それでも「トランプ大統領」
2017.09.10
宝瓶宮占星学サイトにアップする予定ですでに書き終えて、時期を待っている「それでもトランプは“必要”」のスピンアウト版です。

だれでも知っていることですが、トランプは「アメリカ・ファースト」をスローガンに大統領に当選しました。

一般に「アメリカ・ファースト」は、“アメリカ第一主義”また“アメリカ一国主義”といわれ、トランプ大統領の当選に尽力し実現させながらも先ごろ解任されたバノン元首席戦略官のいわゆる“保護貿易主義”かのように解釈されています。

しかし、「アメリカ・ファースト」というとき、宝瓶宮占星学サイトでは常に“強いアメリカ”としてご紹介してまいりました。

それはともかく、まずは「アメリカ・ファースト」が、なぜ“アメリカ一国主義”や“保護貿易主義”に解釈されるのかご説明いたします。

世界はグローバル化が進み、どの国であっても相応に海外依存によって経済をはじめ依存的に存続しています。
中国も例外ではなく、もし日本からの部品やアメリカからの発注がなければ、具体例は省略しますが生産や輸出の大半が成り立ちません。

そんなグローバル化した世界の中で、唯一の例外がアメリカです。

自国一国でまかなえる食料をはじめ技術も国防も、すべてが海外に依存せずに自給できるのがアメリカです。
バノンがいうように“保護貿易主義”によって他国との関係を断っても、唯一、存続が可能です。

逆に申し上げますと、アメリカとの関係を完全に断たれると、食料的にも技術的にも困窮したり課題が山積し、結果、アメリカの要求に屈していかざるをえないのが世界の先進諸国です。

バノンは、多分、それを見越して「アメリカ・ファースト」すなわち“保護貿易主義”をトランプに提案してきたようです。

しかし、それを見事に打ち砕いた国がありました。

金正恩の北朝鮮です。

アメリカを攻撃可能なICBM(大陸間弾道弾:核ミサイル)の開発推進によって、もはやバノンがいうように“保護貿易主義”や“アメリカ一国主義”から「北朝鮮にはかまうな」といった現状ではなくなっています。

それゆえトランプは、バノンを解任し、北朝鮮への対応を準備しています。

結局、「アメリカ・ファースト」というのは、バノンの考えとは異なり「世界の警察官」かどうかはともかく、オバマが封印した「強いアメリカ」の復活でしか実現することはできません。

国際情勢の現実をみればそれはわかりきったことで「アメリカ・ファースト」というとき“強いアメリカ”の実現でしか成しえないことは明白だということです。

もし民主党のヒラリー・クリントンが大統領に当選していれば、これまでのアメリカの対外戦争のほとんどが民主党政権によってはじまったように、日韓の相応の犠牲をかえりみす、すでに北朝鮮に攻撃を仕掛けた可能性がゼロではありません。

ひるがえって共和党のトランプ大統領が尊敬するレーガンが大統領の時代に、宇宙防衛構想(俗称「スターウォーズ計画」)によって、共産主義国・ソ連との「東西冷戦」を終わらせ、さらには崩壊に導いたように未定とはいえ、北朝鮮や中国に何らかのかたちでの“引導”をわたす可能性がないとはいえません。

なぜならトランプのもとには、冷静な現実判断に優れ、経験も豊富で優秀な3人の元将軍たちが首席補佐官、安保担当補佐官、国防長官のポジションにいて、政治経験も軍隊経験もないトランプはそれゆえ彼らを信頼し、その判断や裁量にほぼ全面的に委ねているからです。

それができるトランプは、オバマのように“好い人”ではあっても世界を混乱に陥れるような政治家としての“マヌケ”ではなく、冷徹なリアリストで中国(シナ、チャイナ)の戦国史でいえば、“将に将たる”といわれた劉邦のような存在にさえなりえます。

早いお話が、アメリカのマスコミはもちろん日本のマスコミからの伝聞、いわゆる意図的な“フェイク・ニュース”を脇において現実のみからみていくと、現時点ではそういえます。




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