓶宮」で象徴される日本の“国体”のはじまりです。

日本の古代史を知るよすがとなる『古事記』(712年)も『日本書紀』(720年)も実質、7世紀の激変によって編纂されています。



《 支那の冊封下から離れる 》

「えーっ、うそーっ」という「天運」にかかわる史実を記します。

誤った「日本書紀史観」や既存の古代史とは異なります。

古代中国の史書と照合すれば分かることですが、かつては九州が「倭国」で、本州(畿内大和)は「日本」でした。


倭の女王卑弥呼が都とした「邪馬台国」にほぼ隣接する位置にあった「大宰府政庁」(元倭国の首都:模型)

古代の文化や文明は海を渡って西からもたらされたため、当時は九州倭国が先進国で大国でした。

ただ、残念なことがあります。

金印「漢委奴国王」や、「親魏倭王」の邪馬台国の卑弥呼で知られるように、九州倭国は大陸支那(China:チャイナ)の冊封下にあったのです。

ただし、これからお話する7世紀の「統一大和」の起源は、九州倭国“兄”が支那(当時は隋)の冊封下から離れて、東の小国畿内国“弟”に自ら吸収合併されるカタチではじまります。


【One Point】 このことを企図し実行に移した天才政治家が九州倭国王「阿毎多利思北孤」(あめのたりしひこ)大王です。

隋が高句麗との戦争で動けないことを見抜き、初代文帝に“弟に政務を譲る”と冊封下から離れる旨、仁義をきります。




《 隋の高祖「文帝」への仁義 》

文帝に仁義をきった第1回遣隋使は『日本書紀』に記されていません。

当然です。

九州倭国からの遣隋使ですし、邪馬台国をはじめ九州倭国が実在したことなど、神代(かみよ)からの統一大和で万世一系だったとする『日本書紀』に記すことなどできません。

それは、隋の文帝側も同様です。

1世紀の奴国(なこく:現在の博多界隈)の時代から冊封下にあった倭国が、自らの代で離脱するなど、メンツを重んじる支那ゆえ、そのような不名誉なことを正確に残すことはありません。

「倭王は天をもって兄となし、日をもって弟となす。天いまだ明けざる時、出でて政(まつりごと)を聞き、跏趺(かふ)して座す。日出ればすなわち理務を停め、我が弟に委ねんという」とワケの分からないことを倭王が言いだしたかのように『隋書』に残されています。


【One Point】 この一文に対する学者の曲解はともかく、実際は“弟:畿内国「日本」に兄:九州「倭国」を譲り、隋の冊封下から離れる”という意味です。

このときの文帝の言葉は(これまでお世話になっておきながら)「はなはだ義理なし」と『隋書』に記されています。




《 日出ずる処の天子の「独立宣言」 》

当時、隋は高句麗との戦争中で旗色はよくありません。

「倭国まで敵に回すわけにはいかない」と東アジアの国際情勢を読み切った九州倭国王「阿毎多利思北孤」大王の作戦勝ちです。

文帝に仁義をきった倭国王は、「九州倭国」を当時は小国の「畿内国」に自ら吸収合併させるカタチで隋の冊封下から離れ、統一独立国家「大和」(日本)を建国します。

当然、文化面でも軍事面でもダントツに優勢だった九州倭国の阿毎多利思北孤が、統一大和の政権をそのまま担ったのは想像にかたくありません。

直後に彼は、隋の2代目煬帝(ようだい)に第2回遣隋使を送ります。

それが、有名な「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致すつつがなきや」という煬帝を激怒させた、隋と対等な立場での事実上の独立宣言書です。


【One Point】 2世紀に卑弥呼を女王に共立して「倭国大乱」をおさめ平和がもたらされたように、『日本書紀』に初の女性天皇として記される「推古女帝」を統一大和に際して立てています。

賢い阿毎多利思比孤は、大臣(おおおみ:首相)として実権を握っています。




《 元九州倭国王の蘇我本宗家の滅亡 》

「乙巳の変」(いっしのへん:645年)は政権奪取のクーデターです。

「無謀? ホラリー乙巳の変」をご参照ください。

人望/実力/見識ともにあった統一大和の実質上の初代大王:蘇我馬子(そがの うまこ)はともかく、三代目の蘇我入鹿(そがの いるか)になると、実力はあっても横暴が目立ち、人望が損なわれます。

「中臣鎌子」(藤原鎌足:かまたり、不比等の父)とのちの天智(てんじ)天皇となる「中大兄」(なかのおおえ)は、蘇我入鹿を弑逆(しいぎゃく)し、蘇我本宗家を滅ぼし政権奪取に成功します。

そののち、孝徳天皇(在位:645~654年)をはじめ、彼らが行なったとされる“大化の改新”は、阿毎多利思北孤こと蘇我馬子の仏教立国による近代化政策を受け継いだものです。

東アジア情勢の緊迫を見抜いた蘇我馬子(阿毎多利思比孤)は、日本列島を早急にまとめた独立国家を築かないと、いつ大陸の属国になってもおかしくないことを見抜いていたのです。


【One Point】 蘇我本宗家が滅んでも、緊迫した東アジア情勢は変わりません。

統一独立国家「大和」の構築が急がれ、中央集権化が権力欲の強い中大兄(天智天皇)らのもとで進んでいくことになります。

本来の「天命開別天皇」(あめみこと ひらかすわけの すめらみこと)という和風諡号がそのことを示唆しています。




《 九州倭国の歴史を記した『古事記』 》

詳細は次回「激変の7世紀/天智と天武」で述べるとして、九州倭国の歴史書だった『古事記』に触れておきます。

一般に『古事記』は、国内向けで、『日本書紀』は漢文表記ゆえに国際向けと解説されています。

結果的にそういえますが、事実は天武天皇が稗田阿礼(ひえだの あれ)に誦習(しょうしゅう)を命じた『帝紀』や『旧事』などの撰録(せんろく)で、本来は統一大和成立までの「九州倭国」の歴史書でした。

現存の『古事記』は、統一大和の『日本書紀』に合わせて改編されていますが、それでも『古事記』が畿内国と合併した際のまま、「推古女帝」で終わっていることが証左の一つです。

もし、国内向けなら尚のこと『日本書紀』と同様に、持統天皇による孫:文武天皇(在位:697~707年)への譲位で終わっていなければ意味がありません。

もっとも、「統一大和」の合併前の前身は先進国:九州倭国ともいえますので、今はなき“古事記”(『帝紀』『旧事』)には、奴国をはじめ卑弥呼や九州倭国の歴史が描かれていたはずです。


【One Point】 中央集権による統一独立国家「大和」を早急に構築するには、神代からの「統一国家」であり「万世一系の天皇」のもとにある由緒を“ウソ”でも周知させなければなりませんでした。

畢竟(ひっきょう)、邪馬台国も卑弥呼も九州倭国も、『日本書紀』に記すことはできず、抹殺せざるをえなかった奈辺(なへん)の事情をご理解ください。











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